この本だいすきの会の浦和での例会に向かう途中の出来事です。
JR川越駅のホームで電車を待ちながら携帯をいじっていたら、肩に誰かぶつかってきました。
知り合いかなと見たら、白い杖をついた方でした。
大丈夫ですかと声をかけたら大丈夫との事。
でも体の向きがホームに向かってではなく、ななめになっていました。
そういえば最近のニュースで川越駅で白杖の方がホームに転落して電車にひかれたという事故がありました。
いつもなら心配ではありますが、傍から見守るだけですが、思い切って声をかけてみました。
もしよかったらつかまって下さいと。
そうしたら有難うと言って、私の左腕にそっとつかまり、一緒に電車に乗りました。
座席に隣同士で座り、どこまで行くのですかと尋ねたら、大宮までとのこと。
では私も大宮で降りるので一緒に降りましょうと提案。
その方は大宮が終点ではなく、なんと函館まで行くとのことでびっくり。
お住まいは狭山で、単身赴任で函館で仕事しているとのこと。
月に一度位帰ってくるのだけれど、今回は娘さんの授業参観日で帰ってきたそう。
なかなか暖かくならないですねとか天候の話や私の住まいなど聞かれて話が弾みましたが、なにせ相手は初めて会う男性ですから、あまり親しげに接するのもためらわれ、あとは着くまで本を読んでいました。
でも私の頭の中は本どころではなく、どうしよう、どうやってエスコートしたらいいのか、この方は函館と埼玉を何度も往復している位だから、なんでもひとりでできて、私の助けなど必要ないかもしれない。
余計なおせっかいなのかなあ。
そして、話す時こちらを向いて話されるので、もしかして少しは見えているのか、でも、そんな事聞けないし、などなどぐるぐると考えがまわって落ち着かない気持でした。
大宮が近づいたので、私はどうやって案内したらいいか、聞いてみました。
階段をのぼるのがいいか、エスカレーターがいいか、エスカレーターなら私は前に乗ったほうがいいのかなど。
そしたら、普通に歩いてもらえればいいです、とのこと。
で、一緒に降りてエスカレーターで上がり、もうすぐ乗ります、もう少しで降りますなど声をかけたのですが、こんな案内でいいのかわからず、こちらが緊張しまくっていました。
私の腕をつかむのも、つかむというよりそっと触れるという感じで、それは私が女性だから遠慮しているのか、これで大丈夫なのかよくわからず。
新幹線乗り場は川越線のすぐ近くで、その方は慣れていて左ですねと言ってあとは大丈夫、ありがとうございましたとひとりで歩いて行かれました。
心配で後姿を目で追っていましたが、点字ブロックのうえをゆっくりと歩いていられたのでそのまま浦和に向かいました。
私にとっては非常に勇気をふりしぼったことであり、でもこれでいいのかどうか、またその方がおだやかでとても感じのいい方だったので別れた後もずっと頭に残っていました。