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矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

ドイツのとても印象的な医学教育改革

2010-10-09 21:44:21 | 医学教育
先日、東京大学の医学教育国際協力研究センターで、3名の欧米からの招聘講演がありました。

なんとか参加できて、本当に参加できてよかったと思いましたので、ご報告します。

一人目は、カナダのトロント大学のfaculty developmentコースの紹介の講演。
25年間かけて、family medicineがご専門の先生が2年前に立ち上げた医学教育学のマスターコース、短期コースのご紹介でした。

2人目は、ドイツからで、ドイツの伝統的な医学教育カリキュラムを、PBL(Problem-based learning)ベースの教育を併行して取り入れた場合の、驚異的な結果の報告でした。

これから学会等での公式発表や論文発表などがあるため、詳細はそれらをご参照していただくことになると思います。


結論からいいますと、6-7年前に入学した学生を経時にフォローし、学習達成度を試験のスコアで追っていたものです。驚くべきことに、PBLコースの学生は、伝統的な講義中心のカリキュラムで学んだ学生に比べて、早期に基礎医学も臨床医学も学習達成度が高く、最終的にも、ドイツの国家試験で、伝統的カリキュラムで学習した学生よりも、はるかに
成績がよかった、というimpressiveな結果が出ていました。

これほど明確に差を確認できたstudyはあまりないと思います。米国から客員教員として東大にこられている先生も、感嘆していました。

いろいろなbiasがないかの検証が重要だと思いますが、少なくとも、ドイツのその組織内では、PBL導入に懐疑的であった教官を、データをもって説得するには十分すぎるくらい鮮やかな結果でした。

ふりかえって、私自身もいま、self-directed studyでまなんでいますが、その方法を信じたほうが、数年後に自分に役立つ学習方法ができている、ということなのかな、と思いました。

早朝skype discussion

2010-10-04 12:40:08 | 医学教育
Distance-learning で、月曜日の早朝からskype discussionしました。

30分ぐらいでしたが、やはり実際に話すのとEmailを読むのでは随分、違う感じでした。

話せてよかったです。やはり、ひとりでプロジェクトに取り組むよりも、仲間と一緒に取り組んだほうがはるかに充実することを身をもって感じます。もうひとりの日本人のクラスメートの方も、仕事のペースを考え、自分なりの予定でこなす予定、と聞いて、感心しました。

とても早い行動です。。。。

学習活動 learning activityは、

1. Cognitive learning activities: Content, what to learn
2. Affective learning activities: motivation, why learn
3. Metacognitive learning activities: self-regulation, how to learn

の3つのカテゴリーに分けられるというモデルが主流のようです。

それからすると、彼女の早い行動は、3のSelf-regulation がよくできている、となるのかな、と感じました。

学習活動は、一般に、要求されている学習の分量と内容の質、利用できる時間、必要な準備量、などから自分をコントロールする力を問われています。。。

ドラフトがあとももう少し。最後のDiscussionの部分を、引用citation しながらまとめていくのが大変です。

黒川清先生の講義が無料で見れます。

2010-10-03 21:52:30 | 医学教育
大変、ありがたいことですが、慶應大学の湘南キャンパスGlobal Campusでの黒川清先生の講義が無料で公開されています。

http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/flv/flv_play_gc.cgi?2010_33905+01+1

いろいろ示唆に富んだ講義です。是非、ご覧ください!

ライブはもっと迫力があると思いますが、ライブで見られる時代になってとても恵まれますね。。。

Collaborative work 共同学習

2010-10-03 00:57:41 | 医学教育
新潟に出てくる前に、週末にこなすべきことを考え、クラスメートで頼りになる人たちにEmailで連絡しました。

Collaborative work 共同学習で、クラスメートがどんなまとめかたをしているのかをシェアするのはとても勉強になります。また励み、刺激にもなります。
あ、こんなにがんばっているんだと思うと、同じレベルに達するようにがんばろうとおもいますよね。。。

今日は、夜中にポルトガルの友人とつながって、課題について連絡できたのでとてもよかったです。日本時間の月曜日の早朝に、彼女と一緒にディスカッションする予定です。

それまでに1コ目の課題のドラフトを完成します。

Clinical reasoning の教育

2010-09-30 09:16:34 | 医学教育
医学教育でもっとも重要な内容である、Clincal reasoning.

