ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

男の悩み

2010-08-19 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
佐伯氏「今夜、がっちゃんに紹介状を書いてやるから、今日はここ(後生掛 湯治部)に泊まれ」と瑠璃をちろっと見て、冷泉院の顔色を伺った。女らの心身状態と真っ暗闇の山奥という状況から今日中の出立は無理と判断したらしい。
佐伯「ほれ、部室をきれいにせんか!こんな汚くてはレディーらがゆっくり休めんだろ」
弁慶「…(佐伯さんが汚したのに…)」
義経「おいおい、俺に掃除させる気か?」この俺様が掃除って!?
佐伯「つべこべ言うな」と黙って小一時間ほど部室の掃除の修行をさせられた。
その間、佐伯氏に勝手に適当に使っていいぞといわれた部室の前にゴロゴロッと並ぶ地元の食材を使って、部室の隣にあるキッチンで夕食の支度をしていた女や子どもらで、
義隆「開けてーっ!」外で叫び声が聞こえた。なんだ!?どうした?と扉を開けると、
義経「おっ!召しか!」
弁慶「よし、こっちだ」と中央のテーブルに持って来るように手招きした。その後ろから、
瑠璃姫「助かったわ。郷ちゃんの手伝いをよくしてるのね」と義隆に微笑み、テーブルの上におかずを並べた。
冷泉院「あんたの子とは思えない…」と、人数分の飲み物を運んで来た。
義経「うるへぇ(うるせっ)!」と、つまみ食いしてお行儀悪い義経で、躾がなってない。
佐伯「うほっ、美味そうだな。さ、座れ、座れ!合掌すっぞ!」
海尊「いっただきまーすっ」と、大皿に乗った夕食争奪戦の火蓋が切って落とされた。
野郎どもの大変見苦しい食事風景で尚且つ浅ましい状況で、
義経「おい、お代わりっ!」
弁慶「自分でよそぇっ!」
海尊「これ、俺ん肉っ!」
義隆「名前、書いてないだろ…」
佐伯「ガッ、ガッガガッ、ふごっごほっぐはっぐへぇ」細くなった食道に食べ物が詰まった。
瑠璃姫「だ、大丈夫ですか?」と佐伯氏の背中をさすっている。さすりさすり。
冷泉院「た、足りないかな…」と心配していたが、皆大満足の満腹となった。ぽんぽん。
そんな浅ましい食事が済んで、台所で片付けにかかる女子ら。一方、男子らぽんぽんの腹をさすり、苦しい腹をさすりながら寝床のセッティング。布団を引いて、部室のどこで誰が寝るか腕組みして真剣に悩んでいた。ら!?
冷泉院「あんたたちの深刻な人生の悩みってそれ?」いいわね、そんな悩みしかなくって…。