ひらりん気まま日記

== 毎晩パコパコ せっかちでドジなひらりんの言うたもん勝ち ==

『つるかめ助産院』 小川糸

2012-08-28 20:29:52 | Book&Art&TV

アメリカディゴ 市民の森 沖縄県花のディゴは別物で、寒さに弱いので本州では育たない

『つるかめ助産院』今夜から始まるNHKドラマの原作である。

宝くじで1億円当たった助産師鶴田亀子が南の島でユニークな助産院を開く。
そこへやってきたわけありの若い女子まりあが妊娠中であることが判明して、そのまま居ついて出産する。
そんな上手い具合に宝くじ当たるか?とか、登場人物が全て親に訳ありの問題抱えの人というのもできすぎ感があるけど、南の島の描写がいい。
自分の知っている南の島が脳裏に蘇ってくる。
沖縄本島ではでかすぎ、石垣島や竹富島は観光化されすぎているし。
昔、若いころに与論島に行ったことがある。
帰り時、春の嵐が吹き荒れて、フェリーは出航したものの、奄美大島で一晩足止めされてしまったこととかは覚えていても、島の様子はほとんど忘れている。
南の島のイメージでは9年前に訪れたパラオのカープアイランドの島を思い出す。
柔らかく湿った南風、刻々変わる海の色、茂る植物の葉ずれの音、真っ白い浜で自由に遊ぶ島の犬たち。ぬかるみのジャングルを抜けた先に突然現れる誰もいないビーチ。
東日本大震災のあと、やたら、家族の絆がもてはやされたけれど、絆はしがらみでもあるのだ。
子どもは親を選べない。つながっていたくない絆だってあるはずで、赤の他人同士がくっつく結婚なんて、ホントに頼りないもんだ。
血でつながっていない絆、家族でなくっても絆は作れる。
つるかめ助産院で無事に男児を産んだまりあは、それまでのわだかまりも解けて、ハッピーエンドになって島を離れていく。
子どもを産んだからといって、強い母になれるわけではないけれど、これだけは男に敵うもんでもある。
しかし、ドラマは原作とだいぶ違っているような。。。