ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

葉団扇

2010-08-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
襟部分に天瓜粉をはたいて、女子退散。
男子、心置きなく脱いで着替えて準備して5分後に大荷物を抱えて部室から出て来た。
身長とほぼ同じ位の長さの兼房の刀を抱えて出て来た義隆を見て、
佐伯「義隆、ちょっとこい」と両手が空くように、刀を背中に右上斜めに括り付けてくれた。
義隆「ありがとう!」佐伯氏を見上げた時、浴衣の帯に挟まる団扇に目が留まった。
佐伯氏「これが欲しいのか」パタパタ…と葉団扇を扇いで見せ、ほれほれぇ~と煽っていた。
義経「子供を煽るな!それっ鞍馬ンだろ。いらん!」と子供の意向を聞かず受取拒否したら、
義隆「欲しいっ!」と父上の意向を完全無視、目をキラン(☆▽☆)キランと輝かせた。
義経「あ゛ぁ゛~」変なモノに興味を示し始めるお年齢頃だ…とガックリ来た。
佐伯「困った時、思いっきり扇げ。いいなっ」と天狗の葉団扇を左手に握らせた。右手は刀を鞘から抜くのに使うから必ず空けておけ、それから、一振り扇げば旋風巻き起こり…(ぼそっ)…汝ら助けん…と一言添えた。
義隆「うん、困った時、だね」分かった!と大きく頷いた。
佐伯「困ってなければ、何も起きんよ。パタパタ扇がしておけ」周りが涼しくなるぞぉ。
顔をへのへのもへじの「ヘの字」にして、困った顔をした義経の顔をペチッと叩いた。

弁慶「んなら、行くか」と佐伯氏が作ってくれた薬用酒と目張り寿司弁当を二箱とがっちゃんの紹介状とお稲荷さん弁当一箱をそれぞれ風呂敷に包んで、
佐伯「くれぐれもがっちゃんに“これ”渡すのを忘れるなよ」と念を押した。
海尊は佐伯氏が付けた丸印やら矢印やらペケ印やらの地図を手に、これから向かう八郎潟 男鹿半島とそこから海沿いを南下する道を確認していた。丸やペケには何の意味があるのか分らず、顎(あご)に拳を押し当て、神妙な顔で地図上のペケ印を目で追っていた。
海尊「ペケだらけじゃねぇ?」
弁慶「まぁいい、行け」と海尊を先頭に、二番手 弁慶、その後に女子供ら、そして最後尾に、
義経「よっ」と繭入り大荷物と女たちの化粧道具一式を持ってヒョコッと付いて行った。
ばいばーい!と佐伯氏と一旦?別れ、数十分歩いた所に最初チェック丸印ポイントがある。
丸印は安全安心な所という意味らしく、地元民の生活水の“お伊勢の井戸”を略して「おせど」の霊水場があった。ここで地元民と霊水に手を合わせ、拝み倒して無料で竹と瓢箪の水筒の中に水を入れて頂き、かなりの量をがぶ飲みして喉を潤し、腹がちゃわちゃわになった。
心と喉を潤わせ、先頭を張りきって歩く海尊だが、やはり心配なのは地図上のペケで「ペケってなんなん?」と首を傾げつつ歩を進ませた。