ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ヤクモソウ

2010-08-11 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
佐伯「八十七ヶ所目で磯乃さんと娘の毛を奉納しろ。それから、最後八十八ヶ所目はここ、医王山(薬師)の大窪寺だ。間違うなよ。この印(しるし)を頼りに左周りで八十八を結んで結願したら高野山に戻って来い。よし頑張れっ!」と労いのお言葉まで頂戴したが、四国お遍路さんコースは、佐伯氏の弟子らがその印を辿って歩いたのが始まりである。
海尊「はぁ」と溜息混じりに生返事。湯治部が山岳修験部に属しているのを知ってガッカリ。
弁慶「…」と無言で頷いた。逆らうと後から面倒だから佐伯氏には逆らわない。
弁慶は大切な大工七つ道具を背負って、白い布に包(くる)まれた長い包(つつみ)を持った。
佐伯「弁慶、ちょいと待ぃや。お前の自慢の[岩透し]だけどな、がっちゃん所で刃、磨いてもらえ、それと…」と続けようとしたが口を噤んだ。これは義経に直接言うよ…と、弁慶らと一緒に立ち上がり湯治部に出た。ようやく、かちゃ…と、湯治部の扉が開いた、
義経「らっ!」と二度ぶつかったじじぃがひょっこり顔を出したので驚いた。
佐伯「よっ!」と軽く右手を挙げた。そんな挨拶でいいのか!と、弁慶は佐伯氏を紹介した。
弁慶「…佐伯 弘法大師だ。名前だけは知ってるだろう?」
義経「…佐伯って、そこまで知らんが、すでに、しん…」
佐伯「まぁ待て。分からん事は後からコンパクトにまとめて質問しろ。それから話の途中で口挟むな。いちいち答えるのが面倒だ。分かったら話を進めるぞ」と、義経の言葉を遮った「が、立ち話もなんだな…」と瑠璃姫が寛ぐ足湯まで行くぞ♪とすたこらサッサと足湯に向かった。一方的な話の展開と進行で、誰も逆らえず、肩をすくめながら足湯に着いて行った。
義隆「瑠璃ねーちゃん、大丈夫?」と優しく声を掛けた。ら!?
瑠璃姫「えぇ♪大丈夫、ありがと」と33歳でねーちゃんと呼ばれて機嫌が直った。
お面を外してにっこり優しく微笑む瑠璃。全くこの女は、
義経「現金な奴…」
佐伯「瑠璃、お前にこれ、やるよ」と枯葉のプレゼント♪って、いきなりお前扱いか!?
瑠璃姫「これ!?伝説のヤクモソウ!!」
佐伯「おっ流石!」医薬師大の教授さん♪
瑠璃姫「これ、一体どこで?」
佐伯「ふむぅ。あれは、確か…去年、鞍馬と空木岳(うつぎだけ)に登って…」
義経「鞍馬!?」
瑠璃姫「空木岳って信州伊那の?」
佐伯「ん…そこからずっと天竜川下って…浜松で鰻食って…鎌倉の磯乃さんとデートして…」