C.S.ルイス/作 瀬田貞二/訳 岩波少年文庫
カスピアン王七十年の頃。
このカスピアン王は、「朝びらき丸東の海へ」のあのカスピアンが老齢になっている時代であり、活躍するユースチスは一緒に行ったあの少年である。
人間界ではわずかしか時がたっていないのに、ナルニアでは何十年も過ぎているのである。 そして、ユースチスも、「朝びらき丸」の頃のいやな奴ではなく、賢く、勇気ある少年になっている。
学校の友人ジルと沼人〈泥足にがえもん〉が、行方不明の王子リリアンを助けに行く冒険である。
瀬田さんの訳は、ほんとに面白い。「泥足にがえもん」なんて、一体どういう単語なのだろう。
「瀬田流独特翻訳ことば」は、物語の随所にあり、英語にがてな私だけれど、原文の本を見てみたいと思う。
地下世界、地霊人、そして魔女との戦い。
ここで、魔女がついに死ぬ。
物語をシリーズで読んでいくと、最初は試行錯誤で誤った方向にいきかけたこども達も、冒険を通して、さらに勇気や考えるちから、生きる力を学んでいくのである。