OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

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2011年10月31日 | 日記
震災後初の宮城入り。
夜中に着。オリオン座のなかにそんなに星があるの、と思ったほどの星を久々に見た。流れ星も。

皆がとても美しい海を持つ野蒜だという。
学校の時計は止まったままだが、庭にはザクロがたわわに実をつけ熟れていた。
前へ、前へ行くしかない。





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落語と香席のコラボ体験

2011年10月28日 | 文化・芸術
今日は私も関わりがあるご案内である。

11月3日は何かと忙しいに違いない。
でも、落語と香席が向き合うのは、もしかしたら史上初かもしれない。ので以下ご案内。

落語は三遊亭圓窓師匠。むかし若い時、笑点にも出ていたが、いまは次元が違うところにあるようだが、いい味である。お人柄はフツーでいいですよ、気持ちいい方です。
香席は古心流の黒須秋桜さんとそのお仲間。この方々たちがいい品をもってなかなかそれぞれ素敵。お茶も総合芸術だが、このお香というものも尚更で、一生に一度は体験できるならしたほうがいい。

香にまつわる落語でお楽しみいただいて、その落語の演目を、今度は香席で香りを通して味わっていただくという趣向のようです。

時 11月3日(祝) 午後1時から4時半
所 高幡不動尊・和室 新宿から京王線高幡不動下車、徒歩5分程度。
定員60名まで、先着順
費用 2500円 当日徴収

申し込み 日野市 新選組のふるさと歴史館 電話 042-583-5100

本格的な香席も敷居が高いと思える方も、こういう体験ならいいと思います。
私も参加します。
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りんご釉

2011年10月25日 | 日記
りんごの木の灰からとった釉薬を使った飯椀を先週、手に入れた。

お店の一角で書を教えるひそかな楽しみは、いつも隣に工芸品があることだ。
そこで先週は、宮城の作家さんたちの陶を中心とした作品展だった。

そこで青みがかった白が気になった飯椀を求めたのだ。食べ過ぎないように程よい大きさのを選んだ。

宮城の知り合いのギャラリーからの要請で今回の展示になったと聞く。
ここにもあったかい花が一輪。

オーナーいわく「それより、作品がいいの!」と。
なににつけ、作家はそこだろ。

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要町の仙人

2011年10月15日 | 文化・芸術
熊谷守一筆による長谷川利行碑。
上野の不忍の池の中に浮く小島の神社の脇にあった。確か。
守一をちょいと調べている時に、偶然見つけた。神様のお導き?

昔のデジカメに入っていたデータから今頃出てきたものの一枚である。
守一の遺族の方から長谷川利行の強烈なエピソードを聞いたのは覚えているが、中身を思いだせない。原稿にもしなかったと思う。
覚えているのは、二人とも貧乏だったこと。
夢で食いつないだ、といいたいが、利行はそんなきれいごとで済まなかったようなことを聞かされた不確かな記憶……。

なので、守一の筆から、二人の友情とエピソードを想像してください。

今夕、新宿駅で偶然、堀越千秋さんと遭遇。この方も仙人に近い。
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単純にひたすらに繰り返す事

2011年10月12日 | 書かない書道!入門
たぶん、の話である。
見えないものの話であるから少し怪しいかもしれぬ。
怪しいと思ったらこれ以上進まないほうがいい。

座禅の奥羲は、呼吸である。

気功の奥羲も、ただ立っているだけ。息をしているだけである。両手で抱える姿勢をとるのもその延長である。
次に、両手の前後のぶらぶらであったりする。

つかみたいのは呼吸であると同時に、無意識の細胞単位の変革である。
腹式呼吸をただ単純にひたすらに繰り返す座禅。
セノトリンをだしながらα波状態へ。

そのように、ひたすら繰り返し、書く書道。
気に入るまで、同じところを何枚も何枚も書いていることも日常の書の風景。
そして墨磨りである。

墨磨りは、書く前に精神を集中させて……などというなかで、前近代的と捉えられた面もあるが、その書の古臭さの印象は、新たに素晴らしい文化であることと捉え直さなくてはならない。

