中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

黄金週間は休載します

2015年04月28日 | 情報
不具合による休載に続き、恒例により明29日(水)から、6日(水)まで休載します。
申し訳ありませんが、予定がありますので、再開は、7日(木)です。よろしくお願いします。
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中堅・中小企業の判断は賢明です

2015年04月28日 | 情報
安衛法改正に伴うストレスチェック制度導入に関わる情報です。

小生が関与する企業・事業所はほんの僅かですから、全体の動向はなかなかつかめないのが現状ですが、
こうした限られた情報から確実に予測できることを、当ブログで発信してきました。
今後も継続して情報発信して参ります。

さて、あるコンサル企業が、中堅・中小企業の動向をリポートしていましたので紹介します。
このリポートから要点のみを抜き出してみると、「中堅・中小企業の判断は賢明」と指摘することができます。

http://japan.zdnet.com/release/30097577/
株式会社ノークリサーチ 2015年03月31日公表

(要旨)
「特に従業員数100~300人においては 「制度対応の基本方針は既存の社労士/会計士/税理士/中小企業診断士の助言に従う」の
回答割合が他の選択肢と比べて相対的に高い。
したがって、これらの企業層にアプローチする際はセミナー講演やコンテンツ提供などにおいて、
社労士/会計士/税理士/中小企業診断士といったいわゆる「士業」と協業体制を敷くことを検討する価値がある。」

つまり、中堅・中小企業が、自ら保有する経営資源から判断すると、低コストで確実に法令遵守するには、
「制度対応の基本方針は既存の社労士/会計士/税理士/中小企業診断士の助言に従う」と判断しているということです。
新たな外部機関に頼るのではなく、現在契約していて、企業情報に精通している士業の先生を利用すればよいのだ、と考えているのです。
これは、小生がセミナーや個別のコンサルで主張している考え方と共通しています。
小生の考えが間違っていないのだという証左でもあります。

中堅・中小企業の論点は、「ストレスチェックをすると、会社は儲かるのか?」という一点に集約することができます。
(参考)
2014年11月27日 第4回ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会 議事録より

○羽鳥委員 産業医をやっていらっしゃる何人かの先生に聴いたのですが、
多分、今、これを始めると、身体医学の産業医にとっては、慣れるまで数年間は業務内容が 2 倍から 3 倍になるだろうと想定されていて、
もし外部委託しないとしたらそうなってしまうと思いますし、外部委託しても 2 倍ぐらいの業務内容だと思います。
その費用負担というかコストの負担について、産業医が事業主に値上げを求めていいのでしょうか。
どういうふうに交渉したらいいのでしょうか。
仕事の内容で行く回数も増やさなければいけないでしょうし、そういうことを厚生労働省として担保してくださるのでしょうか。
○労働衛生課長 個々の産業医と会社の契約は民民の話ですので、行政から何か言う話ではないと思っています。
かかった時間に応じて支払われているケースが多いと伺っています。
それから今回、先ほどもちょっと申しましたけれども、なるべく簡便に実施することもできるように調査票はすぐ使えるものを用意するとか、
簡易な集計ソフトを用意するということで、なるべく導入に関しての手間を減らすこともできるように工夫していきたいと思っています。
○羽鳥委員 例えば外部委託したら年間に 100 万円かかる所もあるわけです。
そうしたときに、その 100 万円分を産業医 1 人でやったとしたら、それぐらいはもらえるかどうか交渉してもいいということですね。
○渡辺委員 私も前回、似たようなことで、これは産業医の仕事が非常に増えてしまうし、
それなりの費用がかかることを、産業医も企業も覚悟しなければいけないという話をしました。
ただ、言いたかったのは、ここは一次予防のところですから、ここにお金をかければ病気になる人が減るとか、
あるいは企業の生産性向上にもつながるということで、最終的には企業の利益につながるものだろうと思っています。
そういった意味で言うと、最初のお金はコストというより投資と考えていただくほうが、いいのではないかと思っています。
○相澤座長 その辺、説得していただいて。
○岩崎委員 その辺は、この制度を実際にそれだけの価値あるものに育てなければいけないわけですけれども、
それが本当にどうかは、やってみなければ分からない部分もないわけではありませんので、
そういう形で労使双方と産業医が納得できる形が望ましいと思いますから、投資する価値がある制度にすることが重要です。
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日本精神科産業医協会の設立

2015年04月27日 | 情報
日本の代表的な精神科領域の研究者、精神科専門医が参加しています。今後の活動に注目しましょう。

活動方針として、
①協会として精神科産業医の紹介など企業のメンタルヘルス体制作りを支援する。
②全国的な精神科産業医の体制つくりを希望する企業においては、
協会として各地域における精神科産業医の紹介など企業の全国的なメンタルヘルス体制つくりを支援する。
③診察、面接等の必要が生じた場合には、当協会所属の認定精神科産業医が協力をする。
が掲げられています。

http://www.jaohp.or.jp/%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e4%b8%bb%e6%97%a8%e3%81%a8%e6%b4%bb%e5%8b%95%e6%96%b9%e9%87%9d協会HPより

