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故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

本日閉店

2021-06-28 04:23:17 | よもやま話

地域の方のリクエストに応えて、この絵「じゃがいも行進」を、この稿の挿絵とする。
妻の作品です。
皆さま、長い間お世話になりました。


村はずれ 出会いと別れ 一本杉

今日のタイトルは、「本日閉店」です。
開店し、4年半続けたカフェ「さんぽみち」を本日閉店します。

この地域の住民のうち、地域活性に熱心な活動をしているのは、家族も含め約1000人である。
あとの大多数(5000人)の意識や想いを知りたくて、カフェを開店した。
毎年、約2000人の顧客を迎えることができた。3000人を目指したが、道半ばに終わった。

開店したからには、続けたい。続けるには、利益を出さなければならない。
利用者に受け入れられるメニューでなければならない。
注文生産にこだわり、メニューは最小にした。
コーヒーと紅茶にパンかケーキ(地元で採れた野菜や果物の自家製造)をつけて、セット(500円)にした。
食べ物は、お好み焼き(750円)、ピザ(850円)とチヂミ(600円:2人前)の3品である。
夜の予約客は、一組限定でおまかせ料理(自家製野菜を中心にした手作り料理:2500円/人)を提供した。
東京のサラリーマンが、新橋や中野で飲食をして、3500円/人を目指した。
よって、飲み物、食べ物は持ち込み可とした。

「一人の満足」を最優先し、自分たちが美味しいと思う味にこだわった。
地元で採れる野菜や果物をメニューに取り入れるため、時には教えていただき、
時には和洋中の新しい味として、「おまかせ料理」に挑戦した。
年間挑戦したメニューは、100を優に超えた。

根強いリピーターを得て、地元の支持をいただけることになった。
特に、市役所との応援(いろんな組織の打ち上げなど)で2/3の顧客数となった。
私達と会話をしたいお客さんも増えていった。
上から目線で仕事をしてきた私が、頭を下げることを学んだ。

「おらが村」を盛り上げたいという地元の方々の想いを汲んだ。
隠れ家のようなカフェに、昼も夜も一人平均3時間を過ごされた。
「さんぽみち」という看板に恥じぬよう、向こう三軒両隣の空き家と耕作放棄地の草刈と剪定をした。
地産地消(6次化農業:生産、加工と販売)にとことんこだわった方針は、地元に受け入れられた。
この野菜もこうすることで美味しくいただけると、レシピーを惜しみなく伝えてきた。

私は学んだ。
人々は、「おらが村」が好きなのである。自然も人も自慢である。
出来ない理由(時間、体力、根気)があり、滞ってしまう。
その閉塞感を開くことが、私達の役目だと気づいた。
私は、高齢者の畑を鋤いたり、草刈をした。
ほんの、数時間の応援である。
淀む閉塞感を解消した。あとは、高齢者や会社員が生き生きと活動できた。
妻は、パン教室や編み物教室をした。
子供たちには、絵を描く時間と場所を作った。
イベントがあれば出かけた。
皆さんの素敵な笑顔を切り取り、反省会(直会)の席に写真として届けた。
または、似顔絵にした。

続けることが命題である。
どうして過疎になるのか、地域活性の方法を自ら汗をかくことで学んだ。
空き家を住める家に変え、草刈も剪定も、伐採も開墾もちっとも苦にならなかった。
自分の眼で問題を見つけ、自らの体力と知力で解決するために、私はここに来た。

今回、自分の都合で閉店し、故郷に帰ることになった。
遅かれ早かれ、計画(本年中に閉店)していたことなのである。
少し早くなっただけである。
学んだことを他の地域で、出来る方法でやるだけである。
私のプロジェクトは、スタートでき走り出すことができた。
懐の深い地域の皆様に感謝する。
移住の不自由と、なにをしてもよいという自由を感じることができた。
残された人生は短い。
そして、道は長い。
人生に楽園などない。

2021年6月28日
コメント
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