オデッセウスとメネラオスは、二階にある小部屋に通された。小部屋の三方が窓であり、海が見える。入口から、左手の窓からは、今朝、レスボス島に上陸した浜辺と海が、そのかなたに大陸があった。右手の窓からは、なだらかな草原がくだり、その向こうにレスボス島の大きな入り江が望まれた。もう一方は、南面の窓である。その窓からは、夏の終末の太陽の熱気がさしこんでいた。この時代の建造物の壁は70センチメートルくらいの厚さももあり、外部の熱気を遮断して、建物の内部は、思ったより涼しく感じられるのである。
二人は、自分たちの考えをまとめて置かねば、相手との話し合いを有利に進めることができない。ミチリニアモスのほうでは、どのように考えているか、見当もつかないのである。このあたりの海の事情について精通しているとすれば、それは彼等のほうである。
二人は、自分たちの考えをまとめて置かねば、相手との話し合いを有利に進めることができない。ミチリニアモスのほうでは、どのように考えているか、見当もつかないのである。このあたりの海の事情について精通しているとすれば、それは彼等のほうである。