OZ.

Opened Zipper

家の中に誰かがいる

2005-05-16 23:53:13 | Opened Zipper
2歳の息子を寝かしつけた妻は、自分も眠りに就こうとしていた。
しかし眠りが浅い妻は、息子が少し寝返りを打つだけで目が覚め、なかなか寝つけない。
22時40分。
そろそろ残業していた夫が帰る時間だった。

枕元に置いていたマナーモードの携帯電話が振動し始めた。
メールか、いや電話だ。
夫からだろうか。
発信者を確認すると「自宅」と表示されていた。

自宅?
発信は自宅のIP電話からと表示されているが、その電話機は寝室である和室の隣のリビングに置かれている。
そして子機はダイニング側に置いている。

家の中に誰かが居る!?
携帯電話の呼び出しは続いている。
妻は恐る恐る電話に出た。
「…もしもし?」



自分はほとんどの場合、通勤時は手ぶらです。
以前はノートPCを入れたバッグを持って通勤していましたが、個人のマシンを仕事で使うのをやめたので、バッグを持つ理由が無くなってしまいました。
たまに手持ち無沙汰のときに空のバッグを持っていってみたり、昼休みの読書タイム用の文庫本を詰めていったり、BROOK'Sのドリップバッグの在庫補充のために運搬するとか、そんな程度。

今日は文庫本を持っていくためにバッグを持っていきました。
しかし22時残業を終えて退社するころにはバッグの存在のことはすっかり忘れ去り、手ぶらで帰ってきました。
マンション入口に着いて鍵でオートロックを開けようとスーツのポケットに手を入れます。
無い?
いつもスーツのポケットに入れている鍵が無い。
よく考えたら、今朝バッグのポケットに入れて家を出たんでした。
しまったよ、会社に鍵忘れてきたよ。

入口の方は暗証番号をプッシュすれば入れるので大丈夫でしたが、問題は自室のドア。
しかし門扉が手前にあるせいか、たまに嫁さんがドアの鍵を(無用心にも)ロックし忘れてることがあるので、万が一の可能性に期待してドアノブを掴んで引いてみました。
ガチッ。
閉まってます。
保安上は大変良いことですが、さあ困った。
ここで玄関のチャイムを鳴らすと息子が起きてしまい、夜泣きモードに突入してしまうかも知れません。
それはツライ。
嫁さんのケータイへ電話してみることにしました。

かけようとしてPHSを開くと、ホームステーションモードになっています。
PHSは出自がデジタルコードレスフォンの子機なので、自宅のIP電話や会社の内線電話に対応する親機や接続装置と使って、PHSを子機登録しています。
PHSはデュアルモードに設定しているので、通常は公衆モードのみですが、近くに親機があって子機として使えるときはホームステーションモードも有効になるのです。

ちょうど自室の玄関ドアの前に立っていたので、リビングにあるIP電話のコードレス子機として使える状態でした。
PHSからケータイへかけるよりは、IP電話からケータイへかける方が安かったはず、と思ってそのままホームステーションモードでコール。
そんな訳で、ちょっと嫁さんをビビらせる呼び出しになってしまったのでした。