私は教える時は基本的に墨を磨らせる。
そこは墨色が無限の色調であったり、筆とのタッチが変わったり、紙との相性を肌で覚えるのにはもってこいであるからでもある。

たぶん、の話であった。
ちなみに私は、状況に応じて、時に墨汁、たまに墨磨り機も使っているのが正直なところであるけれど。

バカにされがちな、単純にひたすら繰り返すことの美しさ。
そこここにあるだろう。

書では、大きめな硯に水を数滴ずつ、まず体全体を使って力を入れず墨を磨りつづけ、ゆっくり深い呼吸と一体になってみることのすすめである。


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言うのは自由である。

2011年10月09日 | 書道・筆文字
和紙はライフワークといっていい。
が、
小川の体験センターで和紙を教えることは引退気味であったが、今年、人手不足になって、年4回ほどの総合体験4日間コースの講師役の一人である。私の都合で一年の予定が決められ、土日土日の4日間であるが、仕事の都合で一日はどうしても出られないという状況である。

さて、昨日は初日、都内などから今回は5人の受講生である。ある男性は自己紹介で、書道をやっている、という。昼休みにきけば、書道を始めて3年だという。
長靴をはいて酒屋さんのような前掛けをしている私に、やはり「書道をやられているんですか?」
と聞かれたから、つい、「自称書家です」と答えてしまう。


自称書家は明日、ある一日ワークショップに呼ばれ「行書」をテーマにして行う。

この自己宣伝時代、明日は「実力書家として認められている…」とやるように心がけよう。
「世界的」もいいか。





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洗練された仕事それぞれ

2011年10月08日 | 文化・芸術
青山のガラス専門ギャラリーで開催中の、船越美智代さんのガラスと箱瀬淳一さんの漆工芸のコラボ作品を観に行く。
それは精緻なもの同士が自然に溶け込みあい、ものを大事につくっていく姿勢が伝わる小さな愛おしい作品群であった。ゆったりした心持ちの方には持っていてほしい品々だった。

そして、そこからタクシーで六本木のAXISまで。
2階にあるGEMというイヤホン専門店へ。ガラスとのコラボでは終わらず箱瀬さんの蒔絵はイヤホンにまできたのである。
蒔絵の粋はその通りであるが、今どきのイヤホンは他との関係性を気にせず、気を感じられない鈍感人間製造器の面が多くなってしまったようであるが、ここのイヤホンは、いやみなく音楽を聴きながら会話ができるようなやさしい設計のようだ(でも曲によるな…)。狭いが面白いところだ。

隣にはデンマーク製の音楽システムを扱う同じ系列の専門店があり、ここもけっこう面白い。私はオーディオに弱いが、住居用ながらのハイクオリティがウリのようだ。

贅沢品というよりも潤いのためと感じられるのは代表はじめスタッフの感じのよさからか。
また行きたい場所となった。

家にたどりつく寸前、酒屋さんで、菊姫(のひやおろし)がめずらしく置いてあったので、弱いのに買い求めた。
輪島の箱瀬さんつながりで石川県ディである。

濃厚でうまい。輪島の酒もそれぞれうまいが都内ではほぼない。
弱い割には日本酒にうるさい私。弱いからうるさいのである。
青山のギャラリーでお茶をいただきながらいただいた小舟町のどら焼きも確かにうまかった。
箱瀬さん曰く「一番うまいどら焼き!」。お店の名前を聞いたが忘れた。
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Anniversary

2011年10月06日 | 日記
記念日はどうでもよく過ごすことが多い。

遥か昔の30歳を迎えた今日、
「おかげさまで30周年!」というキャッチで、デパートのチラシのようなノリのデザインで、白黒コピーのカードを作ってお世話になった方々に送ったことを思い出した。
その頃、サティが流行っていて、サティを聴きながら、どうのこうの、というのを詩的につづりメッセージとした。
何をどう書いたらいいのか、書とは何か迷いながらで、書的には鬱屈していた頃で、日々に流されている、というようなニュアンスで、危機感を少し綴ったんだと思う。

恩師の一人であるK教授は、毎日を真剣に生きている姿勢が伝わる、というような返信をいただいて、その鬱屈した思いをプラスに転換できた。今でも感謝している。

どうにかしなくちゃ、という思いは、翌年、天安門事件で消えかかったが、中国遊学へ。
空海と同じ年の留学生である。(結び付け過ぎだが許してくれ)

北京の大学の校内を行くと真っ青な空の下でポプラ並木がさらさら揺れて澄み切っていました。
今日ここの天気のようです。

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