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地蔵十福

2020-10-19 | 日記
  10月18日(日)
気持ちの良い爽やかな秋日和で、奈良市内にある地蔵十福の4ケ寺を巡るべく、彼の道案内で出かけた。
既に4ケ寺は済んでいる。
スタートは2019年4月9日桜の季節で、室生寺&大野寺だった。今年寒くなる前に満願したい。

近鉄奈良駅に着くと、案内ロボットが設置されていた。話しかけるのにちょっと勇気が要ったが、このまま通り過ぎるには惜しい気がしてマイクに向かった。
質問に案内地図を表示してくれて、「ありがとう!」と言うと「どういたしまして。」と返ってきた。人を介して尋ねるより端的に素早く分かり、その便利さにビックリした。時代は変わっていくのだなぁ~・・・                                  

先ずは、伝香寺(でんこうじ)の重要文化財「春日地蔵」(木造地蔵菩薩立像)からスタート。
通称「はだか地蔵」の名で知られるこちらのお地蔵様は鎌倉時代(1228年)に裸の状態の像として造られたそうで、本物の綺麗な衣装を纏っておられる。拝観は3月12日の「地蔵菩薩特別開扉」と7月23日の「地蔵会・着せ替え法要」の2日のみ。
今日は地蔵堂の窓を開けて拝顔させて下さった。すっきりと清々しく美しいお姿で凛として立っていらっしゃった。像高は97.3cmとか。
こちらのお寺は花びらが1枚ずつ散り落ちる「散り椿」でも有名である。戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・筒井順慶の菩提寺で、36歳の若さで亡くなった武士に因んで「武士椿」とも呼ばれているそうだ。椿の公開時期は人で埋め尽くされる境内だが、今日は静かでゆっくりさせてもらい心が和んだ。萩の花が咲いていた。
( ついでながら、奈良の三名椿は東大寺開山堂の「のりこぼし」、百毫寺の「五色椿」、伝香寺の「散り椿」である。)

元興寺(がんごうじ)に向かう途中、「奈良町からくりおもちゃ館」に立ち寄った。
江戸時代の “からくりおもちゃ” を復元して色々並べられている館で、実際に手に取って遊ばせてもらえて楽しかった。おもちゃは2ケ月毎に入れ替えされるとか。

         (画像は全てクリックすると拡大する)

元興寺に来た。
6世紀末蘇我馬子によって建てられたという飛鳥寺(法興寺)が平城遷都の折こちらに移転されたお寺で、国宝の禅室や本堂極楽堂の屋根瓦の一部に今もその面影を残している。
お地蔵様については、国宝の木造薬師如来立像や五重小塔etc.が保管されている法輪館を数回訪れているので拝顔しているはずである。
「印相地蔵」(いんぞうじぞう)と言って、錫杖や宝珠の持ち物はなく手や指でそれを象徴していられる室町時代のお地蔵様だそうだ。
受付に並んでいられる人が沢山で、不謹慎ながら今日は朱印だけ頂いて、来年8月23・24日の地蔵会万灯供養には是非お参りに来ようと決め、十輪院に向かった。

十輪院の境内にはフジバカマが綺麗に咲きススキが風に揺れていた。
こちらのお地蔵様は花崗岩の石の厨子に祀られている石仏・「石龕(せきがん)地蔵」で、元は露仏だったそうだが、本堂(国宝)内に安置されている。実に巨大な石龕(間口268cm、高さ242cm、奥行245cm)の中に、お地蔵様は錫杖は持たず宝珠だけを持って立っておられた。平安後期の作だそうである。

尼僧様が色々説明して下さった。左右の壁面には冥界の十王、仁王、聖観音、不動明王、、四天王、五輪塔、あるいは観音、勢至菩薩の種子(しゅじ=シンボルとなる文字)などが、そして地蔵尊の左側に釈迦如来右側に弥勒菩薩が半肉で浮き彫りされている。そして龕の上部分や左右両側に刻まれているのは北斗七星、九曜、十二宮、二十八宿の星座の梵字だとか。

お話の途中からは今までに聞いたことのない言葉が出てきて、彼はうなづいていたが、私は解らなかった。とにかく感動で心が震えた。
石仏龕は「彫刻」ではなく「建造物」として重要文化財に指定されているそうだ。
「大和地蔵十福」の本に掲載のお写真をコピーさせてもらった。

    それにしても「龕」とは難しい漢字だよな。漢検1級
    部首は龍 (りゅう)で画数は22 、  音読み ガン・ カン   訓読み ずし・ かつ

最後に福智院の山門をくぐった。
白鳳時代の秘仏「宝冠十一面観音菩薩立像」の特別公開期間中でもあり、数人の参拝者が出入りしていた。境内に満開の白いシュウメイギクを見た。
地蔵大仏と呼ばれる、桧寄木造りの地蔵菩薩坐像(重文)は大変大きくて(高さ2.73m)須弥壇に座しておられるお姿は一目で圧倒される。( 台座からの総高は6.60m )
鎌倉時代の作で、千仏光背と言われる光背はご本尊の分身とされる小さな仏さま・化仏(けぶつ)でびっしり埋まっている。
椅子に腰かけお地蔵様を見上げていると、本当に私達の難儀を救って下さるような気持ちになった。
こちらのお地蔵様も本の写真をコピーさせていただこう。

      

ラッキーな事に、丁度太陽の位置に依り窓から差し込む光で光背の後ろの壁面に虹がかかる不思議な現象が現れる瞬間に遭遇して感激!

4ケ寺巡拝に大いに心満たされた秋の一日であった。彼には同伴ありがとう。

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