OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

ひさびさ

2010年05月30日 | 和紙作り
ここのところご無沙汰の和紙体験センター。
4日間総合体験の最終日、スタッフとして6人の方と和紙づくりを楽しんだ。
男性3人、女性3人で、何らかで和紙に関わるクリエーターの方がほとんどだったが、これという失敗もすることなく、貴重な小川地元楮100パーセントの紙を漉いていた。

和紙づくりって、悪い気持を水に流し、心もからめて温かい気持ちを作るようなもののような感じがした一日。受講生の気、ほがらかでいい感じでした。

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ひげおじさん

2010年05月28日 | 文化・芸術
もう10年以上も前かな、都内の現代美術のシンポジウムで、壇上の今は権威の美術評論家に観客席から意見をいう朴訥なひげおじさんがいた。
それが針生一郎先生だった。

この26日、84歳で逝去されたという。

一時代を築いた美術評論家だった。
ちょっと昔の美術雑誌をひらけば、すぐ見つかる。
面識はなかったが、なんかさみしいな~。

美が金や名声でなかったころ、夢を未来を観ていた人々の中にいた人みたいな感じ。

合掌。

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遊びま書!

2010年05月27日 | 書道・筆文字
地元の図書館主催の書道ワークショップのタイトルは「遊びま書!」。
われながらいいタイトルだと思っている。

図書館のお姉さんのチラシが効いたのか、はたまた(えせ)書道ブームのせいか、申し込み開始10分で親子16組の募集は満了したとか。

書で遊びながら、書の核心に触れる一時があることを期待する。

書は一番身近な表現手段であり、繊細さと大胆さ、その両者を身体で感じていく。
精神と身体との一致を感じるのに書は向いている。

また、はったりやえせもそこらじゅうにあるのが現代の書の様相でもある。
ご用心、ご用心。
私自身も「遊びま書!」、すべらないように、ご用心、である。
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古典織物

2010年05月25日 | 書道・筆文字
「古典織物」中島洋一はもうすでに文化遺産的である。
博物館に中島洋一を飾っておきたい。

箱書きを依頼されたので、昨日お宅にお邪魔した。
6月からのワシントンでの展示の一環であるらしいが、経済では落ち目の日本を、中島洋一の文化力で、あっといわせてくれ!

蓮水禽蜻蛉文錦

とは、昨日の箱書きの一つ。
ハスと水鳥ととんぼ。
みんなめでたい動植物。
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透明なガラス

2010年05月23日 | 文化・芸術
「日本の夏じたく」展無事終了。4回目にして今回が一番いい出来だったようだ。
われわれの展示空間のお堂まで足を延ばす人はわかりにくさもあって限られたのは残念だったけれど。
来年はガラスの荒川さんがそのお堂を使うかもしれない。荒川さんは、行きつくところ透明なガラスになって、自然光からは景色が時間を持ちながら変化していく、というような話をされた。デパートのライティングは一見美しいかもしれないけど時間の経過なく飽きる、とはなるほど。

今回のメンバー、新しい方も含め、よくやってくれましたー。
まとめ役の紀波さん、ご苦労様!



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書く

2010年05月22日 | 書道・筆文字
その場で「書く!」
三渓園白雲亭でのイベントは、おかげさまで楽しく終了。
その場の雰囲気、場の力は、私だけではなく、そこにいた方々と作り出すもの。

温かい眼や心でいることと、たとえば、冷たい眼、上から目線でいること、どちらが幸せかな、と考えると、そりゃ、前者だろ。自分も日頃、注意しなくちゃ、と思う。

今日のご注文は、漢詩一節、一字、短歌などなど。
墨は仲間が一日磨りっぱなし。
抹茶席も裏から表から(私は中)、そつなく仲間がやってくれた。

展示の方も仲間が受付てくれて、きょうのイベントは私の仲間がいてくれてはじめてできたもので感謝である。

そして、書を学んだ後輩で、今は料紙を作る小室が訪ねてくれた。びっくりである。四半世紀会ってない男が突然「わかります?」だって。(息子がテキスタイルを学んでいて、中島さんの生徒だというつながりで来たって言うんだから、これまたびっくりだ)
やっぱり10年以上ご無沙汰で、お互いが再婚でそれからずっと幸せそうな知人たちもきてくれて「猫」の注文をいただき書いた。
生徒さんでわざわざ注文をしてくれる人もいたり、そんな数々、幸せじゃないか!

