表紙の絵、素敵でしょう。
いかにも少女漫画という典型的な絵柄。
これは、昭和51年から52年まで、『少女ジュリエット』という雑誌に連載され、日本中の少女を熱狂させた「青い瞳のジャンヌ」なのである。
18世紀のフランスを舞台に伯爵令嬢ジャンヌの波乱に満ちた半生。
ところが、物語は未完のまま、作者秋月美有里は漫画界から姿を消す。
もちろん、架空の話で、この絵は松苗あけみさんの描いたもの。
でも、でも、ありそうじゃありませんか、こんな漫画って。
すぐ浮かんだのが「ベルばら」そして、「高橋真琴」の絵。
「青い瞳」には、ファンサイトがあり、多くのファンが掲示板に書き込みをしたり、お絵かきしたり、小説を載せたり、会報発行などしている。
その幹部の集まりが「青い六人会」で、マルグリット、ガブリエル、ジゼル、ミレーユ、シルビア、エミリーとHNで呼ばれる40代のオバちゃん達が、月に1度高級ランチを食べながら、語り合うのである。
しかしながら、それぞれの家庭には事情があり、オバちゃん達はこの会を唯一の楽しみとしているが、次々に殺人事件に巻き込まれていくのである。
推理小説のようであるが、コミカルで、ビジュアルでもある。
このように、何かに夢中になるオバちゃんを「オタオバ」というらしい。
そういえば、私の周りにも、韓流やライブの「オタオバ」が多いし、自分は・・・?
あっ、オタオバだ、と気づいてしまった。
そうそう、これ、あるある、と身につまされる描写が多々あり、社会現象、ネット依存、人間心理など、思い当たることがでてくるのである。
まあ、とにかく面白くて面白くてやめられない。
ねちっこく、ドロドロとした女性向きである小説だけど、男性の感想もきいてみたい。