しいかのブックトーク

毎月読んだ本や日常の諸々を記録します。

七つの祝いでのおはなし会

2011-12-25 14:23:07 | おはなし会

2011年12月11日(日)

 来年小学校へ入学する園児達への式典、わが地域では『七つの祝い』と称して、1カ月遅れの「七五三の祝い」を公民館主催で行います。

 ここの土地へ越してきて初めてこの式典の事を聞いた時は、とても不思議でした。

他の地域でこんな事やってるとこ、ある?

12月に「七つの祝い」なんておかしいよね、大体なんで公民館でやるの?

新入学児への説明会などは別の日に設定されているので、これは一体何なのだ、と思っていました。

地元の方に聞いた所によると「昔、このあたりは農家で貧しい家が多く、七五三のお祝いも満足にできなかった。だから公民館でやってくれるようになった。」のだとか。

今では各家で出来るようになっているけれど、その名残ということでしょうか。

 式典は、まず公民館で神主さんを呼んで神事をとり行います。

その後、小学校の体育館へ移動します。

来賓は小学校校長・教頭・教育長・町議会議員・民生委員など。

式次第は、公民館長の挨拶から始まり、教育長・議員・民生委員・校長と続きます。

祝辞が終わると、教頭先生からひとりひとり名前を呼ばれます。

呼ばれた園児は「はい」と手を挙げて立ちます。

来年、待ってるからねという所で堅苦しい式が終わり、イベントとなります。

 私は8年前からこのイベントの企画を頼まれて、自分で大型紙芝居やったり、本読みグループの仲間にペープサートやってもらったり、腹話術、手品、交通安全と伝手を頼っていろいろな方に依頼してきました。

けれど今年は種がつきてしまい、仕方ない、私がやろうと決意した次第です。

このブログへは、私のイベント中心に載せます。

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 向こう側に来賓、こちらは主催者側です。

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 園児達の緊張をほぐす為、校長先生が「手を頭、手を口に・・・」とやっています。

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 保護者の方々。

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 名前を 呼ばれて手を挙げ、起立します。みんな声も大きく元気です。

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 さて、ここからが私の出番。

公民館主事と「マルモリダンス」を踊ります。

私は主事にこのダンスの講習を4回しまして、なんとか格好がついた?かな。

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 最初は見ててね、と言って主事とふたりで踊ります。

もうすでに園児達の手が動いている。

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 次はみんなもやってね、と一緒に。

何も言わないのに、ちゃんとペアが出来ているのがすごい!

私は飛び跳ねてめいっぱい踊ります。

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 私が「芦田 愛菜」ちゃん、主事が「鈴木福」君というのはかなり無理な設定。

