OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

急須

2011年06月23日 | 文化・芸術
土屋典康さん作の急須。
(この一点で土屋さんらしさといわれると困るが)
昔の湯のみと合わせてみた。

急須とはもともと、急に須いる、ことで、酒の燗をするのに用いられたということが『字通』にある。

今回の作品群のなかでは、黒磁に金の粒が撒かれたような窯変が興を誘った。


土屋さんが島岡達三から独立してしばらくしてからか、土屋さんも何度か訪ねたであろう浜田庄司が過ごした家を訪ねたことがある。四半世紀前のことだが、浜田庄司の家でお手伝いさんをしていたおばさまがその時、その家の管理をしていた。

おばさま曰く、浜田が「目の前に見える土地を全部買っておけばよかった」と借景の変化に心がふさがったことを聞かされた。

土屋さんの池袋西武での34回目の作陶展が6月28日まで。29日からは日本橋三越本店6階で第3回「Nihonga・京」展である。橋本関雪の直系では唯一、日本画に携わる小田賢(まさる)さんからの案内をいただいたが、30代から50代までの京都拠点の売れっ子たちであるが、何をどんな風に考え、絵を描いているか、とか観ると面白い。

辛島さんからは胡麻塩包みセットの「折形」が届く。
土屋さんも小田さんも辛島さんも、共通点は、手を信じ、手があったかい人たちであるようにおもう。
この方たちを思うと心が緩む。




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大好評

2011年06月20日 | 書道・筆文字
愛好家ではあるが、プロではない印を作るという作業。
詩書画に加わった篆刻は、中国の明清時代を通して文人の嗜みとなって、日本にも江戸時代に黄檗宗を伝えた隠元・独立によってもたらされたとか。

文字学必須の深い教養を持ちえない奴は成り立たない篆刻だが、最近は身近に、「アート」とかなんでもかんでも便利な言葉があって、書に似て何でもありの時代である。
今、プロのレベルは高い。が、展覧会中心に歯車が回っているせいか、全体的には画一的ではある印章。いや印象。

そんな状況のなか、愛好家の私が、素人さんにたまたま教えてきた篆刻講座のタイトルが、今回「大好評 ……」が先についていたのである。

私もまがい物の仲間入りである。

6月5日、19日の2回、10時から夕方までの長いワークショップだったが、2回とも参加の方は朱白2顆、自分の出品する書作品に捺せるほどの出来でした。4年前から毎回参加の書道ガールズパパは、次回から代わって教えてほしいほどの入れ込み具合である。
ま、その場の気分がいいと、時間の経つのも早い。

技術の前に観る眼である。そこが肝要。
そして刻す前に感興が大事。
技術的なハンコで終わるか、人間の表現として、方寸の宇宙のなかに遊べるか、がポイントか。

そんななか、家に帰ると、印の依頼があった。知人からその知人の印を作る依頼なので、知らない人である。知らない人の印をつくるとき、上手そうに作ろうとしてしまう。ここに感興は生まれにくい。
この自己宣伝時代、「大好評」とか「世界の」とか怪しい言葉の代表格である。

そういうこの時代に、自分に厳しく生きる陶芸家を知っている。
伊豆下田の土屋さんである。
この22日から池袋西武6階のアートフォーラムで34回目の作陶展。28日まで。



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手ごころ

2011年06月14日 | 文化・芸術
アートボランティア資金のためのカード織のストラップ作りに参加。
三渓園つながりの辛島綾さんのワークショップ。
三田線蓮根駅近くのFUDOKIというすてきなギャラリーでおこなわれました。

彼女の得意なものは私は苦手である。彼女の専門は織であるが、折型も得意である。私は鶴も折れない。
小学校の家庭科で、針でぞうきんを縫うのがとても下手だったのではるが、5段階評価の「2」をもらって、そうとうショックで、未だに苦手意識がある。その後、高校になってすべてそういう成績になったのではあるが…忘れられない。

辛島綾さんの「手ごころ」プロジェクト、どれだけのことができるかといえば、イチローや遼君にはかなわないかもしれないけれど、そんな思いはとても尊いと思う。

おととい、釜山から帰ってただちに図書館へ行って、詩や絵本のワークショップを終えたばかりの涼さんを訪ねる。
図書館スタッフも交え、ワークショップの様子を聞いたが、これまた大成功であったようだ。
スタッフの撮った写真をみて、子どもたちの作品にはびっくり。これが日本の教育を受けていくとつまらなくなるのはやるせない。
しかし、この図書館スタッフは私の時も同じスタッフであるが、なかなかのもの。ハコは悪いが、心強い。

両者、このネット社会において、顔の見える関係で、手を動かして物をつくることの素晴らしさを感じさせてくれた。創造性に満ちた活動を誇りに思う。
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慶州へ

2011年06月12日 | 文化・芸術

11日は慶州へ。
慶州は日本でいえば、奈良。
新羅の都であった。

慶州博物館にはじめに寄ったが、韓国の博物館は入場無料。素晴らしい。慶星大学の図書館は24時間開放。すごい。

さて、「仏国寺」が有名だが、2度ほど建て替えを余儀なくされた歴史を持つらしい。石組のみが当時の栄華を知る。「大雄殿」にて写真を。

さて、もう一枚の写真、この三重の塔は、日本のどこかにあるお寺に似ているだろう。仏国寺にも三重の塔はあるが、この塔は、さらに時代をさかのぼり、日本へ影響を与えたということだ。

木イチゴの実を地元のしわくちゃなおばちゃんから買った。

夜は釜山にもどり、地元の市場で焼いたものと、チゲにした太刀魚をいただいた。
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釜山へ

2011年06月12日 | 文化・芸術

6月9日から12日まで、初めての釜山であった。
「あ→え」にすると、韓国語に近づく(!?)。「大変だ」は「てぇへんだ」という具合だ(???)。
写真は、慶星大学(ほんの一部)、大学招待所から観たお寺。「中洞」バス停、かわはぎなどの刺身。
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今年は扇子

2011年06月06日 | 文化・芸術
今年の夏は、扇子で。それも小熊の…。という方がいてくれて嬉し。
いくつかを披露したなかの一点が写真にある通りだが、この扇子はいわば大胆にオリジナルなものだ。
デザインは書の一部分からである。私自身の扇面制作で紙3枚を使用している。前後2枚はうすく楮紙を自ら漉いたもの。
中の一枚は反故としたものの中から再生を図り、漉いたものに即合わせて、糊付けはしていない。

さて、その方は、「逍遥遊」と淡墨で書いたものを扇子に仕立てたもので今年は過ごしてくれるという。感謝。
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