『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1064

2017-06-29 08:04:55 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オキテスは、肩で息をしてドックスに問いかけた。
 『ドックス、変わりはなかったか?』
 『はい、四日間も隊長の顔を見ないと、それはそれはさみしい気分でした。建造の場は、変わりなく、ヒマなく、毎日動いていました。安心してください』
 『安心安堵ということか。俺が、いてもいなくてもいいということではないか』
 『そういうものではありません。気にかける者が、いるいないが大事なのです。絆です』
 『ほう、そのように言われるとうれしいね!ドックス!お前が頼りだ』
 『隊長、パリヌルス隊長を呼んできましょうか』
 『おう、そうしてくれるか』
 ドックスがパリヌルスを呼びに立ちあがる、足を運ぶ、間をおかず、パリヌルスが姿を見せる。
 『おう、オキテス、帰ってきたのか、集散所はどうであった?』
 『おう、集散所に二件の新艇の納入を終えたことを報告した。それを終えて、販売業務が一段落したなと思ったとたんにドドッと疲れを覚えたような始末だ。それが偽らない今の俺だ』
 『そうか疲れを覚えたか、ごくろうであった』
 『パリヌルス、これで集散所との業務は決済業務を残すのみとなった。喜んでくれ。今日、納入業務を終えたことを話して、ハニタスと決済業務について話あった。即刻、統領と軍団長に報告してこの情報を共有しておかねばならん。明日にでも会議を招集してほしい。オロンテスも言っている、我々のネクストをかんがえねばならん』
 『そうだな、了解した。軍団長と話して会議の開催について話をまとめる。お前は身体を休めろ!』
 『お前とも打ち合わせた。ドックスとも話し合った。集散所への報告も終えた。少し休む』
 『おう、解った。このあと、ギアスが航海の報告をしたいといっている』
 『ギアスはよくやってくれた。海上交戦に勝利できたのもギアスがいたからこそだ。俺が感謝していたと伝えてくれ。ギアスとテナクス、そして、班長らをねぎらってやらねばならん。海上交戦の勝利はあいつらの栄誉だ!』
 『解った。それについては軍団長に伝える。ではな』
 話を終えてパリヌルスは建造の場をあとにした。
 パリヌルスのもとへギアスが来る。
 ギアスは、四日間の航海の事、クレタ島の西岸、そして、テムパキオまでの南岸の地勢、風光などを話し、ガブドス島の海域にて展開した外敵との海上交戦の模様を詳しくパリヌルスに話した。
 パリヌルスは、話を聞き取り、展開した海上交戦を解析する。
 海上においての軍船なる大船を機敏に操船して外敵をせん滅したギアスを高く評価して、彼を誉めた。