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御本殿(国重文)は紀元2550年、明治23年に明治天皇によって創建され、社殿は旧京都御所の賢所(かしこどころ)を下賜(カシ)されたのだそうだ。修復は明治37年、昭和11年そして昭和51年に行われてきたが、公開は今回が初めてらしい。屋根の葺き替え中、神様は御本殿から御幣殿にお遷り(平成24年10月25日)になっていて御本殿にはいらっしゃらないので、今年は特別にして禁足地の聖域に入れていただけるようになったわけである。
11月17日(火)
橿原神宮 御本殿特別参拝(H27. 10月5日~11月30日)に行ってきた。
言うまでもないが、御祭神は初代天皇・神武天皇と皇后の媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめ)で、日向の国(宮崎県)高千穂の宮から「おきよ丸」に乗ってこの地へ来られたそうな。。。。。
普段私達がお参りするのは外拝殿(げはいでん)からであり、内拝殿(ないはいでん)から奥は畏れ多くも知る由もない。今日は午前9時、神職の方のご案内で外拝殿北側の回廊に入った。回廊には十二画面の「神武天皇御一代記御絵巻」が展示されていたが、その場で読み切る時間的余裕はなく、神職の方に続いて進み内拝殿手前でお祓いを受け、御神域へと進んだ。厳かな空気が流れている場所なのだと思うと自ずと身が引き締まる。
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御神域では写真撮影は勿論禁止でカメラは使えなかったので、配られているパンフのお写真をコピーさせていただき、今日の思い出を残しておこうと思う。
御本殿の横の門扉を目の前にして、建物そもそもの御由緒や構造形式の概要等解りやすく話して下さった。屋根の破風に取り付けられている懸魚(げぎょ)と呼ばれる妻飾りを見上げながら「六葉・菊座・樽の口」の説明や脇障子の説明等も聞いた。御本殿の正面はパンフレット(下段写真真ん中)で知る。
檜皮屋根の葺き替えは終わっていて、取り外していた金具の細かい始末をされている職人さんの姿も見えた。伝統を受け継ぐ職人さんは貴重な存在なんだろうなぁ~。
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御本殿の後門(上段写真右端)はすっきりした素晴らしい形で清々しく神々しく感じた。
話はバラバラになるが、賢所とか内侍所(ないしどころ)とか今まで耳にしたことのない言葉を聞いてその時はそれなりに解釈していたが、天照大神(あまてらすおおみかみ)の御霊代として神鏡(八咫鏡:やたのかがみ)を奉安(ホウアン)される所であると再確認する。
後門から入り御本殿の背面から内陣を見上げてココでも又いろいろ説明を聞いた。御神体は神宮神域の最も高い所に鎮座されているらしい。来年4月の大祭直前3月には御幣殿からそちらに御鎮座されるという。
明かりのない暗闇の中で行われる御遷座儀式の様子や道順の説明を聞いていると、目の前が真っ暗になって、あたかも先頭のぼんやりした明かりだけが灯る状況を想像してみた。
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綺麗な砂紋に感動!こんな広域にこんな綺麗な直線を描けるなんて・・・と。
参拝を終えて爽やかな気分、来年からのお正月初詣の参拝は今日の御本殿を思い出してこれまでとは違った、より真摯な気持ちでお詣りすることになるだろう。。。。。。。
次に3枚綴りの拝観券を手に、橿原神宮の秘庭と言われる「勅使館」と「貴賓館」と「文華館」を廻った。
「勅使館」は天皇陛下が派遣される勅使が参向の折にこちらに泊まって潔斎される建物である。1917年(T.6)に建てられた当初は貴賓館としても使われていたが、1940年(S.15)に新たに貴賓館が出来て勅使館専用になったそうである。築山、池や橋、曲線を描く白砂の道などが寝殿造りの庭の見どころだそうだが、私は奥の上壇乃間に展示されていた天皇陛下からの御幣物(ごへいもつ)の実物を見れた事に感動した。
御幣物は五色の布と絹である。これを柳の枝で編んだ柳筥(やないぼこ)に入れて包装され、奥に置かれた緑の布を被せた駕籠のような皇室唐櫃(からびつ)に入れて神殿にお供えされるそうだ。御幣物の柳筥の横に置かれているオレンジ色の御祭文(ごさいぶん)は、天皇陛下のお言葉で祝詞(のりと)かな。
建物内の構造や調度品や器具や金具その他いろいろ丁寧な説明を受けた後、外の広い庭をも一周して満足満足。
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「私、結婚式の披露宴はココだったわ。思い出したわ。」と一人の女性の声。そういえば、勅使館でも次の文華館でもそのようにも使用されているらしい。
「文華館」(国重文)は天理市柳本町にあった旧柳本織田藩主の表向御殿で天保15年(1844)に建てられた武家屋敷だそうだ。。地元の柳本小学校として使われていた時期もあったそうな。何とかこの建物を残し続けたいという村民の皆さんの篤い思いが実り、昭和42年にこちらに移築復元されることになったらしい。
実に広いお屋敷で、玄関と使者の間と大書院が公開されている。玄関の間にある長い床の間には狩野派画家さんの春秋図が掛けられていた。
使者の間には久米舞の装束が展示されていた。 (宮中の儀式歌舞・久米舞は毎年四月二十九日の昭和祭と十一月二十三日の新嘗祭に奉奏され、一般人も外拝殿から見ることが出来るらしい。)
大書院は殿様が家臣たちと対面した所だそうで、下段乃間、中段乃間、上段乃間があって、床がそれぞれ約15センチ程ずつ高くなっている。各段を仕切る欄間には彩色鮮やかな鳳凰の彫刻が施されていた。ついでながら下段二乃間に置かれた六面屏風の右から二面目書かれている文字は漁樵(ぎょしょう)と読むらしい。〔風花 雪月 文物 耕牧 漁樵 吉事〕 私、読めなかったよ(笑)
こちらの庭は「いわれ庭」と呼ばれているそうだが、古庭園の復元と共に新しく造られた庭もあり折しも綺麗な紅葉を見る事ができた。
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次の御本殿修繕は又40年先?滅多にに無い機会で、普段の拝観とはちょっと違った緊張感に包まれた一日であった。 合掌