柳田邦男 新潮社
サブタイトルに「ケータイ・ネット依存症への告別」とあります。
私は、たぶん、というかまちがいなく、依存症です。
この場合の依存というのは、仕事で使う以外の事です。
携帯でのメールやりとり、PCでのメールは、毎日チェックしなければならないし、返信もしなければならない。
HPをもっていれば、管理や更新、掲示板のチェック、そして、このブログの更新、など、別にやらなくても生活に支障があるわけでないのに、「やらなくちゃ」と追われてしまう。
そして、あちこちのHPみて、ネットサーフィンしたり、なんだかんだやっているうちに、みるみる時間が経ってしまう。
あるいは、PC作業していると、うまくいかなかったり、トラブルが発生して、それを直すのにえらい時間がかってしまう、などなど。
こんな事してるより、家の掃除でもしたり、運動したりするほうが、よほど良いのに、と思いつつもやめられない、これは、一種の中毒ですね。
柳田さんは、こういうの一切やっていないし、カーナビも嫌い。
すると、「どうしてパソコン使わないのですか」と聞かれるらしい。
PC使っている人は、こんな便利なもの、どうして使わないのか、不思議なのです。
それに、使わないのは、時代おくれ、みたいな目でみてしまう。
便利なツールを使うのが、是か否かについては一概にはいえません。
けれど、この効率主義が、人間にとって大事なものをたくさん、そぎ落としてしまっている。
そして、幼い頃からTVだの、ゲームだのに浸かって育つ子供たちと、犯罪との関わり。
「言葉の危機」、方言蔑視により標準語が浸透して、地方の言葉と文化が失われてしまう。
世界的にも、強大国の言葉・文化・経済論理が、弱小国を制圧していく。
このような諸々のことが、日本人をだめにしていくというのである。
では、そうならないためには、どうすればいいのか。
個々人では、幼児にTVをみせない、「ノーTV、ノー携帯デー」を作る、「ゆとり文化」の提唱などなど。
便利さが日常化して、当たり前で、みえていなかったものを、気づかせてくれます。