そうなんだ。

外国語で知ったこと。

白鯨  小説

2018-02-20 12:04:10 | 読書
2018年2月7日のブログ「スターバックス」で、この有名なカフェの名が、小説の登場人物由来だとわかりました。

『白鯨』(はくげい)は、アメリカの小説家・ハーマン・メルヴィルの長編小説で
原題は「 Moby-Dick; or, The Whale」(モビーデイック オア ザ ウェィル)です。
やっと、読み終わりました。 もちろん翻訳本です。
今回は半身浴がてら、湯船の中でも読みました。

まずは原題の説明です。
モビーディックはこの小説に登場する巨大な白いマッコウクジラの名前です。
ちなみに
標準的な雄マッコウクジラの体長は16ー18メートルで、体重は50トン。
モビーディックは他のマッコウクジラを圧倒するほど飛びぬけて巨大なのです。

「whale」(ウェィル)・・・鯨

19世紀・石油発見以前は、鯨油(クジラから採取される油)が灯油や機械油として使用されていました。
捕鯨船乗船は高収入でしたが、2年以上も海上で過ごすこともあり、過酷で危険な仕事でした。
陸上での生活に生きがいを見いだせない若者・イシュメールは、刺激的な何かを求めて
捕鯨船で水夫として働いてみることにします。

この若者イシュメールの語りで話は進められいきます。

沢山の鯨油を取ることが目的の捕鯨船で、出港後にエイハブ船長の目的だけは違うということがわかります。
過去に片足を失くす原因を作った、巨大な白鯨(モビーディック)との戦いを心に決めていたのです。

銛打ちをはじめとする乗員は、陸上の生活に馴染めないような荒くれ者ばかりのようです。
背徳者・無頼漢・風来坊・脱落者・食人種(人食い族)・夢想家といった救いがたい手合いばかり。

その中でスターバック一等航海士の紹介だけは、
すらりと背が高い・端正な顔立ち・自己抑制のきいた精神・数々の危難を落ち着き払ってきた証の瞳
理性の先導者など、イシュメールの目にはただ一人の正常者に映ったようです。

穏やかな海のこの世の物とは思えぬ美しさや
嵐で荒れ狂う海の過酷さは所々で存分に語られていました。
ちなみに荒れ狂う嵐は、ジャパン沖で遭遇したタイフーンです。
『日本』 と 『台風』 の言葉の登場に、思わず親しみを覚えました。

スターバック一等航海士とコーヒーは結びついていません。
素晴らしい海の景色を見ながらコーヒーで一息つく描写などはありませんでした。

最終的に、奇跡的に助かったイシュメールを除く乗員全員が死んでしまいます。
戦いを挑んだ白鯨・モビーディックが体当たりして本船を沈没させたからです。

えー、そうなの?。 生き延びて欲しかった。

小説『白鯨』は、アメリカ文学を代表する作品で、映画化もされています。
ちなみに、語り手が狂気だと描写する片足のエイハブ船長は、『ローマの休日』で馴染みの
グレゴリー・ペックが演じていたようです。

スターバックスの創業者たちが、この本を読んで
冒険心あふれる海の男たちの生き方に魅せられていたとしても不思議ではありません。
(私は絶対乗りたくありませんが・・・)
しかし
商売となれば、勇猛果敢なだけでは成り立たないので
知性と理性を兼ね備えたスターバック一等航海士の名を選んだのかもしれませんね。

スターバックス
カッコイイ響きに聞こえてきました。

コメント (4)
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