トイレ部長
昔、JRが日本国有鉄道(国鉄)と言って居た頃、国鉄にはトイレット部と言う名の部署があった。今でもある部署かもしれない。各駅にあるお手洗い、列車の中のお手洗いを管理する部署のようだ。......
先日、高貴な方のトイレの話をした。
どうしてか知らないが、この時期トイレの話が出てくるらしく、
昨年、同じころにトイレのことを書いて居た。
きっと気温が下がってトイレに行く機会が増えたからであろう。
そこで今日はこの続きをしたいと思う。
現役時代、係長になった時に、係長講習なるものがあった。
部下のために伝えなければならないことを、
伝えるために、三分間スピーチの練習があった。
他に五分間、十分間スピーチもあったが・・・
起承転結で三分間にまとめて、
解ってもらえる話し方練習である。
新人係長30人ほどの前で練習をするのは、
先輩や同期の人達の前では、なかなか難しい。
お題は「決断力」についてであった。
この時、このトイレット部長の話を思いだした。
以下に三分間スピーチを綴る。
「もともと女子は男子に比べ、
決断力に欠けていると言われて居ます。
それはどうしてでしょうか?
トイレを思いだしてください。
西洋でも同じですが、
日本では、男子トイレは大便用と小便用とに分かれています。
所が女子のトイレは、ご存知の通り、
大小同じ便器を使うようになって居ります。
用を足したい時、男子は小さい子供の頃から、
大または小のどちらかに決めて
トイレに入ら無ければならなかったのです。
所が女子は、もよおした時、大小分ける必要がなく、
大であろうが小であろうが、同じトイレに入って、
パッとお尻をまくって、用を足します。
大であろうが、小であろうが、同時に用が足せます。
所が男子は、必ず大か小か決めてから入るのです。
大の時に、小の便器では用が足せません。
(もっとも、小の便器に大の用を足す器用な人も居ますが)
そんな人はまれです。
大の時は大便所に、小の時は小便所に行きます。
つまり男子は子供の時から、大小を決めるという、
決断力を付ける訓練が、長年にわたって、されて居るのです。
女子の場合はそれがありません。
だから女子はどちらかと言うと男子より
優柔不断だと言われるのです。」
以上ですが、三分間以内で終わりました。
話し方にもよりますが、
ゆっくりと分かりやすく話せばよいのです。
学生時代に、日本人の話し方で一番上手なのは、
徳川夢声であると言われて居ました。
これを研究した外国人教授が英語でその内容を、
授業で話しました。
学生たちが理解できるように、ゆっくりゆっくり、
一人一人顔を見ながら、授業を進めるのです。
まるで徳川夢声そのものが話しているように・・・
その先生の研究によると、徳川夢声の話術が優れているのは、
話と話との間(あいだ)にある「間(ま)」にあると言うのです。
英語で進める授業ですので、
この「間」がとても分かり難かった記憶です。
「間」を英語では「space」と言うのですが、
これが「間(ま)」につながるのが、
学生には理解し難かったと思います。
上段に(話と話との間(あいだ)にある「間(ま)」)
と書きましたが、振り仮名を入れなかったら、
理解していただけなかったように・・・