(トサミズキ)
広報を点字に翻訳している姉の話を前回書いた。
その姉の家から帰ろうとしたら電話が鳴った。
姉が電話を取ると、
「送付されてきた変な書類があるか」と警察からの電話だという。
受話器を置いて、
不自由な足でゆっくりゆっくり歩いて次の部屋へ行き、
書類を持ってきて、
「本当に警察かね」とボクに聞く。
そう言いながら受話器を取り上げると、
電話は切れていた。
「おかしいなその書類ちょっと見せて」と、
ボクが書類を見せてもらうと、投資のパンフレットで、
振込銀行と支店名、口座番号が書かれた書類が入っていた。
ボクに「本当に警察かね」とつぶやいた話声が受話器で聞こえたに違いない。
先方はさっと電話を切ったと思われる。
「どうも変だから、警察に電話して事情を話した方がよさそうだ」
と話すと、
「明日、町会の組合長にお会いする約束だから話してみる」
と言うので、
「電話機を買い替えて、先方の電話が表示されるようにして、
知らない電話だったら出ないようにした方がよさそう」
そう姉に伝えて、電話機を替えるように、
さらに、オカシイと思ったら、警察官の甥っ子に相談すると良いよ、
と話して帰ってきた。
しばらくして、姉から東京の自宅に電話があり、
「ボクが春日井市にいて、仕事の途中で、
お金の入ったカバンをコンビニに忘れてきた、と電話した?」
と言ってきた。
「ボクが仕事をする訳がないだろう。もう80過ぎたんだよ。
第一ボクの性格からお金の入ったカバンを、たとえわずかな時間でも、
手放す訳がない。
それは 間違いなくオレオレ詐欺だよ。
この間 話をした電話機替えた?」
まだ替えていないという。そこで娘の電話番号を聞き出した。
事情を娘に伝えるためだ。
すぐ娘に電話すると、姉から前もって電話が入り、
弟から電話が行くよ、と言ってきたという。
「それじゃあ用件は解っているね。
お母さんがオレオレ詐欺にヒッカカリそうだから、
電話機を替えて、自分の知っている人の電話番号を登録しておいて、
知らぬ電話が入ったら出ないようによく話してください」
と娘に伝えた。
その後、電話確認もしていないが、帝国大出の娘だから、
うまく対応しているに違いない。
そう信じている。
(サンシュユ)
広報を点字に翻訳している姉の話を前回書いた。
その姉の家から帰ろうとしたら電話が鳴った。
姉が電話を取ると、
「送付されてきた変な書類があるか」と警察からの電話だという。
受話器を置いて、
不自由な足でゆっくりゆっくり歩いて次の部屋へ行き、
書類を持ってきて、
「本当に警察かね」とボクに聞く。
そう言いながら受話器を取り上げると、
電話は切れていた。
「おかしいなその書類ちょっと見せて」と、
ボクが書類を見せてもらうと、投資のパンフレットで、
振込銀行と支店名、口座番号が書かれた書類が入っていた。
ボクに「本当に警察かね」とつぶやいた話声が受話器で聞こえたに違いない。
先方はさっと電話を切ったと思われる。
「どうも変だから、警察に電話して事情を話した方がよさそうだ」
と話すと、
「明日、町会の組合長にお会いする約束だから話してみる」
と言うので、
「電話機を買い替えて、先方の電話が表示されるようにして、
知らない電話だったら出ないようにした方がよさそう」
そう姉に伝えて、電話機を替えるように、
さらに、オカシイと思ったら、警察官の甥っ子に相談すると良いよ、
と話して帰ってきた。
しばらくして、姉から東京の自宅に電話があり、
「ボクが春日井市にいて、仕事の途中で、
お金の入ったカバンをコンビニに忘れてきた、と電話した?」
と言ってきた。
「ボクが仕事をする訳がないだろう。もう80過ぎたんだよ。
第一ボクの性格からお金の入ったカバンを、たとえわずかな時間でも、
手放す訳がない。
それは 間違いなくオレオレ詐欺だよ。
この間 話をした電話機替えた?」
まだ替えていないという。そこで娘の電話番号を聞き出した。
事情を娘に伝えるためだ。
すぐ娘に電話すると、姉から前もって電話が入り、
弟から電話が行くよ、と言ってきたという。
「それじゃあ用件は解っているね。
お母さんがオレオレ詐欺にヒッカカリそうだから、
電話機を替えて、自分の知っている人の電話番号を登録しておいて、
知らぬ電話が入ったら出ないようによく話してください」
と娘に伝えた。
その後、電話確認もしていないが、帝国大出の娘だから、
うまく対応しているに違いない。
そう信じている。
(サンシュユ)