職場におけるメンタルヘルスの重要性の高まりや、労働安全衛生法改正による2015年12月からの「ストレスチェック制度」義務化を受け、
国内の代表的な精神科医が結集し、このたび『一般社団法人日本精神科産業医協会』を設立されました。
当協会の活動は公益社団法人日本医師会も賛同し、同会副会長である今村 聡先生(産業保健担当)の理事就任も決定。
2015年4月5日(日)には、東京 品川にて、設立総会を開催しました。

ご挨拶
職場におけるメンタルヘルスの重要性は非常に高まっております。労働者一人ひとりが活き活きと働ける職場つくりが何よりも重要と考えます。
また、労働安全衛生法の改正により、平成27年からはストレスチェック制度が実施されることもあり、
企業様においても精神科医へのニーズがいっそう高まっております。
良識のある企業様からは、「産業メンタルヘルスに見識のある精神科医を探そうと思うが
どこへ声をかけていいか分からない」という声もよく聞かれます。
今こそ精神科医が職場において、労働者のメンタルヘルスに積極的に関わり、労働者一人一人が職場で良い適応を果たし、
同時に企業様においても業績の向上につながるべく機能を果たすことが求められていると考えます。
職場において産業医としての機能を果たす精神科医を「精神科産業医」として位置づけ、
その概念を確立し、社会に示すと同時に社会に役立つ存在として成長させることが重要であると考えます。
このような状況に鑑み、平成26年12月1日「一般社団法人日本精神科産業医協会」を設立いたしました。
一般社団法人日本精神科産業医協会
代表理事 黒木 宣夫
代表理事 渡辺洋一郎

■設立主旨

企業における長期休職者の約7割がメンタルヘルス不調者であり、また職場で強いストレスを感じている労働者も6割に及ぶと報告されている。
さらに、精神疾患の労災認定の請求件数、認定件数とも非常な増加を示している。
このような状況もあり、国は労働安全衛生法を改正しストレスチェック制度を義務化した。
平成27年12月からは従業員が50人を超えるすべての事業所においてストレスチェック制度が義務化される。
この制度は、労働者のメンタルヘルスの予防と職場環境改善、ひいては企業の業績向上までつながる世界に類をみない法制度である。
しかしながら、この制度の有効な活用のためには職場のメンタルヘルスに関する専門的な見識とスキルが必要とされる。
企業からは、「メンタルヘルスを担当してもらえる精神科医を探そうと思うがどこへ声をかけていいか分からない」という声もよく聞かれる。
職場のメンタルヘルスにおいて精神科医に求められる役割は、労働者のメンタルヘルスに積極的に関わり、
労働者一人一人が職場で良い適応を果たすよう支援すると同時に、
人事、管理職、産業保健スタッフ等それぞれの立場の人たちに必要な支援を提供し、
企業の職場環境の改善、結果として業績向上につながるような支援を果たすことと考える。
これは精神科医としての専門性に加え、企業の産業医としての機能を果たすことである。
この分野にはこれまで精神科医があまり関与していない。
しかし、今般、ストレスチェック制度の義務化を機に、企業では職場のメンタルヘルスへの関心が高まり、
産業医として機能できる精神科医が求められているのである。
職場において産業医としての機能を果たす精神科医を「精神科産業医」として位置づけ、
その概念を確立し社会に示すと同時に、労働者、企業、社会に役立つ存在として成長させることが重要であると考え、
平成26年12月1日これまでこの分野で活動してきた精神科医が結集し「一般社団法人日本精神科産業医協会」を設立した。

■活動方針
・精神科産業医としての技量と経験をそなえた精神科医を認定会員として認定し、そのリストを企業、社会に公表する。
・精神科産業医のニーズがある企業においては、賛助会員として入会していただき、下記のサービスを提供する。
①協会として精神科産業医の紹介など企業のメンタルヘルス体制作りを支援する。
②全国的な精神科産業医の体制つくりを希望する企業においては、
協会として各地域における精神科産業医の紹介など企業の全国的なメンタルヘルス体制つくりを支援する。
③診察、面接等の必要が生じた場合には、当協会所属の認定精神科産業医が協力をする。
④賛助会員限定の職場メンタルヘルス研修会、懇親会を開催する。
・在野の産業医、産業保健専門職の方々と協力、連携して、本領域の問題解決に積極的に取り組んでいく。
・会員間においては、労働者、企業それぞれに有効な活動を提供するための知識とスキルの研修、研鑽に励む。
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心の兆候知り、発症前に対策

2015年04月26日 | 情報
ストレスチェック制度を紹介する日経の記事です。

心の兆候知り、発症前に対策
社員のストレスチェック
2015/4/12日経

12月から、社員に仕事でどのくらい精神的負担がかかっているかを確かめるストレスチェックが従業員50人以上の事業所に義務付けられる。
職場でのストレスから健康を損ねる社員が増えていることなどが背景にあるが、
社員としてはどのような検査を受けて判定されるのかなど不安も多いはず。心の健康を保つために、どのように活用したらいいだろう。

