空前絶後のきもの展、上野の国立博物館平成館で開催中。
着物のはじまりという小袖から現代への展開が観られていい。
織田信長や豊臣秀吉の陣羽織もいい。
江戸火消したちの裏地の威勢のいい絵柄をみるのもいい。
だが、現代の岡本太郎やYOSHIKIさんに対抗する小熊家秘蔵の一点をここに。
検番に居た伯母が芸者さんになった方々から手ぬぐいを頂いたのか、検番にあったのかは知らない。
手ぬぐいは、簡素な柄のなかに藍で染められ、「芳町小りん」のように、小りん、京子、鯉丸と三人の名がそれぞれ小さく入っている。
それを縫い合わせ、元禄袖の浴衣にしたものがでてきた。母作。
小熊家の貧しさのなかにも、時代の精神的な豊かさを思う。
贅を尽くした「きもの展」のあとは、貧しかった庶民の和装展でも観たいもんだ。
芸者入りを断って検番に居た伯母は今、施設にいる。きれいだっただろう小りんさんや京子さんや鯉丸さんはどうしているんだろうな。
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