ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

抜擢

2010-08-10 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
そんな修練の山岳部ではない富樫は、先に男鹿半島の岬で未確認のUFOを確認しに行った。
弁慶「俺たちも後を追うぞ!荷物持ってくるから、ちょっと待ってろ!」と命令して湯治部の部室に入って行った。パタンと。
海尊「えぇっ!湯治部だったん!?」覗いてもいい?と弁慶の後に付いて行った。パタンと。
その後姿、身長が同じ尋(ひろ)の山伏風…疑いようもない親子だ。ちなみに、尋とは長さの単位で約180cmの事である。よく使われる千尋は1000×180…で、広いなぁという意味だ。
義隆は湯治部に興味がないようで、女子風呂の暖簾を見つめていた。今の所、山岳関係に興味を示さないので安心している。父として同じ山道を歩ませたくないんだよ。
義経「郷…まだか?」と義隆の心配を代弁して言った。
冷泉院「郷さん?(女子風呂に)いなかったわよ」
高舘炎上計画遂行後、奥州を脱走して弁慶らと一緒にここに来る事になっていた。しかし、例の女性特有の症状が重く、それに加え、娘[山吹]出産後、体調を崩していた。精神的に不安定で彼女自慢のトトロ術の的中率が低下、直感力が落ちていた。
トトロ…当たればラッキー、外せば「残念なお知らせ」となる。その人生 二者択一の直感的選択で、郷は高館に火を放つ指示を出す司令塔を買って出た。それは、いざという時以外決断が鈍い優柔不断な義経では「残念っ!」な結果になると皆が危惧したからだ。つまり、司令塔を降ろされたのだ。普段からのほほんとした顔で心配しているように見えないが、内心は心配症で、弁慶が戻ったら郷の事を訊ねようと思ったが、二人はなかなか戻って来ない。
義経「おっせーなぁ、何時間かかるんよ」と実際には数分程度しか待っていない。待つのが嫌いなのだ。そのイラッとして待っている間、二人は佐伯氏にとっ捕まっていた。
そのとっ捕まった部室内では…、
佐伯「よぉ。海尊!円仁(立石寺 山寺)んとこで噂は聞とるぞ。それに、さっき見たぞ」
海尊「ゲッ!大師さ…ま…」のお初ですが、銅像かなんかで見て知っていた。
佐伯「いいもん持ってんじゃねぇか、えぇ?」にニヤッと笑った。「よし、こうしよう。お前ら二人に四国八十八の霊験所の山門、任せた!同じ背格好で左右対称、阿吽の呼吸で組み立てろ。それが手っ取り早い。そうだな…、7,8個/1年のペース、11年で八十八作って回れ。それに、さっきの九字の印…いい霊力じゃねぇっ。入(い)ける!入ける!阿吽の仁王門に霊力入(はい)る!いいか、まず、左回りの結界一ヶ所目はここ、渦巻鳴門の端っこで霊山寺(りょうぜんじ)だ」とクルリンと赤い油性ペン筆で丸を付けた。もちろん、雨 水で印が消えないように油性ペンを選ぶという細心の注意とご配慮付で、次から次へと丸を付けてくれた。