![hanamanma hanamanma](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/45/3c/a71a1a7dc59af1dea5938ad7c7d2c0af_s.jpg)
朱川湊人 文芸春秋社
第133回直木賞受賞作が、表題の「花まんま」で、他に短編が5作入っている。
一番よかったのは、やはり、「花まんま」で、何度も思い返しても、心が温かくなる話である。
登場人物の描き方も上手くて、イメージが頭にくっきりと浮かぶのである。
生まれ変わりって、ほんとにあるのかもしれない。
心優しいお兄ちゃんは、しっかりと妹を守って、前世の人間だった喜代美のお父さんにさわらせなかった。
もし、私だったら、きっと「フミ子がこんな事を言い出して・・・」といままでのいきさつをペラペラしゃべってしまうのではないか。
そして、喜代美のお父さんの気持を楽にしてあげたいと考える。
でもそれは、きっと大人の考えなのだろう。
朱川さんは、小学5年生の視点で描いている。
さすが、物語の作り方がうまい!
他の短編「トカビの夜」 「妖精生物」 「摩訶不思議」 「送りん婆」 「凍蝶」、どれもちょっぴり不思議なお話で、関西が舞台というのが特徴。