ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

兄妹の素性

2011-03-16 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
継「どうだ?忍びやすくライティングしてみた。ほれッ」と親指差した方向を見ると、
義経「おいおい…黒脛巾の奴らを忍ばせてどうする?ただのタダメシ食らいじゃねぇか!」
継「そう言うなって。こうでもしないと忍びづらい」
義経「ま…いいけど。あ、ちょっと…。先に行っててくれ」と離れの厠(便所)に駆け込んだ。
継「おう!」と舞台に駆け込み、舞台ライティング設定の残りを仕上げた。
一方、舞台[控え室]では、五人囃子とそれぞれの舞台衣装&能子の能装束が用意されていた。
能子「これ…」と能装束を手に取り「よく…準備出来ましたね…」と童ちゃんを見たら、
童ちゃん「継っちが、能ちゃんには絶対これって!レンタル料金もお構いなしだ。たくっ!」
能子「継さん…」が用意してくれたのは、紅白段菊花文摺箔(すりはく=金箔付き)の唐織(からおり)で、背には紫糸で揚羽蝶が刺繍された美しい能装束だった。

葛葉「あらっ。意外と…粋な息子っ。ね♪」と乙和に目を向け、
乙和「フッ」と苦笑した。
忠「継が…蝶の魂を癒してくれってさ」
能子「…はい」と能装束をギュッと抱きしめ、目に涙を浮かばせた。
与一「…」
斯波「…。隆坊、ちょっくら厠に行ってこうやっ」と与一の腕をぐぃと掴んで厠に向かった。
能子「あ…」と不安を感じ、腰を浮かせた能子を制し、忠「俺が…」と、二人の後をこっそり追って厠に向かった。その厠で…、
義経「おろ?」
斯波「よぉ」
与一「…」
義経「なんだ、緊張してんのか?」
斯波「そんな小せぇ玉と器じぇねぇよ。丁度いい、お前にも聞きたい事がある。待ってろ」と小便終らせ、手を洗って、ピピッと手を振って自然乾燥。
義経「で、何だよ、聞きたい事って?」拷問なら止めてくれよ。
斯波「あん?それより、お前…俺たち源氏って言ってたよな」と、与一をチッと見て、
義経「あぁ(ピン!)」と来て「能子…か…」と分かった。
斯波「彼女…平家だ。それにさっき…新田がどうのこうのって…あれどういう意味だ?」
義経「そういや、アンタ、新田分家って言ってたな。ふぅ…」と溜息付いて「あいつと俺とは父親が違う。あいつは…かつての平家総大将 清盛の末娘だ」と能子の素性を明かしたら、


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