医師としてのCompetency コンピテーンシー(臨床能力)を決めるといっても過言ではありません。

これをどのようにteaching するか、世界中で思案されています。


今学習理論を勉強していますが、どうすれば、long-term memory 長期記憶として頭脳にstoreされるのか、非常に興味深いです。

"Maintenace rehearsal" 維持するための繰り返しの訓練 により、short-term memory 短期記憶は維持される、とあります。

心肺蘇生のACLSは、2年ごとの更新ですが、いつも使っている医療従事者と私のようにいつもはあまりかかわらない者では、おのずと定着率、維持率が異なりますよね。ACLSも、米国の学会などに行った機会でも使い更新せねばと思うこのごろです。

日本で2009年に日本の学会が提唱しているILCSは取りました。


また、医学教育学の勉強ですが、さすがに大学院教育なので、課題はかなりheavyです。クラスのみんなもアップアップ状態でdue に間に合わない、、といっている人もいます。。

抽象的な内容を頭の中で英語でまとめて、英語でoutputするのは、本当に難しいです。”ふつうのScience”のpaperを書くのとはかなり違う印象です。”文系科目のエッセイ”みたいな感じで、滞っています。。。。

ともかく自分を信じてやるしかないですね。

昨夜のゴルフの宮里藍選手のインタビューで、欧米人のパワーゴルフでいったん、自分のスタイルを見失いスランプに陥ったが、
自分のよさを再発見して、現在の成功につながっている、とコメントがとても印象的でした。

グローバル世界で生き残るには、自分のよさ、自分らしさをいかに発揮できるか、にかかっていると私自身も実感します。

世界中に散らばっているクラスメートと連絡しながら、なんとかがんばりたいと思います!

心不全分類で世界的に有名なDr. Killip が来日

2010-09-27 20:59:44 | 医学教育
Beth Israel Medical Centerで内科レジデントをしていたときに、もっとも緊張した朝のラウンドが、心筋梗塞後の心不全の分類で世界的に有名なDr. Killipのラウンドでした。

本当に幸運にも内科レジデント1年目(インターン)のときに、CCUをローテーション中に、Dr. KillipがAttending として教育回診の担当でした。History & Physical のoral case presentationでは、みんな高い評価がほしいため、必死でほぼ暗記に近いくらいH &P を覚え、抜かりないように、ほぼ完璧なプレゼンを目指しベストを尽くしたことを思い出します。

”暗記するぐらい自分の担当患者のことをよく理解していること”が要求されていました。

朝9時からのラウンドまでに、採血結果やそのほかの検査結果をまとめ、前日からの変化などを正確に理解して、プレゼンに備えるありさまは、本当にいまでも緊張を思い出すほどですが、かけがえのない経験として体に残っています。

そのDr. Killip に推薦状を書いていただいたこともあり、今回、国内での臨床教育のため来日されると知り、ぜひ当時の御礼を申し上げにお伺いしたいと思っています。CCUをローテーションした95年からすでに15年の歳月が流れているとは、なんとも時の流れの速さを実感します。

Dr. Killip は、前にも書きましたが、医学知識が不完全で的確な判断が下せない医学生や研修医が製薬会社のコマーシャリズムやマーケティングに触れることを病院の方針として禁止して下さった方です。バイヤスのかかった情報ではなく、公平かつアカデミックな情報を元に、臨床医として的確な判断力を養うことを教育の第一の優先とされたのだと思います。

お会いしたときに、当時のことなどをお伺いしたいなと思っています。

Dr. Killipには、日本を想起していただけるようなsmall giftをお持ちしたいと思っています。

余談ですが、10年以上引越しを乗り越え愛用品となっていたタータンチェックの折りたたみがさが、JR駅で無事に見つかり、今日、手元に戻ってきました!! 本当に感激です。日本のこのような正確・迅速・親切なすばらしいサービスを世界に公正にアピールしたいと切に思っています。

メディアで大きく取り上げられている外交問題で、中国の強引なやり方に辟易しています。中国人のなかには大陸的な発想でかなりアグレッシブな方もいます。一般化しては言及できませんが、日本人は同じアジア人でも、もっと繊細で、良心的な国民です。アグレッシブな相手のペースに飲まれないことが大事ではないか、と個人として思います。

やはり、「交渉のカード」をうまく使う交渉力が必要なのでしょう。。。数日前ですが、BBCでも、かなり大きくトップニュースのひとつとして取り上げられていました。


中国に完全に主導権をとられているのは、なんとも悔しいですね。

Learning and Teaching, そして心電図がおもしろい!

