OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

三渓園の花

2015年05月24日 | 日記
三渓園のつづきである。

三渓園は、四季折々の草花も楽しませてくれるが、青梅やうつぎの花も園内を散策してこそ遇える。
今回の夏じたく展で印象に残ったのはガラス作家の荒川さんの言葉。
いま、その言葉を一つひとつ再現する今の気力はない、のだが、
一言でいうと、惜しみなく持っている技術を教えてくれた恩師がいて、今の自分があるのであって、工房を持つ意味は、若い方へ伝える義務があると。

詩人か哲学者であるようで、すぐれた造形作家の師匠のもとで、若いお弟子さんがけなげに接待や説明に追われている姿は、気持ちいい夏じたくの一風情であった。

うつぎの柔らかな白い小さな花は、すぐこわれるように不確かな未来を暗示しているように思えた。
それでも先へ進むしかないのが未来ある人である。
淡く壊れそうでいる瞬間のなんと美しく愛しき事よ。

卯の花の白き未来へ背なを押す  
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日本の夏じたくはきもちいい

2015年05月23日 | 日記
第九回日本の夏じたく展
横浜三渓園までいってきました。

夏じたく展はきもちいい。
わたしは半分関係者であるけれども、この作家たちの気持ちいいこと。

ほしいものはいくつもあった。
買ったのは、本物の和紙。中村さんのものだ。

24日日曜まで。
写真は、私の字を使ってくれている看板、ではなくて、松に白鷺のようにいた
松の手入れ実習の模様。
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書の身体、書は身体

2015年05月20日 | ニュース・講座
第4話は「書と言葉の関係」
www.ko2.tokyo
ウエブマガジン「ko2」ご覧ください。

どの世界でもそうですが、時代の熱で盛り上がって、その時のことから脱け出せない。
その時の真実はいまは脱け殻のようになって惰性を繰り返す。

浮ついた情報戦のなかで、まつりごとも文化芸術も踊らされているこの時代、
足元をみてから、歩みたい。


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日本の夏じたく展がもうすぐ

2015年05月18日 | ニュース・講座
第9回を迎える「日本の夏じたく」は横浜・三渓園で5月21日木曜午後から24日の日曜まで。
日本で一番気持ちいい(季節のなかで、ゆびおりの)工芸作家中心のイベントである。

様々なイベントもあるが、すでに満席もちらほら。

フェイスブックなどに詳細あり。
5月14日の記事にある23日土曜夕刻からのイベントは、お土産付き、最寄りの駅までバスの送迎がついて、1000円。
4組の作家が、自作を語る。
それにしても、良心的で、意義ある誠実なイベントである。
出られずに残念。

招待客だけのイベントであるが、事務局に連絡すれば、入れます。
ただし、三渓園の入場券は必要です。

ちなみに私は今回も参加しておりませんが、22日金曜午後ずっと、鶴翔閣か白雲邸のどちらかにいます。
この記事をみられて、その日に来られる方がいましたら、さがしてみてください。


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六字訣

2015年05月10日 | 文化・芸術
横浜での発表会は、フラとハワイアンバンドに惹かれたが、こちらは「六字訣と書」。

xu
he
hu
si
chui
xi

ゆっくりその発音で息を吐き出す。

それぞれ漢字で書くと、以下。
口+四という字は、通常の中国語辞典にもない、ようだ。




口+四



これに手の単純な動作が入る。

これで、以下のそれぞれ身体の各部位に響かせる。






三焦

慣れないと、分かりやすいものとわかりにくいものがある。

この中国の伝統気功を、その道の権威である星野先生の指導で会場が一体となる。
そこで、その都度、その一字一字を私が壇上で書いた。

音と書の共鳴

というタイトルどおりになったかは別だが、会場の共鳴はあった。
その場の空気がよければ、いい方向にいくのは間違いない。
会場のカナック・ホールのスタッフまで気持ちいい。

打ち上げも、老若男女、国やジャンルの垣根もなく、気持ちよく過ごす。
六字訣の即効性はわからぬが、精神的にはストレスが吹き飛ぶような会だった。





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明恵上人

2015年05月05日 | 文化・芸術
「鳥獣戯画」全巻、断簡まですべて観られる展覧会がはじまっている。
この「鳥獣戯画」を最古のマンガ、といういい方があるが、違和感を感じていた。
そこを解くカギは、京都高山寺の中興の祖、明恵上人の煩悩即菩薩心という考え方からか。
そんなことを気にして内覧会に伺わせていただき、業界紙の特集記事に思っていることを書かせていただいた。
基礎的な案内も書かなくてはいけなかったのに、作者が誰か、とも書かなかった。
鳥羽僧上が作者、という確証はなく、いくつかの説がある。
私は、いずれにしろ思想と筆の相当力量のある方の表現だと感じた次第。


この展覧、混雑必至。
衆生、それは仏である。
並んで待っている方々を明恵上人になったつもりでおもう。


風薫る五百羅漢のごと並ぶ 


それもまた生きる道。
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