『時の旅人』・・・このタイトルに惹かれて、初めて長野さんの本を読みました。
これは、彼女の最新刊でしたが、すごく惚れてしまったのです。
『八月六日上々天気』 『雨更紗』 『ギンノヨル』 『兄弟天気図』 『鳩の栖』と立て続けに読みました。
『時の旅人』は、シロウズである主人公が、自分の正体を知らずに、日付変更線を次々に越えて、時空を旅していくストーリー。
シロウズというのは、亀の一種らしい。 金のたてがみを持っている。
ハクを食べて、少年の姿になっている。
とても不思議な物語。
長野まゆみさんの魅力は、なんといっても、「ことばのうつくしさ」。
古い、といってもちょっと昔の、日本の言葉、郷愁を誘う情景が、心の琴線に触れるのです。
美術大卒で、絵も美しく、装丁は、すべてご本人。
少女チックな絵は、思わず手にとりたくなります。