打ち上げは中華街。ガチョウの舌だったかな、美味。
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初日

2010年05月21日 | 書道・筆文字
「日本の夏じたく」展は、緑まばゆいなかでの初日となった。

お客さんもいっぱいだったようだ。
われわれの展示のお堂は池の反対側で分かりにくいところだが、
それでもいつも観に来てくれる方もいてうれしい限り。

そんななか、はじめて観に来てくれたのは、私が甲骨金文を2度ほど教えた「右脳で絵を描く」にふれてきた方二人。
とても楽しみながら観てくれました。
上手い下手という観方、がないわけじゃないが、それは書道の修練主義中心の観方になるのだろ。書はもっと、言葉にできないけど、「いいなー、これ!」といってワクワクして観賞できるものなのだとあらためて感じた次第。
お二人の子供みたいな感性は創造的でさえある。

そういう人が増えれば、自然とニセモンが淘汰されていくんだろうに。
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日本の夏じたく展開催

2010年05月20日 | 文化・芸術
さあ、明日21日から横浜三渓園で「日本の夏じたく」展。
今回は、鶴翔閣ばかりでなく、旧燈明寺本堂も会場である。
こちらは、久保紀波さんと小熊で、墨つながりの展示である。
ちょいとのぞきにいらしてください。
「ネットでみて、日本の夏じたく展を観にきました」というと入場は許可されます。
一般客は入れませんのでご注意を。
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笑顔

2010年05月19日 | 日記
いつも笑顔の人がいる。
メールをいただいても笑顔だ。
その方は、灯り作家。

和紙の灯り制作の一環として、小川に4日間の総合体験に来てくれたのが6年くらい前かな。
その時はまだ私も和紙体験学習センターの主要スタッフであったので、私がリーダーとして教えた。
その時の受講生15人もユニークな人ばかり。美術修復家、藍染職人、フランスの著名版画家、水墨画家から何とか家でなくても素敵な生き方をしている人ばかりだった。今でも付き合いがある人も多い。

灯り作家の冬野さんもそんな一人であるが、はじめに和紙を教えたのが私なので、洒落も含めて「師匠!」と何かにつけて、付けるのである。
人に言えない辛いことだってあるだろう。悔しいことだってあるだろう。でも、いつも笑顔で前向きなあなたこそ、私の「師匠!」であるといいたい。

和紙灯りを中心とする冬野さんは「朋子」という月のある名にちなみ、「ペーパームーン」というHPを持っている。ちょっとオシャレである。

忙しいのに三渓園に足を運んでくれるそうだ。

5月21日(金)から23日(日)まで、横浜三渓園で
「日本の夏じたく」展開催。
今活躍する工芸作家中心のイベントに私も展示している
詳しくは「日本の夏じたく」で検索を。

デートにもいい。園内だけで充分のハイキングとなるくらい広い。
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職人気質

2010年05月17日 | 文化・芸術
新幹線よりもTGVよりもはやく私の屏風2点が出来上がった。
今回は時間がないのでふすまに蝶つがいで屏風っぽくみせるのもありとしたが、時間がないのにも関わらず、「屏風にしましょう」と四曲屏風となった。李白や古今集が書かれているわけではない。「せり、きゅうり、しいたけ、だいこん」と。漢字だけど。

もう一つは、三六屏風。これは前の屏風の本体をそのまま使う張替。中を開けたら、「大福帳を使ってあったり、昔風のいい仕事がしてあったなー、10年以上前の仕事だろ」と表装の戸沢さん。これは古典的な万葉集を書いている。平城京遷都1300年記念だ。
だが、非常識万葉である。恋歌である。恋はみんな非常識だ。常識的な恋はつまんねーだろ。
でも今は危ないか。おおらかに万葉的に恋焦がれよう。

さて、話は飛んだが、名人は名人を知る、のである。その屏風は人形町の鈴木のおじいちゃんの仕事であった。15年以上前、知人の書家に紹介されて鈴木さんを訪ねる時、「偏屈だから気をつけろ」といわれたが、気も合い、その後、いい仕事をしてもらった。パリ展の時も感激の仕事があったなー。

あっちの世界へいっちゃって、もういないけど、鈴木さんの自慢の日光杉の縁を使った枕屏風も、旧作だけど、今回、三渓園へ持ち込む。燈明寺本堂か白雲亭に一日くらいは飾ろうと思う。字より屏風がいい、といわれても「そうですね」と素直に肯く。
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