OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

迦陵頻伽

2010年08月16日 | 文化・芸術
河野裕子さんが亡くなったという。享年64歳。
歌人として評価されていることは知っていたが、私もこの人の歌には引き込まれる。
この人を知ったのは、観覧車の一首だった。青春の美しくもはかない一瞬の思い……。

今はネットで、容易くでてくるだろうし、個人的に面識があったわけではないので、 後はほかの方に譲る。合掌。

13日はお囃子の第一人者といっていいのか、寶山佐衞門(たがらさんざえもん)さんの葬儀にはじめてのどかな世田谷線に乗った。
福原流6代目家元、人間国宝。享年88歳。
私のいた高校の先生が篠笛を得意としていたが、この先生も寶先生の孫弟子となる。テレビによく出ている“誰が呼んだか篠笛弁護士”も葬儀で拝見。この方も弟子か孫弟子なのだろう。
お弟子さんたちも多く優秀な方がでているが、いつだったか、国立劇場で、寶先生の高弟4人による「迦陵頻伽(かりょうびんが)」という曲にはびっくりしたことを覚えている。

竜笛4管が音をかぶせ、音が共鳴しあい、この世から異空間へいざなう調べだったことに衝撃を受けた。そうした一連の仕事で評価があったのだだろうが、私もこの世界に興味を持っていたなら、この方を師と仰いだかもしれない。

それは音楽性のことだけではない。
寶先生をはじめて拝見したのは8年ほど前だったか、その端正なたたずまいに、参った。
男の方にはじめて「なんて素敵な方なんだろう」と思ったのだ。

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