しいかのブックトーク

毎月読んだ本や日常の諸々を記録します。

ワンちゃん

2008-07-16 17:50:04 | こんな本読みました

Photo  楊逸 著   文芸春秋

  2007年12月号の『文学界』はすごい。

  この『ワンちゃん』と川上美映子『乳と卵』が一緒に掲載されている。

  『ワンちゃん』は第105回文学界新人賞を受賞している。 

 2作とも、芥川賞候補になり、ひとあし先に川上氏が受賞。 そして、今回2度目の候補作『時が滲む朝』がめでたく芥川賞となったのである。

 この号には、『東京キノコ』早川阿栗も載っていて、とても読み応えがあった。

 『ワンちゃん』は日本に住む中国人女性で、一時期ファッションの仕事でお金を儲けたが、今は日本人と結婚して、中国人と日本人の結婚仲介の仕事をしている。

 花嫁のきてがなく、中年のもてない男性や、相手側の若い中国人女性の思惑に興味深く、中国人の日本への見方など、面白く読んだ。

 芥川賞にならなかった理由のひとつが「文章力」だったけれど、私には読みやすく、外国人がこれだけの文章を操れるのは、立派だと思う。


記録って大事

2008-07-14 11:12:10 | 思うこと

Photo_2  和歌山静子/作  福音館書店

  これも、夏のおすすめ。

 幼児から、小学生まで。

 単純な線なのに、すごくリアル。 「どんどこ どんどこ」の繰り返しだけど、ひまわりの成長がくっきりとわかる。

 いちばんいいのは、最後のページ。 種がぎっしりつまって、ぽろぽろこぼれる。

 このページがあるから、この本が生きてくる。

 私は、おはなし会で読んだ本を、毎回必ず、プログラムと共に、ノートに記録している。

 2002年からだから、6年目になり、ノートは4冊目。

 小学校での本読みは手帳にメモって、図書館のは、図書館の記録簿に載せてある。

 その時の様子や自分の感じた事、こども達の反応などを記録しているので、あとから何をよもうかというときに、非常に参考になるのである。

 これと別枠で、《読書ノート》を作り、そこには読んだ本の内容や記録しておきたい事なども書いている。 一般書も絵本も同じノート。

 絵本は、表紙の絵を真似て描いておく。 すると、記憶がよみがえりやすいのだ。

 毎月、一般書・絵本・紙芝居で30冊前後はあるから、この記録だけでも随分と時間がかかり、ちょっとしんどい。

 でも、バスの中とか、布団の上とかでちょこちょこ書いてる。

 どの位たまるかわからないけど、私の大切な財産なのです。


ぷしゅ~

2008-07-14 10:47:32 | おはなし会

Photo  風木一人/作   石井聖岳/絵   岩崎書店

  ここで絵本の紹介をするのは、初めて。

絵本の方がたくさん読んでいるんだけどね。

これは、夏のおすすめ。 ナンセンス絵本。

 大人から小学低学年くらい向けかな。 ナンセンスの感覚が理解できる歳でないと、面白さがわからないかも。

 まず、絵が暑苦しくてよいね~。 タッチも荒いけど、色がはっきりしていて、遠目もOK。

 4年生のクラスでは、「ぷしゅ~」のシステムがすぐわかり、次をめくる前に「ぷしゅ~」という声があちこちから出る。

 2年生のクラスでも、「えー?」とかくすくす笑いが。

 書店では、異年齢の集まりながら、どよめきが。

 赤ちゃん本舗では、小さい子にはわからないかも、と思っていたら、幼稚園から小学低学年にかけての子たちが、「ありえないー」と、いいながら次の場面に期待感。

 でもね、一番喜ぶのは、大人で、担任の先生や、保護者の方が笑っている。

 受けるから、いいってわけじゃないけれど、こういう心を開放して笑える本は、おはなし会のいいスパイスになります。