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Opened Zipper

リタイア後の父の趣味

2005-11-06 11:37:15 | Opened Zipper
1ヶ月程前に自分の父親は70歳になりました。
古希やんねー、コキ。(カタカナで書くと変だな)

父の仕事は大工だったんですが、60歳過ぎに退職して、今は年金生活。
リタイア後はしばらく場所を借りて、野菜作りに専念してました。
父の実家は農家だったので、子供の頃から色々作るのを手伝っていたそうです。
以前は家の庭でも色々な野菜を植えてましたが、増築したりしてスペースが狭くなったので、家の庭ではもうやってません。
それで、ずっと場所を借りて、玉葱や大根、人参、ジャガイモ、サツマイモ、白菜、キャベツ、ナス、キュウリ、スイカ…などなど、たくさん作ってました。
毎年、収穫された野菜をたくさんくれるので非常に助かってたんですが、どうも面倒になってきたので今年いっぱいで野菜作りはやめるそうです。

代わりに本格的にやり始めたのが釣り。
釣りも好きだったようで、子供の頃に父に連れられて川へ釣りに行った記憶があります。
以前、父の誕生日に釣竿をプレゼントしたこともありますが、その竿を使い始めたのがきっかけで、釣りにずっぽりハマったようです。
母に聞いたところ、最近は夜中や早朝に釣りに行っているようで、日中は寝不足でうたたねの日々のようです。
釣りは埠頭へ行っているそうで、アジとか太刀魚とか色々釣ってきてはおすそ分けしてくれます。
野菜も嬉しかったけど、魚も助かるんですよね、息子タイトもよく食べるし。
更にハラワタやウロコを取ってくれてたり、あとは揚げるだけでアジフライになる状態に下ごしらえしてくれたものを冷凍してくれてたりと、至れり尽くせり。

そんな釣りバカになってしまった父なんですが、最近日中は読書にハマっているそうです。
自分が読んできた本は捨てずに実家においてあるのですが、かつて姉の部屋だったところに本棚を並べ、そこにぎっしりと本を詰め込んでいます。(ウチでは図書室と呼称)
今までは姉や姪っ子達が遊びに来たときにそこから読みたい本を持っていったりしていたんですが、最近になって父も本を読み始めたそうです。
母によると一日中読んでいるのだとか。
父は「面白い本がいーっぱいあるもんでな」と言ってます。

いったい父はどんな本を読んでるんだろう? と疑問に思いました。
自分が買ってた本はSFやミステリーに偏りまくってるんで、父の趣味に合う本があるのが不思議でした。
なんとなく聞きそびれていたんですが、先日その図書室へ行ってみたところ、読みかけで開いている本がありました。
コレが父が読んでいる本なんだなーと思って見てみると、夢枕獏の「新・魔獣狩り8」でした。
うーん、夢枕獏だったかー。

もっとスタンダードな路線で大沢在昌あたりかなーと予想してたんだけど、エロスでヴァイオレンスでオカルトなSFアクション系だったとは。
もちろん自分自身も夢枕獏の大ファンだから本を買ってる訳なんですが、70歳になった父親が読んでると思うと、ちょっと何だろうなこの釈然としない気持ちは。
しかし70歳の年寄りまで虜にしてしまうとは、恐るべし夢枕獏。
自分的には夢枕獏はその中でも異質な山岳小説「神々の山嶺(いただき)」がとても良かったんで、今度父にアレを薦めてみようかな。