百聞は一見に如かずと、言われるとおり・・・
思い立ったが吉日、善は急げと申します・・・等々。
慣用句を挟むと文章も格上げされますし、
使いこなすことで、一人前の大人の感じがします。
勘違いに気付かされたばかりの慣用句があります。
「袖振り合うもタショウの縁」です。
このタショウの漢字は「多少」だと思っていました。
「多少」(タショウ)・・・いくらか・少々
この意味で使っていたので
「行き会わせたことは僅かとはいえ、ご縁なのでしょう。ご案内しますよ」
まぁ、どちらかと言えば軽い気持ちです。
行き会わせたことによって、今まさに生じたご縁という解釈でした。
正解の漢字は、「袖振り合うもの他生の縁」でした。
この漢字の持つ意味が、わかりません。
「他生」(タショウ)・・・《仏教》今生きている世(今生)とは違う、生まれる前の世(前世)と死んでからの世(来世)
前世(ぜんせ)と来世(らいせ)を他生と言うんですって。
「袖振り合うも他生の縁」
道を行くときに見知らぬ人と袖が触れ合うのも、前世からの因縁のよるものであって
ちょっとした出来事も全て偶然のことでなく、そうなるめぐり合わせによって起こるもの。
こうなると、かなり重いです。
行きずりの人に言われたら、ちょっと引いてしまいそうです。
道に迷っている人を案内する時は、このフレーズを言うのはやめにします。