2010-09-25 22:50:43 | 医学教育
オランダのUniversity of Maastrichtの”learning and teaching ”というUnit の勉強をしています。

教育者としての自分のteaching styleを振り返りつつ、学習者としていまの自分の学び方、小学校高学年から中学高校、大学、と”詰め込み教育”を受けてきた自分の学習スタイル、またUSMLEに始まり、内科系専門医試験などの米国での資格試験の受験経験、在米中の診療に関連した自己学習の仕方、など、さまざなまことを思い出しながら、

”Learning" とは、
”teaching" とは、

について学んでいます。

もっと学習するとはどういうことか知っていれば、あんなに短期間に詰め込みながら
USMLEの勉強しなかったのになあ、と思ったり。しかし当時は試験に合格しないといけなかった事情もあり、正常生理学、病態生理学の深い理解がまったくなされていなかったことをいまになって明確に認識し、とても残念に思います。それはいまでも、自分の臨床能力に如実に反映しているので、なんとかもっと実力をつけたいという気持ちになります。

そんなことを想起しながら、医学教育学の勉強をしています。

手探りの自習なので、どこまで勉強すべきか、課題をこなすだけでは意味がないと思いながら、ああ、もともと何が目的でこのコースを取ったのか、など振り返っています。


こうした”振り返り”は、さっき読んだ、learning functionのうちの、
”self-regulation”ということか、と思いながら、自分を相対化していったりきたりしています。

話はそれますが、

課題をこなすために読まなければならない文献が多く、集中力が切れるとinternet surfing してしまいますが、そのなかで見つけた心電図の解説でとてもおもしろいものがあったのでご紹介です。

医学書院の医学界新聞で、学生・レジデント版で慶應大学循環器内科の香坂俊先生が
連載されています。

香坂俊先生は、チーフレジデント、チーフフェローにも選ばれ米国内でも模範的かつ超優秀な臨床医としてご活躍された後帰国されました。何度かセミナーなどでご一緒したことがありますが、本当に優秀な方で感銘を受けています。


http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02878_09#a

すでに5回連載済みですが、循環器内科はかなり不得意の私にも、とても興味深く書かれており、感動しました!

その上記の正常生理学、病態生理学で、心臓のところは、物理化学の理解が不可欠で、そういう分野は私はどちらかというと苦手です。心電図も、在米中レジデントのときに、ベクトルの考え方で読み方を本で勉強し、少しましになりましたが、全般的に、いまでは心電図は読み方をすでに忘れてしまっています。

そのような”苦手”意識を持っている私が、”心電図がおもしろい!”と思い、一般内科の実力維持のためもう少し勉強してみたい、と思ってしまったぐらい魅力的な文章で心電図が説明されています。

物語風なので読みやすいです。

生理学のバイブルのGuytonで、心臓の正常生理を復習したいです。


このような気持ちになるのは、”Exposure" の仕方(新しい分野への触れ方)によるなあ、と改めて思います。

学習理論からすると、”Exposure" によって”Motivation" に大きな影響があるということかなあ、と習い始めたことをあてはめてみています。


総合内科専門医試験、受験終了しました。

2010-09-19 21:22:25 | 医学教育
今日は、気分を切り替え、総合内科専門医試験を受けました。

昨夜は疲れのためか寝入ってしまい気がついたら朝5時でした。目覚ましにシャワーを浴びて会場に7時半ぐらいに出発。

会場への道すがら、知人と遭遇し、いろいろ話しました。米国の内科専門医試験と傾向がかなり異なるので戸惑う、といった話などをしました。その知人はこの試験のほか、この秋に2つも別の学会の専門医試験を受験したそうです。

試験は、長丁場で、疲れました。。。当然かも知れませんが、日米で傾向が異なることや、画像所見を把握しなければならない点で、わからない問題もいっぱいありました。

良質な問題も多くありましたが、判断や考えることを問う問題ではなく記憶を試す問題が少なからずあることには辟易しました。

終了後は、なんとかなっていることを祈りつつ会場を去りました。

会場から帰りに、親友が、同じ専門医試験を受験した妹さんと合流したところに、私もばったり遭遇しました。こんなことってあるんですね。不思議なめぐり合わせでした。肉親や家族って、やっぱり大切ですよね。受験が終了し東京を離れる妹さんを見送りに羽田に向かうと言い、親友たちは去りました。

