OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

後の自在

2014年04月29日 | 書道・筆文字

中国篆刻界の長老、高式熊氏の落款印はいい味である。
右上から左に回って「高式熊印」である。
このいい味、自在は晩年の梅舒適にも通じるかな。格をつかんだ後の自在は、実にうらやましい。

上野の都美の日中の書画家の展覧会は、今回、没後50年記念での、西出コレクションの于右任作品、台湾歴博から持ち込まれた于右任と縁のあった台湾の七友画会の作品が目を引いた。

ほかにも盛りだくさん。海江田さん、村山元首相の作品もあった。そういうなかでは、ノーベル文学賞の莫言氏の作品群は一興。


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2014年04月28日 | 今日の筆文字


今日一日のイベントでの半紙作品展示は、こちらもテーマは「身体」。

腰は要がもともとの字であるので、腰=「要」としたが、並んだ作品をみても、ある方(複数)が、「先生の作品どれ?」と。

メンバーが上手いのか?
先生が下手なのか?

ジャンジャン! である。


今日はプロもアマも、太極拳もハワイアンも、ヴァイオリンも篠笛も、小5も90歳も、みんなリラックスして楽しんだカルチャードゥの年一回のゆるい発表会。
今回6回目だが、毎回、新しい人がでてきて、はじめからの方もちゃんといる。これはなかなかまねできない。ここの主宰者の人間性のたまものである。

このイベント、料理でいえば、ごった煮。

後味だけは実にいい。


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からだの名前

2014年04月26日 | こども書道
上腕部と前腕部とは…。
上腕部に対して下腕部でなく、前腕部に対して後腕部でない。
一の腕があって、二の腕、はあった。

膝のうしろは、ひかがみ、とか。
どこからきたのか?

くるぶしは「踝」…足と果。形声文字ではなく、会意形声文字でいいのかな。「果」は、木に実がなっているさま。
ならば、足に木の実の如く、が「踝」くるぶし。かな。

とか。

臍 はなかなか読めないが、書くにも難しい。
でも、中学生はなかなか上手にこなす。

臍下丹田!


硬筆は、イラストの顔や脚に手本の中から選んで、部位を書いてもらう。

課題の「身体の名前」は、どんどんひろがって面白い。

夕方、大人の方も子どもの手本で「にのうで」と書いた方が。
夏まで部屋に貼っておく、と。お習字ダイエット。


昨日は池袋で、于右任展をみる。
国民党の幹部で、台湾に渡った政治家で書家である。
20世紀の中国台湾の作家で、好きな作家の一人だ。
池袋は台湾所蔵。
来週上野は日本所蔵で、于右任の作品に出会える。

没後50年、いよいよ人気である。
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鎧武  思いよ届け

2014年04月19日 | 書道・筆文字
朝日新聞本日付け「声」欄。


園児が書きたかった「鎧武」


というタイトルの一文。

今は誇大広告まがいの自己宣伝も多い中、誠意ある渡邊さんのけじめの付け方がいい。

投稿内容はどこかで読んでほしいが、そのいきさつを元旦からみてきた私は、ある書展に「鎧武」と書いて出品すること自体、あまり評価されるものでないと予想されたが、それでも園児に対する思いで彼女は出品した。

朝日新聞も今日明日のその書展に合わせ、本日付けの「声」欄に取り上げてくれた。
そんな粋な計らいがまたいい。

読んでこころがホッとした書をめぐる物語。







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2014年04月17日 | 文化・芸術
写真は、スロバキアのファウンテン美術館の表玄関?

ここで今、地元の著名写真家の作品に交じって、日本からの和紙関連作品も並び、日本側主力が漉いた2m50ほどの和紙に、方丈記冒頭の一節を書いた拙作も展示されている。

スロバキアは、いい空気、のようだ。
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金華山

2014年04月14日 | 日記
私の場合、土日連休はなかなかないので、今回、金曜夜の代官山でのタクシー・サウダージさんのライブ、日曜日、今回もめくりを書かせていただいた新橋金田中の一中節都会のご案内を失礼して、金曜夜から日曜まで、宮城県は牡鹿半島沖の金華山へ。


東北の災害ボランティアを今なお続けている地元のチーム東松山の仲間に入れてもらって、スコップに長靴、軍手のガテン系作業は、土嚢を作って、参道の補修を中心としたものだった。


写真は黄金山神社御拝殿。参集殿に宿泊させていただき、朝6時からのご祈祷も受けた。巫女舞もある本格的なものであった。


金華山と鮎川は船で20分程度。写真は左に牡鹿半島、右に金華山。この二つがあの津波時には、波が引いて地続きになったというから、どれだけすさまじい津波だったかと思う。

うみねこは忘れじ波風ほしいまま




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感じる書

2014年04月07日 | 文化・芸術
文字の解読ということも長年、書に関わっていると頼まれることしばしば。
学者先生のような系統的な勉強はしていないので、出たとこ勝負である。

今回、読めないまま、教えている高校生にみせると、必死で字書をみながら、くらいついてきた。
読めた! のがあった。

毎回のことだが、その字が読める読めないということではなく、その字から言葉へ、そして紙面そのものにあらわれる筆致や一緒に描かれている画など、背景はどこまでも広がる。
ここに書に関わることの特性を感じるのである。

今回は美濃あたりを中心にした画家や実業家、宗教家などの書画帖の解読であるが、依頼された時、昭和30年代の世紀の贋作陶器事件に話が及び、鑑定した大御所は確かに一流人であったが、唯一、書はそれほどでもなかった。
もし、あの時、書をみる眼があったら、贋作と見破れたかもしれない、と依頼された方はおっしゃった。
鑑定した大御所と縁のある方のお話だったので、興味深い話だった。

偽物ばやりの昨今は、みんなあやしい人になってしまうが、その時の方々は、その後も両者、踏ん張った。輝いた。それでも、人間の信頼だけは揺らいだようである。

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作品の裏側

2014年04月03日 | 書道・筆文字
今日は、久々に通勤満員電車に乗って、とある審査に。

朝の満員電車に乗り、サラリーマンの方々の日々のお仕事のことを思うと、敬意をはらわないではいられない。怠惰な日々を反省。

今日の、とある審査は、基本、素人作品。それなのに審査は、難航というか、なかなか決まらない。その作品の裏側にある人生までもみようとする審査員。
その審査員は書家の先生ではなく、歴史学者の先生。
そんな選べないという心持ちがいいな、と思えたのでした。
結果的に上手いもの中心に選ばれたのですが、技術だけを尊ぶのではなく、そこにいたる過程をみようとして成った結果でした。


それから、横浜は、そごう美術館の船本芳雲書展へ。
この方のような詩性ある作品、その存在感を持つ人は、なかなかいないんじゃないかな。



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