
これが飲まずにおられるか。
おしまい。
目くじらは 掃いて捨てるぞ 上戸下戸
認知症同士の会話は、ことさらに弾むと聞いた。
それは、相手が何を言ってるのか分からないけど、うなずくからだという。
相手は、自分の話に興味を持っている。
平行線の話は、延々と続く。そして、楽しい。
今日のタイトルは、「酒場の会話」です。
年代の違うもの通し、話がはずむときがある。
世界一入りにくい飲み屋に入ったことがありますか。
勇気を出して開けた扉の向こうには、酒を飲みたい人がいる。
理由など要らぬ。
おつまみは、梅干しとらっきょだけ。
中には、おつまみ持参の輩もいる。
店主は、見逃す代わりに、手伝い代わりに酒を運ばせる。
酒さえ飲めれば、どんなたわいのないことも可笑しい。
何を話したって、誰も怒らないし笑うばかりです。
今日も酒が美味しい。
話下手のそばには、話し上手がいる。
下手が口を開ければ、上手が引き継ぐ。
お互い困ることはない。
聞き手も困らない。
下手が違うと手を振り、上手が謝る。
「会話」に意味など入る余地もない。
馬鹿話もエロ話もなんのその。
酒が飲めればよいのです。
人に分かってもらおうなんて、露ほども考えない。
酒のみの会話は、常に平行線。
楽しいから飲み、飲むごとに楽しくなる。
酔っぱらった頃に、家路を急ぐ。
ああ、今日も楽しかった。
世界一入りにくい飲み屋の客になったのです。
2021年6月5日