私も受験終了後、家族と合流しました。夕食を一緒に食べて、少しほっとしました。

総合内科専門医の受験会場で、ミニ同窓会となりましたが、米国で臨床研修を受けた仲間たちが受験番号つづきで4人最後にまとめられていました。つかの間の近況話に花が咲きました。




Deep and meaningful learning 本質的で意義深い学習

2010-09-17 01:05:52 | 医学教育
医学教育理論という自分に未知の分野を勉強していると、93年ごろUSMLEを勉強したころに、いかに事実の丸暗記で対応してきたかを思い知らされます。短期間にできるかぎりの量をこなし、試験にパスしなければならなかったので、興味深い内容にもかかわらず、
じっくりと本が読めず、読み飛ばしながら、問題を解いていた自分を思い出しています。
薄い2-3冊の本を、2回ずつぐらい繰り返して、当時、合格できました。

明後日の総合内科専門医試験のため、今夜は勉強。
過去問の抜粋を6年分解きました。英国からの帰国フライト中に持参していた2年分消化し、新幹線の移動中に3年分ぐらい消化し、今夜1年分消化し、という突貫工事的な勉強です。日本語の診断名で何を指しているのかわからないものもあり、頭のなかで絶えず診断名を英語に置き換え、知識を引っ張り出す、という作業をしている自分がいます。。

Long-term memory長期記憶の知識が、内科系は英語で整理されているため、そことの往復作業になっています。「人はどうやって記憶するのか」、記憶のメカニズムを学んだので、自分がそれにのっとっているのを確認した形です。

今回の突貫工事的な勉強ではありますが、一般内科系の感触をまた思い出しました。
やっぱり基本に戻って、Guytonなどの生理学のバイブル的な教科書などを読みたいと思います。

勉強をがんばらねば・・・

2010-09-16 18:46:57 | 医学教育
学生、研修医の教育に日頃携わってはおりますが、自分も学ぶ立場で、自分にとって未知の領域を学んでいると、全体像が見えないもどかしさ、不安を感じます。

自分が見つけていることがどの位置にあるのか、相対関係が不明のまま、手探りで最初は学ぶことになるため、楽しいような、もどかしいような気持ちになります。

こなすべき課題にまだ取りかかっていないため、文献などを読み、クラスメートのみんなに追いつかねば、と思う日々です。

今週末には、土曜日に都内で抗菌薬はじめの一歩セミナー2010を開催し、日曜日には日本内科学会の総合内科専門医の試験をいまさらながら受験することにしています。専門医試験は、もうこれで国内外で最後の取得試験かと思います。

米国の内科と感染症科の専門医は、2008年と2010年に更新(ともに2008年に更新試験に合格済み)しましたが、また次の期限が近づきます!2018年と2010年。内科は更新後6年目から受験できるので、2014年から受験資格があります。

それまでに、CPD Continuing Professional Development と呼ばれる課題をこなさねばなりません。ずっとおしりペンペンされながら、知識の更新を要求されます。ありがたいことでもありますが、受験までの残り年数を数えながら準備しておかなければならないので、絶えず緊張を伴いますね。

はじめてのScotlandに感激です。

2010-09-03 04:22:26 | 医学教育
イギリスは医学部3年生の夏休みにオックスフォードで英語を4週間ほど学んだのが最初でした。1989年。なんと21年前です。ちょうど自分の42年の人生の半分の時点でした。

その後、2000年にLondonのLondon School of Hygiene and Tropical Medicineにて熱帯医学の短期集中コースのため約3ヵ月半、ロンドンに住んでいました。

それ以来、イギリスに来ることはなかったのですが、今回、学会でロンドンを通過してスコットランドのグラスゴーにきました。ロンドンのHeathlow空港、以前どんなだったかすでに思い出せませんが、モダンでイギリスらしさが出ている空港のように感じました。

スコットランドに到着して、英語がかなり聞き取りにくい印象を受けます。

午後7時ぐらいはまだ明るかったのですが、8時半になると、暗くなりました。

イギリスの美しい夕焼けも見れたので、これから時差ぼけを治すため、ゆっくり寝たいと思います。







国際学会では、新しいことを学びたいのでいつもやる気満々で参加するのですが、午後のセッションはいつも眠気でとてもつらく集中できません。

午前中のセッションはなんとか起きていられるのですがコーヒーを2杯ぐらい飲んでも睡魔が襲ってきます。

今回は私のポスター発表は、本学会初日の午前中なので、気を引き締めて望みたいと思います。

今日からAMEE ヨーロッパ医学教育学会に出発です。

2010-09-02 05:32:55 | 医学教育
2007年からほぼ毎年、参加しているヨーロッパ医学教育学会AMEEに出発します。

2000年以来、ほぼ10年ぶりのイギリスです。ロンドンはtransitのみで、スコットランドのグラスゴーで学会です。今年は、日本化学療法学会の生涯教育に関する報告をポスターで発表する予定です。

