(和田宿の高札NO1.きりしたん宗門に始まる高札)
(信濃の和田宿の高札)
群馬県に入って倉賀野宿の高札に次のようにあった。
「 定
きりしたん宗門ハ累年のご禁制たり
自然不審の者あらば申出べし
御ほうびとして
ばてれんの訴人 銀五百枚
いるまんの訴人 銀三百枚
立かヘリ者訴人 同断
同宿並、宗門の訴人銀百枚
右之通り下さるべしたとひ同宿宗門
之内たりと云う共申出る品により
銀五百枚下さるべしかくし置き他所より
あらわるるに於いてハ其所の名主五人組迄
一類共ニ罪科おこなハるべき者也
正徳元年五月 日 奉行
右の通り被仰出候畢領内之輩
可相守もの也 越前」
とある。
また、もう一つの高札には
「 定
一、人たる者五倫の道を
正しくすべき事
二、衆寡孤独廃疾之
者を憫むべき事
三、人を殺し家を焼
財を盗等悪行ある
まじき事
太政官」とある。
人倫に悖(もと)るような行いはこれを許さず、
弱いものを助け悪行は断罪に処する内容である。
信濃の和田宿にあった一つ目の高札の内容は同じであるが、
二つ目は中身は同じでも、ずいぶんわかり易く、
噛み砕いてあり、次のようであった。
「 定
一、親子兄弟夫婦を始め諸親類にしたしく下人等に至るまで、
之をあわれむべし、主人ある輩はをのをの其奉公に精出すこと
一、家業を専らにし慢(おご)る事無く、万事其の分限に過ぐべからざる事
一、博打の類一切に禁制之事
一、喧嘩口論をつつしみ若し其事ある時みだりに出合べからず
手負たるものかくし置べからざる事
一、鉄砲猥(みだり)に打つべからず、若し違犯のものあらば申出べし
隠し置、他所よりあらわるるにおいてはその罪重かるべき事
一、 盗賊悪党の類あらば申し出べし急度(きっと)御褒美下さるべき事
一、死罪に行わるる者ある時馳せ集まるべからざる事
一、人売買かたく停止す、但し男女の下人或は永年季或は譜代に召置事は
相対に約すべき事附き譜代の下人又は其所に住み来る輩
他所へ罷越妻子を持ち有附もの呼び返すべからず
右条々可相守之若於合背者可被行罪科者や
正徳元年五月 日 奉行 」とある。
(高札2「親子兄弟をはじめ・・・」から始まる)
倉賀野宿の高札よりかなり具体的に、
一般庶民にわかり易く書いてある。
最後の一行は
「右の各条相守るべし、若し之に相違背するものにおいては
罪科行わるべき者也。」と読むのであろうか。
(高札3「人足、荷物駄賃の取り決めの高札)
和田宿の駄賃と人足の料金らしい(読めないところは省略)
「 定
・長窪まで 荷物駄賃 八十四文
××馬壱疋 五十六文
人足壱人 四十三文
・下諏訪まで 荷物駄賃 三百五拾文
××馬壱疋 二百二拾八文
人足壱人 百七拾五文
(途中に文章が入っていますが読めませんので省略しました。
次回訪問の折にはシッカリ読んでこようと思います。)」
下諏訪までと長窪までとでは駄賃、
人足一人、馬一匹、ですべて四倍になっており、
距離にして下諏訪まで22km、長久保まで8km と換算すると、
下諏訪までが3倍でしかるべきであるが割高になっているのは、
和田峠の難所の部分が賃料に入っていると思われる。