10月26日(土)
今年の天平大菊人形展は10月19日(土)から始まっていて27日(日)迄だった。私は菊人形が好きで一昨日ぶらりと見に出かけた。会場が今年4月にオープンした奈良公園バスターミナルの屋上広場と言う事で、奈良県が45億円もかけて整備したのに利用は少なく頭を痛めているという駐車場にも関心があった。
確かに市内は観光バスがいっぱい行き交っている割には空きスペースが目立っていたなぁ~。
屋上広場に上がると大仏殿の屋根がすぐ目の前に、そして興福寺の五重塔や若草山も菊人形にカメラを向けると一端を担っていた。ベンチに腰かけると、前日の雨に洗われた緑の美しい青垣に癒され、古都の雰囲気たっぷりの素晴らしい場所だった。
菊人形は鳥毛立女屏風、立女の顔も作られていた。それに前年度に加えて聖武天皇や光明皇后そして唐の玄宗皇帝もあった。
使われている色とりどりの大小様々な菊の数は4万5千本とか、下草を混ぜれば100万本以上になるらしい。平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)・螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)は昨年に優るとも劣らない美しさだった。( 菊人形:阿倍仲麻呂、玄奘、吉備真備、玄宗皇帝、聖武天皇、光明皇后 )
(画像はクリックすると拡大する)
「来年も楽しみにしています。」と言って、会場を去り、本日から開催の第71回目の正倉院展を観るべく国立博物館に向かった。何という奇遇か待ち時間なしで入館できた。
ちなみに今年は天皇陛下の御即位を記念して東京に於いても10月14日(月)~11月24日(日)まで開催されるらしい。
私の気持ちを正倉院展に向かわせたのは、聖武天皇の愛用調度品であったという「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」(「樹下美人図」)が20年ぶりに6扇そろって出陳とのことで是非観たかったのである。6扇には唐の風俗を反映したという髪を結いあげた天平美人が樹の下でふくよかな姿で立っていた。かつては日本産ヤマドリの羽毛が貼られていたらしいが今は剥がれ、プロの眼がかろうじて分かる程度に残っているだけらしい。
出陳されている41件の宝物の中で、同じく20年ぶりの綺麗な金銀飾りの琴・金銀平文琴(きんぎんひょうもんきん)・紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえこうろ)が私には印象的であった。1300年昔の繊細な工芸技術力に驚かない人は居ないだろう。
聖武天皇や光明皇后の礼服御冠の残欠に鳳凰を象った繊細な金具の飾りがあった。しかも翼を広げた華やかな鳳凰で、へぇ~・・・当時の人々の美的感覚に触れた気がした。
今年も心満たされて帰る途中、明日は久しぶりにもう一度正倉院へ行こう、と思った。勿論見学は校倉造の高床式建物の外構だけしか出来ないが。。。。。
10月27日(日)
どうやら雨は降らないようで、出かける元気が湧いてきた。
昨日正倉院展で色んな宝物を観た後ゆえに今日見る正倉院には気持ちが入っていた。扉が3つあって北倉(ほくそう)、中倉(ちゅうそう)、南倉(なんそう)の3区画に分かれているのを初めて意識した次第。(笑)
又、高床の校倉造(あぜくらづくり)倉庫は薬師寺の経蔵を見慣れているので、今回この大きさに改めて感動した。全長33m、高さ14m、奥行き9.4mの巨大なそして何とすっきりしたデザインの素晴らしい建造物であることよ!
