故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

頑張って

2020-01-20 05:50:46 | よもやま話

先輩の奥様です。
タイトルは、「良かった」です。
いっぱい心配したけど、助かった。
まだまだ生きるわよ。


お母さん頑張ってと息子が言う。
お母さんは、いっぱい頑張ったよ。と私。
かみさんは、あっけなく亡くなった。
医者の診たては、あと2週間。正確そのものだった。

今日のタイトルは、「頑張って」です。
少し二日酔いです。できれば書かない方がよい。

少年野球の話。
コーチやサポートする父兄たちは、すべて経験者ばかりでした。
プレーするのは、小学生高学年の子たちです。
コーチの口から出るのは、ダメ出しばかりでした。
普段はとても優しい男です。
打たれてばかりのピッチャーで副キャプテンの男の子は、歯をくいしばって投げ続けました。
「頑張って」と両親は祈るものの言葉にはできない。コーチに預けた試合だからです。

「頑張って」という言葉は、時に残酷です。
技量が伴わない子にかける言葉ではないのです。
楽しんでとはとても言えない空気があります。
同じチームスポーツでも、野球はストイックで、サッカーはおおらかです。
素晴らしい野球選手でも3割しか打てないと言うのに、ストイックです。
1対1の対戦式だからでしょうか。

「頑張って」は哀しい言葉です。
こんなに一生懸命やっているのに、さらに頑張れというのか。
一生懸命の先にきっと良いことがある。と信じているからかけるのです。
でも、もうやめてと心が叫んでいます。
伸びきったゴムは、もう元の長さに戻ることはできない。

凍傷で足の指も手の指も感覚がなく、意識も遠のいていく。
愛しい人が目の前に現れたような気がして、見つめている。
涙も出ない真剣な眼で応援してくれる。
「頑張って」と押してくれる。
こんなところで終われないと、少しでも安全な場所に、にじるように移動する。
嵐が過ぎ、雪洞から這い出る。青空はどこまでも温かい。助かった。

「頑張って」に代わる言葉を思いつかない。
切なる願いの言葉です。
自分が当事者でないだけに、かけるしか術を知らない。
本当は、「楽しんで」と言いたい。
昨日の女子卓球のシングル決勝戦をテレビ観戦した。
伊藤美誠は、絶体絶命のピンチであった。
彼女は、口角をあげて楽しんでいるように見えた。
やるじゃないと言ってるような、そして負けないわと鼓舞していた。
その顔は美しかった。

頑張って すすきが風に 微笑んだ

2020年1月20日
コメント
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