ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

己次第

2011-03-17 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斯波「清盛!?って、ハァア!?」気付いたらしく、与一の肩を掴んで「新田ッ!」
与一「はい。平家の彼女を貰うには…」と言葉を濁し「一旦、新田家の養女に入ってもらい、そこから那須家に…」
斯波「ほぉえ…、隆坊。お前、えらくぶっ飛んだ事したな…」と、パッと手を離した。
与一「…」キュッと唇を噤んだ。
斯波「なんだ?持て余すようなら俺が貰ってやるよ、妾に♪」
義経「こんな可愛気のねぇ弟いらねぇよ。それだけは勘弁してくれっ」
斯波「んだぁ!」と食って掛かろうとしたら、
与一「源氏とか、平家とか、それだけで別れるのが、勘弁ならなかった」キッと空を睨んだ。
斯波「隆坊…」
義経「分かってる。ほら、あの心配症の事だ、ここまで探しに来るぞ」と背中をポンと叩き、
与一「…はい」と斯波と一緒に[控え室]に戻った。
義経「辛い思いさせて悪かったな。俺がちゃんとケジメ付けてねぇばかりに…」と与一には見えなかっただろう満天の星を見上げ、キッと輝く星を睨み、気合を入れて舞台に向かおうとしたら暗闇からヌォッと手が出て来て、ガバァッと暗闇に連れ込まれ、引き倒された。
義経「ッテェ!」と誰よ!と思って見たら、
忠「よぉ、兄ちゃん。クールなツラしたホットな弟だな」
義経「てめぇッ!」尻持ちつきながら、とっちめようと手を伸ばしたら、
忠「おっと!」とひらりと手を退け「手洗ってなかった…」と厠で手を洗っていた。
義経「厠の脇でタッションしてんじゃねぇッ!」ちゃんと厠使えッ!
忠「フッ」ぺッと手を一振り、自然乾燥しながら走り去った。
義経「チッ!」逃げ足の速い忠は早々に[控え室]に戻っていった。その[控え室]では、
童ちゃん「さて…と、その能面を貸してもらおうかな?」と、ヌォとごっつい手を伸ばし、
小枝「オロ…」となって、後ずさりして「…ブンブン(いやいや)」と面を振った。
能子「…。今日は能面無しで舞うわ」
童ちゃん「へッ?」
能子「この能代(よりしろ=身体)に、神の幽玄(寂美)降ろしてみせる」とバサッと能装束を羽織って、クッと小枝御前に視線を移した。
小枝「…」
能子「(心の)面を着けるも外すも己次第…でも、私の舞を見る時は面を外した方がいいわよ」

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