医師が企業に助言
実施が義務付けられるストレスチェックは、企業の健康診断のときなどにチェックシートで受けることになる。
「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「最近1カ月は元気いっぱいだ」「上司とは気軽に話ができる」などの質問に
「はい」「ちがう」など4段階に区切られた回答を選択。
一定の点数以上だとストレスの高い状態だと判定され、産業医などとの面接を勧められる。
医師は面接の後に社員と企業にストレスを減らすように助言。企業は助言に従って負担軽減などの措置をとる。
厚生労働省産業保健支援室の中村宇一室長補佐は「うつ病などになる前段階でストレス度合いを把握しようというのがストレスチェック」と
狙いを説明する。

厚労省はストレスチェックのために57項目の質問でできた調査票を作成し、
これまでに約20万人分のデータを蓄積。質問に回答すると自動的に点数を計算してリスクの度合いを示すソフトを
ホームページで公開する準備も進めている。
ただ、ストレスチェックを受けたからといって、すぐにその結果が勤務時間の短縮など職場での処遇などに反映されるわけではない。
健康診断と違って、チェックの結果は企業ではなくチェックを実施した医師や検査機関が保管する。
またストレスが高いと診断されて医師と面接した場合も、医師が企業に業務の軽減などの意見を出す場合は、本人の同意が必要だ。
ストレスチェックの義務化は2014年6月に公布された労働安全衛生法の改正に盛り込まれた。
従業員50人以上が対象となるのは、産業医が必要な事業所の規模と合わせたためだ。

以前から厚労省は企業にストレスチェックなどの対策の実施を奨励してきた。
しかし導入が進まない一方で、職場でのストレスが原因となる労働災害の申請や認定、さらに自殺者が増えてきた。
厚労省の統計によると仕事のストレスなどからうつ病など精神障害を起こしたと労災を申請した件数は、2009年度に1千件を超え、
13年度は1409件で過去最高。実際に認定された数も13年度で436件に達している。
「自動車のように積極的に取り組んでいる業界もあるがごく一部。すでに導入している企業は15%程度しかない」と中村室長補佐は説明する。
世界的に見ると日本では仕事でうつ病になる従業員はさほど多くはない。一方で一度うつ病になった時の影響は大きい。
デンマークの製薬会社、ルンドベック社が日米など世界16カ国で行った「職場でのうつ病に関する意識調査」によると、
日本ではうつ病を経験した従業員は10%。最も多い英国の27%や、米国の23%に比べると少ない。
日本の調査を担当した国際医療福祉大学の上島国利教授は「医師がはっきり病名を告げず、患者も迫らないので、
うつ病の経験者の割合が実際より少なくなっているのではないか」と懸念する。

サポートが手薄
一方で、うつ病と診断された従業員の73%が休職し、調査した国で最も多い。
休職日数も21日以上が30%で最も多く、平均79日と長くなりがちだ。米国は休職する従業員は41%で、最も少ないトルコは28%にとどまる。
復帰しても職場でのサポートが手薄なことも、休職が長くなる背景にあるようだ。
会社がうつ病になった従業員に対して行っているサポートが十分かを管理職に尋ねた質問では、
「非常に良い」とする回答は4%で最も少なく、「よい」と合わせても21%にとどまる。
日本の次に少ない韓国でも「非常に良い」と「よい」を合わせて47%あり、日本はこの半分にも届かない。
労働安全衛生法の改正ではストレスチェックの義務化にともない、職場全体のストレス状態のチェックも行うように求めている。
職場全体のストレスが高ければ、業務の見直しなど職場環境の改善が必要と考えられるからだ。
ストレスチェックの結果に一喜一憂するのではなく、積極的に自分自身の働き方や職場環境の改善に役立てたい。
(小玉祥司)
《本》
◆職場でのメンタルヘルス対策を紹介
「ハンドブック 働くもののメンタルヘルス」(働くもののいのちと健康を守る全国センター編、旬報社)
《ホームページ》
◆ストレスチェック義務化の内容を紹介
厚生労働省「ストレスチェック制度」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/
roudoukijun/anzeneisei12/kouhousanpo/)
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お詫び

2015年04月25日 | 情報
当ブログを閲覧いただいているみなさまへ

お世話になります
22日の出張から帰宅しましたら、何とパソコンが「壊れて」しまいました
データ類は何とかバックアップできましたが、今度はインターネット環境が完全に壊れてしまいました
ルーターの初期設定からの再スタートでした
プロバイダーとNTT東日本のアドバイスにより、漸く本日25日の11時に復旧しました
お陰でメールが130通以上、溜まってしまいました
しかも、初期設定中は、メールの受信すらできない状況でしたので、
電話で数件のクレーム、問い合わせをいただきました
弊事務所には、システム担当がいません、お陰でたくさんのことを学びました

本日より、ブログを再開します
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