AMEEでは、以前参加していたHarvard-Macy-Internationalなどfaculty developmentコースのAlumni, 所属しているUniversity of Maastrichtのworkshop, Alumni meetingがあり楽しみにしています。

小学生のころアニメーションで見ていた(キャンディ・キャンディなど)、スコットランドのバッグパイプと民族衣装がみたいな、と思っています。

8月上旬にお邪魔していたタイのコンケン大学医学部の方、医学部長の先生とも再会できる予定です。

APMEC アジアパシフィック医学教育学会 2011年1月26-30日

2010-08-11 09:23:36 | 医学教育
来年、初めてアジアパシフィック医学教育学会に参加することを計画中です。


2011年1月26-30日にシンガポールで

アジアパシフィック医学教育学会APMEC
http://medicine.nus.edu.sg/meu/apmec8/

タイに行ってから、アジア諸国の医学教育の動向を知りたいと強く思うようになりました。非常に興味深いです。
abstractの締め切りが8月31日でしたので、abstractを提出しました。

また、若手医師の方と一緒に共著でももうひとつabstractを作成することになり、こちらのほうもなんとか間に合うと思います。

スピーカーも世界中の大御所がかなり参加する会のようで、近くで有益なディスカッションができる会だと知りました。
以前、スエーデンでうけたHarvard-Macyのfaculty developmentで一緒だったクラスメートがdirectorなどをしており、再会できるのを楽しみにしています。

AMEE ヨーロッパ医学教育学会のお知らせ

2010-08-09 23:55:26 | 医学教育
9月4-8日までヨーロッパ医学教育学会AMEEが、今年はイギリスのグラスゴーで開催されます。

私はポスターの発表をするため参加予定です。

タイの知人も3人も参加するとのことで、現地で再会する約束をしています。

グーグルでAMEEと入れていただくと学会サイトが出てきます。
下記がサイトです。
http://www.amee.org/index.asp?pg=132

ご興味がありましたら、ぜひご参加ください。

また、来年1月26-30日は、アジアパシフィックの医学教育学会がシンガポールであります。こちらのほうもabstractを提出しようと思っています。

http://medicine.nus.edu.sg/meu/apmec8/

タイの知人やアジアのクラスメート、米国の友人らも多数参加する会なので今回は参加する方向で調整しています。

医学界新聞の連載:医師と製薬会社の適切な関係

2010-07-27 00:27:46 | 医学教育
2010年4月に日本内科学会が、数年前から欧米で本格化しているconflict of interest 利益相反に関する指針を発表しました。

今後は、公式な学会等で講演などをする場合、利益相反について言及することが必要になるようです。

6月から医学書院の医学界新聞でも、日本内科学会のプロフェッショナリズムのワーキンググループによる連載が始まっています。とても重要な点なので、ご紹介します。

今週号では、私の同期でNY時代をともにした、向原圭(むこはらけい)先生の原稿が記載されています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02889_04

私が米国NY Beth Israel Medical Centerのレジデントであったときには、
その病院が、レジデント、学生には製薬会社のMRさんが接触することは禁止されていました。そのため、まったく製薬会社の方に会うことも、話を聞くこともありませんでした。

95年ごろの当時は、米国でもまだまだ徹底されていない病院もあったようですが、NYのその病院は、Dr. Killip (心不全の分類のKillip分類を提唱した先生)が厳格に禁止していたのをいまでもはっきり覚えています。

それでも、1年に2-3回程度、ボールペンなどの備品などは、チーフレジデントが許容する範囲で、チーフレジデントによってみんなに配布されることもありましたが、現在、米国ではそのようなことも禁止することが勧告されているそうです。

帰国してから、米国での製薬会社との関係と日本でのそれとが大きく異なることを肌で感じ、かなり違和感を覚えていたのを記憶しています。

日本での適切な関係を、上記の連載などをきっかけにみんなで考えていくべき時期なのではないか、と私も連載中の提言に賛同しています。