『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  24

2007-04-24 10:52:29 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 オデッセウスとメネラオスは、二階にある小部屋に通された。小部屋の三方が窓であり、海が見える。入口から、左手の窓からは、今朝、レスボス島に上陸した浜辺と海が、そのかなたに大陸があった。右手の窓からは、なだらかな草原がくだり、その向こうにレスボス島の大きな入り江が望まれた。もう一方は、南面の窓である。その窓からは、夏の終末の太陽の熱気がさしこんでいた。この時代の建造物の壁は70センチメートルくらいの厚さももあり、外部の熱気を遮断して、建物の内部は、思ったより涼しく感じられるのである。
 二人は、自分たちの考えをまとめて置かねば、相手との話し合いを有利に進めることができない。ミチリニアモスのほうでは、どのように考えているか、見当もつかないのである。このあたりの海の事情について精通しているとすれば、それは彼等のほうである。