中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

パワハラ防止法”施行

2020年06月02日 | 情報

2020年6月1日、“パワハラ防止法”施行

2018年に制定された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の
充実等に関する法律」(略称:労働施策総合推進法)が改正され、
“パワハラ防止法”としての役割も持つことになりました。
ただし、中小事業主は、2022年(令和4年)4月1日から義務化されます。
それまでは、努力義務ですが、早めの対応を検討してください。

職場における「パワーハラスメント」とは、職場において行われる
1.優越的な関係を背景とした言動であって、
2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
3.労働者の就業環境が害されるものであり、
1.~3.までの要素を全て満たすものをいいます。

ただし、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる
適正な業務指示や指導は該当しないこととされています。

また、パワハラの典型的な例として、6つの類型も示されています。
1.身体的な攻撃(暴行・傷害など)
2.精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言など)
3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視など)
4.過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害など)
5.過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや
仕事を与えないことなど)
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ることなど)

この法律には罰則規定が設けられていませんが、労働局の指導や勧告で是正されないときには、
企業名を公表できる仕組みになっています。ご注意ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000527867.pdf

パワーハラスメント対策が事業主の義務となります!厚労省HP

https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000547563.pdf

ハラスメント防止対策に関する参考資料
令和元年9月18日 厚労省雇用環境・均等局

https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/

あかるい職場応援団 厚労省ハラスメント対策サイト

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さい喜びをシャワーのように浴びるのがよい

2020年06月01日 | 情報

認知療法の日本における第一人者である、大野先生によるカウンセリングです。

こころの健康学小さい喜び 何ができるか  
2020/5/18日本経済新聞 

先週、緊急事態宣言の解除が始まった。だがその前に延長が発表されたときに公園や図書館、
博物館等は制限を緩和する方向だと聞いて少しホッとした。
4月に宣言が出されたころに、公園の遊具にテープを巻いている職員に対して、
子どもが不満を口にしているテレビのニュースを見て複雑な気持ちになったからだ。

感染を防ぎたい職員の気持ちも、遊びたい子どもの気持ちもわかる。
制限緩和は、問題は公園で遊ぶことではなく、
接近や接触に気をつけることが大事だというメッセージだと思った。

子どもに限らず、大人でも、やりがいや楽しみを感じられる体験が減ると、こころの元気が失われてくる。
気力や意欲は、脳の報酬系と呼ばれる神経系が刺激されて生まれてくる。
「やってよかった」「楽しかった」と思うから、またやってみたいという気持ちになるのだ。
うつ病の治療でも、やりがいや楽しみを感じられる活動を無理なく増やしていくことで
こころが元気になることがわかっている。

ある看護師が、「小さい喜びをシャワーのように浴びるのがよい」と説明していたが、まさにその通りだ。
日ごろ体験しないような特別な喜びである必要はない。
家のなかでの家族との会話でも、親しい人とのソーシャルメディアを通した交流でもよい。

きちんと感染対策をとったうえで、外に出て日の光を浴びながら歩くのもよいだろう。
公園や美術館で楽しい時間を過ごしてもこころは元気になる。
何をしてはいけないかではなく、何が安全にできるかを考えていくことが大切だ。

認知行動療法研修開発センター 大野裕氏

1950年、愛媛県生まれ。1978年、慶應義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。その後、コーネル大学医学部、ペンシルバニア大学医学部への留学を経て、慶應義塾大学教授(保健管理センター)を務めた後、2011年6月より、独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任、現在顧問。現在、一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。
近年、精神医療の現場で注目されている認知療法の日本における第一人者で、国際的な学術団体Academy of Cognititive Therapyの設立フェローで公認スーパーバイザーであり、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、日本ストレス学会理事長、日本ポジティブサイコロジー医学会理事長など、諸学会の要職を務める。
https://www.cbtjp.net/profile/

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする