『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  28

2019-05-22 07:53:36 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスの声がけに耳を傾ける。
 『なあ~、イリオネス、考えるとだな、先を読むということはなかなか難しい、難儀なものだな。船舶を建造する、その展開を左右するのは、今後これからの船舶の需要と供給の問題だな。これがどのように展開するか、計り知れない』
 『そうですな?』とイリオネスが首をかしげる、話を続ける。
 『統領、そんなもの見えるわけないですよ。見えたら、仕事の苦労が半分になります』
 『お前、簡単に言うな。発生する事態を日々の尽力、努力でクリアしていけるか?いい状態で売り上げを維持して、仕事の回転をうまくやっていけるか?俺の考えている目指す方向の発展、維持に関係する。先をどう読んで、それに対応する条件を構築できるかにかかっている。イリオネス、俺と一緒にそれを考えてくれ。今の俺の考えでは、当たるも八卦の状態だ。心もとない』
 『統領、それは、言われる通り難しい問題ですな。その問題はそれなりに考えるでよろしいのでは、真剣に考えては迷う。私はそのように考えます。この思考に力みは禁物です』
 『そうか、お前だったらどのような手順で考える?ちょっと言ってみてくれ』
 『物事を考える、一瞬の閃きが頭をよぎる、その閃きを評価検討する、しょうもないようなら捨ててしまう、考えの道を歩む、閃きがおとずれる、また、評価検討する、これが繰り返される、確かだなと勘繰られる思考がまとまる』
 『それで終点か?』
 『いえ、それで終わりではありません。統領が正解を出そうとするからではないですかな?将来を考える、先を読んで当たった、うまくいった!そんなことたまたまの偶然であって、正解でも何でもありません。当たった八卦です』
 『おう、お前、きついことを言うな、それが道理とうなずけることができる』
 『この種の思考は、問題の正答率です。80点以上の高得点で考え、結論する方向に進めると難しい。私の考えでは、50~60点くらいで考えて、あとは当事者の思考と実行で80点以上にすればいいのです。それで取り返しの出来ない最悪の状態を避けれるのではないかと考えます。いかがです』
 『お前のその考え方いいな。考える者、実行する者、どちらも人間がやることだ、お前が、今、言った考えが合っているかもだな。よしっ!その考え方をもらう、それでやる』
 アエネアスは、この件についての思考方針をきめる、何となくこの事態の前が、先が見えてくるように感じる。
 この件に関して考えを巡らせる、難易度の高い思考をシンプルに考える、なんとなく思考作業に安ど感を感じる。
 二人は、船台の場に立つ、作業風景に見入った。