友人のモクりんさんが読んだというので、私も読んでみました。
広谷さんの作品は初めて。
39歳のOL、比沙子と、29歳の秋生の出会いは、出勤前の朝の、信号待ちの交差点。傘をささずに立っている秋生に、傘をさしかけたのがきっかけで、なんとそのままタクシーでホテルに直行。
朝ホテルの後、ちゃんと出勤時刻に間に合った、というのがすごい。
そして、朝礼で新人紹介があり、それがあの、彼だったという、小説ならではの偶然。
そして、色々あるのだけど、読んでいて、腹立たしいのは、秋生である。 いい年して、過去(母に捨てられた)にうじうじして、それを紛らすために、女性と関係して、甘える。
それに比べて比沙子の立派な事! 人間ができているし、とても魅力的な女性である。 こんないい加減な男、さっさと見捨てればいいのに、とイライラする。
けれど、恋愛の渦中にいると、それができないのよねー、と気持が手に取るようにわかる。
最後に、秋生が一人でスペインに行くというのも、比沙子がそれに納得するというのも、私には納得がいかない。
やっぱり比沙子は、イエスキリスト?