主事にはフエルトで作った青い蝶ネクタイをつけてもらいました。

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 体育館全体が見えます。

紙芝居にはみんなにたくさん答えてもらいます。

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 身を乗り出して見てくれています。

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 最後に千歳飴を持って、記念写真。

〈この日のプログラム〉

1. 「マルモリダンス」

2. 「シルエットクイズ」 「なかまはずれはどーれ?」

3. エプロンシアター「かえるの予防注射」

4. 紙芝居 『どっちだ?』

5. 大型絵本 『まどから☆おくりもの』

6. 絵本 『いちねんせいになったら』

7. CDかけて 「いちねんせいになったら」の歌を合唱

 いつものおはなし会と同じ内容なのですが、大勢の来賓や保護者の前なので、緊張してしまいました。


ふがいない僕は空を見た

2011-12-08 11:57:11 | こんな本読みました

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 20011年本屋大賞第2位です。

 せつないなあ。みんなせつない。

コスプレの人妻は高校生と不倫。

高校生斉藤は12歳も年上の人妻と不倫しながら、女子高生の松永が好き。

松永と付き合うようになって人妻とは別れる。

女子高生松永は、背の小さいのが悩み。

T大に現役入学したお兄ちゃんは、ある日家を出て長野の宗教団体に入ってしまった。

親友はあくつちゃんで、あくつちゃんが斉藤くんのコスプレ不倫がネットに流れているのを教えてくれた。

背が高くて「セイタカ」と呼ばれている高校生良太は、同じ団地のに住むあくつとコンビニでバイトしている。

良太に父はなく、母は男ができて出て行ってしまい、痴ほう症の祖母と住む。

生活費をくれない母、それどころかやっと貯金したバイトのお金、子どもの頃から貯めていたお年玉もすべてまきあげられる。

異常な食欲の祖母に食べさせる為、自分は何も食べずにバイトして、母の借金催促などに追い詰められる。

そんな良太に勉強を教えてくれるバイト先の先輩、田岡さん。

ステーキをご馳走してくれたり、おもちゃを買ってくれたり。

田岡さんのおかげで成績があがり、大学進学への希望も出てきた。

けれど田岡さんは・・・。

斉藤くんのお母さんは助産院をやっている。

女手ひとつで斉藤君を育てた。

料理上手で明るい、みっちゃんという助手に助けられている。

働き過ぎで腰痛があり、息子のエロ写真がネットや学校で話題になり、頭が痛い。

 どの人物も「今」を一生懸命に生きている。

どこにでもいる「今」の人達。

人間て、せつないねー。


オール読物2011年8月

2011-12-08 11:26:27 | こんな本読みました

1208 文藝春秋社刊

バックナンバーですが、直木賞の発表号なので図書館より借りて読みました。

表紙絵は「蓬田(よもぎだ)やすひろ」氏。

時代小説を中心としたブックカバー・装丁・挿絵などを描いているイラストレーターの方です。

『下町ロケット』の「抄録」を読むのが目的で、池井戸潤氏の経歴や写真や、直木賞の選考評を読んだらすぐ返しちゃおうと思っていたのですが、他の読物が面白くて、ついつい読んでしまいました。

 今回の直木賞の受賞経過というのは、非常に興味深く、それぞれの作家の考え方に違いがあるのが、当然ではありますが、結局は多数決?で決まる賞なのかと察する次第。

 「文学的でない」と評されていますが、直木賞はもともと「大衆小説」に与えられるものであり、「企業小説」といわれるこの小説は、十分にエンタメ要素があると考えます。

 対談が東野圭吾氏と。

池井戸氏は推理作家協会で会計担当理事。東野氏とは知り合いであり、対談の話もはずんでいます。

 〈良かった読物その1〉

 丸谷才一「人魚はア・カペラで歌ふ」

 姦通小説についての論説です。

まず、毎日新聞の書評のシステムがよい、という事を書いています。

在来の新聞書評は、書評委員が月に二度集まって、食事しながら新刊書を手にとって、誰が何を受け持つか決める方式であるのに、毎日新聞は会合がなく、10ページのニューズレターをみて、読みたい本を注文して、読んで書評意欲が湧いた場合に「自分がこれを書く」と書評担当デスクに伝える方式なのだそうです。

 当人が責任をもって選んだ本なので、積極的に論じる事ができます。

 なるほどねえ。 で、姦通小説、の歴史・過去の作品などの解説があります。

『デカメロン』 『ユリシーズ』 『第二の接吻』 『アンナ・カレーニナ』 『四畳半畳の下張』など。

姦通というのは、夫ある女性の不倫で法的に禁止されていたが夫の不倫は黙認されていました。

不倫ははるか昔からあるもので、小説の世界では王道であります。

男女の話では不倫や禁じられた恋でなければ、読者はちっとも面白くないです。

丸谷氏は『漱石研究年表』の事にまで及んで、『それから』が見事な姦通小説であると論じています。

〈良かった読物その2〉

 『いまの味』 平松洋子

 「餃子の王将」探訪記です。

平松さんにとって、初めての「王将」。

水道橋店を皮切りに高田馬場店、桜木町店(横浜)、発祥の地である京都1号店にまで足を延ばしているのです。

 イラストは谷口ジロー氏。

谷口さんの描く「食べ物を口にする絵」は、ものすごく美味しそうにみえます。

「あぐ」「ハフ」「ズル、ズズー」・・・食べている臨場感が伝わります。

「王将」はチェーン店ですが、それぞれの立地条件によりメニューの変化があり、店長の才覚が活かされるシステム。

働くスタッフは皆元気がよく、仕事が楽しいという。

「早い・安い・美味い」の3拍子揃った王将に行ってみたい、行きたい、行きたい、どうしても行きたい。

 そういえば、最寄駅若葉に「王将」があり、まだ行った事がありませんでした。

 で、行きましたー。

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 ビールと点心3点盛り(シュウマイ・海老シュウマイ・ショウロンポー)と、お土産用に餃子2人前。

 この記事読んで「行きたくなる」気持にさせるのは、さすが!です。

〈良かった読物その3〉

 読み切り小説『足掛け二十六年の絶望』 佐藤雅美

 樋口新三郎は、5歳の頃、人攫いにさらわれた3歳の妹を探す事を目的に生きています。

 自由がきく同心の仕事を選び、妹の行方を捜すことだけに人生を費やしているのです。

 この話の舞台が埼玉県の柏崎周辺であり、これは私の住まいの近くでよく通る場所。俄然、親近感が湧くというものです。

 結論言ってしまうと、妹は、父と離婚した母親が連れて行ったわけで、大店の家で幸せに暮らしているのがわかったのですが、再会した母親に「それなら何故、自分に妹を連れていくとひとこと言ってくれなかったのか。」と言う場面があり、涙を誘います。

 その他、北原亜似子さんの心臓病闘病記、曽野綾子さんの「夕飯までの幸せ」などなどがよかったです。