しいかのブックトーク

毎月読んだ本や日常の諸々を記録します。

壊れる日本人

2005-10-28 11:15:49 | こんな本読みました
kowarerunihonnjin

 柳田邦男  新潮社

 サブタイトルに「ケータイ・ネット依存症への告別」とあります。
私は、たぶん、というかまちがいなく、依存症です。
この場合の依存というのは、仕事で使う以外の事です。

 携帯でのメールやりとり、PCでのメールは、毎日チェックしなければならないし、返信もしなければならない。
HPをもっていれば、管理や更新、掲示板のチェック、そして、このブログの更新、など、別にやらなくても生活に支障があるわけでないのに、「やらなくちゃ」と追われてしまう。

 そして、あちこちのHPみて、ネットサーフィンしたり、なんだかんだやっているうちに、みるみる時間が経ってしまう。
あるいは、PC作業していると、うまくいかなかったり、トラブルが発生して、それを直すのにえらい時間がかってしまう、などなど。

 こんな事してるより、家の掃除でもしたり、運動したりするほうが、よほど良いのに、と思いつつもやめられない、これは、一種の中毒ですね。

 柳田さんは、こういうの一切やっていないし、カーナビも嫌い。
すると、「どうしてパソコン使わないのですか」と聞かれるらしい。
PC使っている人は、こんな便利なもの、どうして使わないのか、不思議なのです。
それに、使わないのは、時代おくれ、みたいな目でみてしまう。

 便利なツールを使うのが、是か否かについては一概にはいえません。
けれど、この効率主義が、人間にとって大事なものをたくさん、そぎ落としてしまっている。

 そして、幼い頃からTVだの、ゲームだのに浸かって育つ子供たちと、犯罪との関わり。
「言葉の危機」、方言蔑視により標準語が浸透して、地方の言葉と文化が失われてしまう。

 世界的にも、強大国の言葉・文化・経済論理が、弱小国を制圧していく。

 このような諸々のことが、日本人をだめにしていくというのである。
では、そうならないためには、どうすればいいのか。
個々人では、幼児にTVをみせない、「ノーTV、ノー携帯デー」を作る、「ゆとり文化」の提唱などなど。

 便利さが日常化して、当たり前で、みえていなかったものを、気づかせてくれます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