安衛法改正に伴うストレスチェック制度導入に関わる情報です。
小生が関与する企業・事業所はほんの僅かですから、全体の動向はなかなかつかめないのが現状ですが、
こうした限られた情報から確実に予測できることを、当ブログで発信してきました。
今後も継続して情報発信して参ります。
さて、あるコンサル企業が、中堅・中小企業の動向をリポートしていましたので紹介します。
このリポートから要点のみを抜き出してみると、「中堅・中小企業の判断は賢明」と指摘することができます。
http://japan.zdnet.com/release/30097577/
株式会社ノークリサーチ 2015年03月31日公表
(要旨)
「特に従業員数100~300人においては 「制度対応の基本方針は既存の社労士/会計士/税理士/中小企業診断士の助言に従う」の
回答割合が他の選択肢と比べて相対的に高い。
したがって、これらの企業層にアプローチする際はセミナー講演やコンテンツ提供などにおいて、
社労士/会計士/税理士/中小企業診断士といったいわゆる「士業」と協業体制を敷くことを検討する価値がある。」
つまり、中堅・中小企業が、自ら保有する経営資源から判断すると、低コストで確実に法令遵守するには、
「制度対応の基本方針は既存の社労士/会計士/税理士/中小企業診断士の助言に従う」と判断しているということです。
新たな外部機関に頼るのではなく、現在契約していて、企業情報に精通している士業の先生を利用すればよいのだ、と考えているのです。
これは、小生がセミナーや個別のコンサルで主張している考え方と共通しています。
小生の考えが間違っていないのだという証左でもあります。
中堅・中小企業の論点は、「ストレスチェックをすると、会社は儲かるのか?」という一点に集約することができます。
(参考)
2014年11月27日 第4回ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会 議事録より
○羽鳥委員 産業医をやっていらっしゃる何人かの先生に聴いたのですが、
多分、今、これを始めると、身体医学の産業医にとっては、慣れるまで数年間は業務内容が 2 倍から 3 倍になるだろうと想定されていて、
もし外部委託しないとしたらそうなってしまうと思いますし、外部委託しても 2 倍ぐらいの業務内容だと思います。
その費用負担というかコストの負担について、産業医が事業主に値上げを求めていいのでしょうか。
どういうふうに交渉したらいいのでしょうか。
仕事の内容で行く回数も増やさなければいけないでしょうし、そういうことを厚生労働省として担保してくださるのでしょうか。
○労働衛生課長 個々の産業医と会社の契約は民民の話ですので、行政から何か言う話ではないと思っています。
かかった時間に応じて支払われているケースが多いと伺っています。
それから今回、先ほどもちょっと申しましたけれども、なるべく簡便に実施することもできるように調査票はすぐ使えるものを用意するとか、
簡易な集計ソフトを用意するということで、なるべく導入に関しての手間を減らすこともできるように工夫していきたいと思っています。
○羽鳥委員 例えば外部委託したら年間に 100 万円かかる所もあるわけです。
そうしたときに、その 100 万円分を産業医 1 人でやったとしたら、それぐらいはもらえるかどうか交渉してもいいということですね。
○渡辺委員 私も前回、似たようなことで、これは産業医の仕事が非常に増えてしまうし、
それなりの費用がかかることを、産業医も企業も覚悟しなければいけないという話をしました。
ただ、言いたかったのは、ここは一次予防のところですから、ここにお金をかければ病気になる人が減るとか、
あるいは企業の生産性向上にもつながるということで、最終的には企業の利益につながるものだろうと思っています。
そういった意味で言うと、最初のお金はコストというより投資と考えていただくほうが、いいのではないかと思っています。
○相澤座長 その辺、説得していただいて。
○岩崎委員 その辺は、この制度を実際にそれだけの価値あるものに育てなければいけないわけですけれども、
それが本当にどうかは、やってみなければ分からない部分もないわけではありませんので、
そういう形で労使双方と産業医が納得できる形が望ましいと思いますから、投資する価値がある制度にすることが重要です。