710年都が平城京に遷り724年に聖武天皇が即位し、752年に東大寺の大仏が完成し、756年に聖武天皇が亡くなり、756年に光明皇后が天皇の遺愛の品々を大仏に献納して正倉院宝物が誕生したそうだ。元は東大寺の倉庫であったという正倉院は平成9年に国宝になり、翌年には世界遺産に登録されたという。現在、宝物はすべて傍らに建っている新しい鉄筋の建物の中に保管されていて、庫の中は空だそうだ。
事務所に寄ってみると皇室カレンダーが1000円で販売されていた。成程ココは国が管理している所だからこのカレンダーが置かれているんだと分かった。
東大寺戒壇堂に立ち寄り、大仏池の鹿と遊び、県庁前に戻ってきた。
この時期、県庁前は「にぎわい回廊」と称して色んな出店や催し物が並んでいて、ふと声を掛けられ、折り紙で鹿を折った。奈良公園と鹿、なかなかいいお土産が出来て嬉しく大事に持ち帰ったよ。(笑)
この後平城宮跡の東院庭園へ行こうと思っていたが近鉄駅の観光案内所に寄ってみると、今、復原整備工事中の大極殿院南門の特別公開中だと聞いて、先ずはそちらへと気が向いた。“ぐるっとバス”で朱雀門広場で下車。先ず朱雀門に向かう。門の向こうに南門の素屋根が見えた。
ところが朱雀門を抜けて大極殿までは近鉄線路を越え、かなり距離があった。歩いてビックリ!である。
南門素屋根の中1階2階3階へ上がって見学する。
実際の木材加工現場で宮大工さんが槍鉋(やりがんな)とかいう道具で1尺8寸の太い柱をスルスルと削られるのを見て感動した。南門の設計図等のパネル展示も沢山並び、建設途中の構造が各部材の説明付きでいろいろ見学出来た。難しい事はいっさい解らなくとも感動する。2・3質問すると丁寧に答えて下さった。
専用のゴーグルを付けてVR体験もした。人工現実感が得られるVR( Virtual Reality )は、仁徳天皇陵で体験して2回目、科学の進歩に驚く。
来年の秋の完成が楽しみだなぁ~。
時計を見ると、午後3時25分、東院庭園へ行くのは諦め、大極殿に入った。
先日10月22日にテレビで見た令和の「即位礼正殿の儀」で見た高御座を思い出し、大極殿の中にある復元された古代の高御座を改めて見たくなったのである。ホント物好きだよな。(笑)
御帳台(みちょうだい)は無く、高御座の周りに有る6本の幡に注目、太陽、月、青龍、朱雀、白虎、玄武が描かれているのを知った。以前に見た時は幡の絵には興味がなかったよ。年齢が変わると見方の変わる面白さ!(笑)
色々な発見にドキドキし、南門見学で頂いた欅の鉋屑をお風呂の湯に浮かせてみようかな等と思いつつ大満足で家路についた。疲れた! (おしまい)
今年の天平大菊人形展は10月19日(土)から始まっていて27日(日)迄だった。私は菊人形が好きで一昨日ぶらりと見に出かけた。会場が今年4月にオープンした奈良公園バスターミナルの屋上広場と言う事で、奈良県が45億円もかけて整備したのに利用は少なく頭を痛めているという駐車場にも関心があった。
確かに市内は観光バスがいっぱい行き交っている割には空きスペースが目立っていたなぁ~。
屋上広場に上がると大仏殿の屋根がすぐ目の前に、そして興福寺の五重塔や若草山も菊人形にカメラを向けると一端を担っていた。ベンチに腰かけると、前日の雨に洗われた緑の美しい青垣に癒され、古都の雰囲気たっぷりの素晴らしい場所だった。
菊人形は鳥毛立女屏風、立女の顔も作られていた。それに前年度に加えて聖武天皇や光明皇后そして唐の玄宗皇帝もあった。
使われている色とりどりの大小様々な菊の数は4万5千本とか、下草を混ぜれば100万本以上になるらしい。平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)・螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)は昨年に優るとも劣らない美しさだった。( 菊人形:阿倍仲麻呂、玄奘、吉備真備、玄宗皇帝、聖武天皇、光明皇后 )
(画像はクリックすると拡大する)
「来年も楽しみにしています。」と言って、会場を去り、本日から開催の第71回目の正倉院展を観るべく国立博物館に向かった。何という奇遇か待ち時間なしで入館できた。
ちなみに今年は天皇陛下の御即位を記念して東京に於いても10月14日(月)~11月24日(日)まで開催されるらしい。
私の気持ちを正倉院展に向かわせたのは、聖武天皇の愛用調度品であったという「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」(「樹下美人図」)が20年ぶりに6扇そろって出陳とのことで是非観たかったのである。6扇には唐の風俗を反映したという髪を結いあげた天平美人が樹の下でふくよかな姿で立っていた。かつては日本産ヤマドリの羽毛が貼られていたらしいが今は剥がれ、プロの眼がかろうじて分かる程度に残っているだけらしい。
出陳されている41件の宝物の中で、同じく20年ぶりの綺麗な金銀飾りの琴・金銀平文琴(きんぎんひょうもんきん)・紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえこうろ)が私には印象的であった。1300年昔の繊細な工芸技術力に驚かない人は居ないだろう。
聖武天皇や光明皇后の礼服御冠の残欠に鳳凰を象った繊細な金具の飾りがあった。しかも翼を広げた華やかな鳳凰で、へぇ~・・・当時の人々の美的感覚に触れた気がした。
今年も心満たされて帰る途中、明日は久しぶりにもう一度正倉院へ行こう、と思った。勿論見学は校倉造の高床式建物の外構だけしか出来ないが。。。。。
10月27日(日)
どうやら雨は降らないようで、出かける元気が湧いてきた。
昨日正倉院展で色んな宝物を観た後ゆえに今日見る正倉院には気持ちが入っていた。扉が3つあって北倉(ほくそう)、中倉(ちゅうそう)、南倉(なんそう)の3区画に分かれているのを初めて意識した次第。(笑)
又、高床の校倉造(あぜくらづくり)倉庫は薬師寺の経蔵を見慣れているので、今回この大きさに改めて感動した。全長33m、高さ14m、奥行き9.4mの巨大なそして何とすっきりしたデザインの素晴らしい建造物であることよ!
710年都が平城京に遷り724年に聖武天皇が即位し、752年に東大寺の大仏が完成し、756年に聖武天皇が亡くなり、756年に光明皇后が天皇の遺愛の品々を大仏に献納して正倉院宝物が誕生したそうだ。元は東大寺の倉庫であったという正倉院は平成9年に国宝になり、翌年には世界遺産に登録されたという。現在、宝物はすべて傍らに建っている新しい鉄筋の建物の中に保管されていて、庫の中は空だそうだ。
事務所に寄ってみると皇室カレンダーが1000円で販売されていた。成程ココは国が管理している所だからこのカレンダーが置かれているんだと分かった。
東大寺戒壇堂に立ち寄り、大仏池の鹿と遊び、県庁前に戻ってきた。
この時期、県庁前は「にぎわい回廊」と称して色んな出店や催し物が並んでいて、ふと声を掛けられ、折り紙で鹿を折った。奈良公園と鹿、なかなかいいお土産が出来て嬉しく大事に持ち帰ったよ。(笑)
この後平城宮跡の東院庭園へ行こうと思っていたが近鉄駅の観光案内所に寄ってみると、今、復原整備工事中の大極殿院南門の特別公開中だと聞いて、先ずはそちらへと気が向いた。“ぐるっとバス”で朱雀門広場で下車。先ず朱雀門に向かう。門の向こうに南門の素屋根が見えた。
ところが朱雀門を抜けて大極殿までは近鉄線路を越え、かなり距離があった。歩いてビックリ!である。
南門素屋根の中1階2階3階へ上がって見学する。
実際の木材加工現場で宮大工さんが槍鉋(やりがんな)とかいう道具で1尺8寸の太い柱をスルスルと削られるのを見て感動した。南門の設計図等のパネル展示も沢山並び、建設途中の構造が各部材の説明付きでいろいろ見学出来た。難しい事はいっさい解らなくとも感動する。2・3質問すると丁寧に答えて下さった。
専用のゴーグルを付けてVR体験もした。人工現実感が得られるVR( Virtual Reality )は、仁徳天皇陵で体験して2回目、科学の進歩に驚く。
来年の秋の完成が楽しみだなぁ~。
時計を見ると、午後3時25分、東院庭園へ行くのは諦め、大極殿に入った。
先日10月22日にテレビで見た令和の「即位礼正殿の儀」で見た高御座を思い出し、大極殿の中にある復元された古代の高御座を改めて見たくなったのである。ホント物好きだよな。(笑)
御帳台(みちょうだい)は無く、高御座の周りに有る6本の幡に注目、太陽、月、青龍、朱雀、白虎、玄武が描かれているのを知った。以前に見た時は幡の絵には興味がなかったよ。年齢が変わると見方の変わる面白さ!(笑)
色々な発見にドキドキし、南門見学で頂いた欅の鉋屑をお風呂の湯に浮かせてみようかな等と思いつつ大満足で家路についた。疲れた! (おしまい)