中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

29.30日は休載します

2022年09月28日 | 情報

29.30日は出張しますので、当ブログを休載します。
再開は、10月3日(月)です。
よろしくお願いします。

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究極のメンタルヘルス対策か?

2022年09月28日 | 情報

小職の私見です。
社会が豊かになり、多くを求めなければ衣食住に不足はない時代になりました。
さらに、人手不足により、多くを求めなければ就労や転職も容易な時代です。
一度限りの人生ですから、ストレス、競争、ハラスメントに塗れながらの日常を拒否したい心理はよく理解できます。
一方で、報道にもあるように、三分の一は「エンゲージメント(会社への帰属意識)が高く、
仕事にも熱意のある会社員」ですから、経営のかじ取りはますます難しくなっています。

 

米で広がる「静かな退職」 労働者の半数、熱意低く
2022年9月8日 日経

【ニューヨーク=佐藤璃子】米国で「静かな退職(Quiet quitting)」と呼ばれる考え方が広がっている。
実際に仕事を辞めるわけではなく、必要最低限の業務はこなすものの、仕事への熱意が低く会社への帰属意識も薄い会社員を指す。
米調査会社ギャラップが6日公表した調査によると、こうした従業員の割合が半数以上を占めた。
在宅勤務の広がりで、会社とのつながりが薄くなったことが背景にある。

6月に約1万5000人の米会社員を対象に調べた。「エンゲージメント(会社への帰属意識)」が高く、
仕事にも熱意のある会社員の割合は32%と、2021年の調査(34%)より低下し、7年ぶりの低水準となった。
一方で会社への不満を強く持つ人も18%と、前年比で2ポイント増加した。
こういう層は動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)などで仕事に対する不満を発信する傾向を持つ。

ギャラップは残りの半数を「静かな退職者」とみなした。相対的に熱意も不満も乏しい冷めた層を指し、
専門家の間で現象の広がりを懸念する声が相次いでいる。とりわけ35歳以下の若手社員の間で、帰属意識の落ち込みが目立った。


「静かな退職」やリモートワークの増加で米国の小売業で人手不足
9/3(土)  Forbes JAPAN

小売業は他の多くの産業に比べて、すでに高い離職率に悩まされている。人手不足と既存従業員からの要求の増大で、雇用が厳しくなる感謝祭から年始にかけてのホリデーシーズンに向けて小売業界はストレスを感じている。求職者の多くはリモートワーク、高い給与、多くの福利厚生を求めるため、求人応募は依然として多いものの、実店舗での小売業の求人は厳しい。「静かな退職」の台頭は既存従業員のエンゲージメント度合いに影響を与えそうだ。

・新しい仕事を求める米国成人

米求人サイト「キャリアビルダー」の2022年調査データによると、米国の被雇用者の10人に7人が現在職探しをしており、62%がまったく新しい業界・分野への転職に興味を示している。仕事を抱えながら職探しをしている人の多くは、軽い気持ちで仕事を探したり、募集中の職種について採用担当者と話をするよう誘われたりして受動的に求職活動をしている。

全米小売業協会(NRF)は、今年の小売売上高が前年比で6~8%成長すると予測しており、データによると今年上半期の小売売上高は前年比7%増だった。ホリデー商戦は多くの小売業者にとって重要な時期であり、売上計画を達成するために9月には雇用計画を立てる。しかし、労働者の仕事に対する姿勢は変化しており、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来、雇用主に対するコミットメントが薄れているため、小売業者が店舗で労働者を雇用し、維持するのは困難な状況となっている。

・店舗従業員にリモートワークという選択肢はない

小売業界の労働者にとってさらなるジレンマとなっているのは、パンデミック以降、多くの従業員がリモートワークを希望していることだ。リモートワークは小売販売の85%が取引される実店舗の小売環境には適さない。キャリアビルダーの最高マーケティング責任者のクリスティン・ケリーは「新型コロナとパンデミックはまったく新しい働き方をもたらし、それは今後も変わることはない。人々は通勤時間の短縮と在宅勤務に価値を見出している」とインタビューで話した。多くの企業はリモートワーク導入で世界中の優秀な応募者を採用できるようになるが、これは実店舗での労働環境では機能しない。

小売業の雇用は7月に2万2000人増加し、今年の第4四半期(10~12月)も大幅に増加すると予想されている。ほとんどの小売業者はホリデー商戦時期の雇用計画をまとめ、早ければ9月にはそのプロセスを開始する。小売業界は昨年、ホリデーシーズンに向けて50万~66万5000人を雇用する計画だった。今年の小売業の売上高は前年比6~8%増と予測されており、ホリデーシーズンの求人数は増加する見込みだ。ケリーは「あらゆる業界の雇用主が人材を確保しようとするため、ホリデーシーズンを前に非常に活発な雇用情勢が予想される。小売店ではレジ係、荷物の仕分けや発送を行う倉庫労働者、次々と入るオンライン注文の配送を行う輸送労働者など、さまざまな労働者が必要になる」と指摘した。

・「静かな退職」が増えている

労働者が仕事と距離を置く最近の形態は「静かな退職」と呼ばれている。これは実際に仕事を辞めることではないが、雇用主が放置しておくと従業員が実際に辞めてしまう可能性がある。静かな退職とは、仕事の目的を達成するために最低限の仕事しかしないことだと考える人もいる。一方で、健康的なライフワークバランスを保つために、雇用主や上司との間に厳格な境界線を設けることと考える人もいる。小売店で働く人にとって、決められた時間だけ働くなど、すべきこと以外のことはしないことを意味する場合もある。

しかし実店舗で顧客と接する小売労働者は、このような境界線を設けると機転をきかせて顧客関係の問題を解決したり、意思決定の際に権限を発揮したり、率直にいうと昇進したりする能力が制限される可能性がある。小売業では、顧客と接する労働者を管理職にすることで、期待を上回る以上の仕事をこなす人を評価して報酬を与えてきた。

とはいえ、従業員と雇用者の双方が期待するものが明確である限り、従業員が現在の仕事に留まることを望むことにまったく問題はない。燃え尽きてしまい、ストレスの多い職場環境に対処するために静かな退職をする労働者の場合、雇用主がより良い労働条件を促進・整備して困難な職場環境の問題を進んでみつけて対処しようとしない限り、結局は仕事を辞めることになるかもしれない。

ケリーは「静かな退職」の定義が若干異なる可能性があると述べ、仕事の量が減っていることを意味するが、ワークライフバランスの境界線を設定することで結果的にそうなる可能性があるとも指摘した。「労働者は1日の中で仕事の効率を上げ、仕事のストレスやプレッシャーから解放されるための時間を見つけることで一歩引いている」と話す。雇用主にとって「静かな退職」は従業員の士気を高めるためにヨガ時間やコーヒータイムなど、職場の風通しを良くする機会となる、とケリーは考える。

成功している一部の大手小売企業では、高いモチベーションを持ち、仕事に熱心な従業員が顧客満足とサービスのために自分の職務以上の取り組みをすることで、すでに強固なサービス文化に拍車をかけている。米百貨店チェーンのノードストロームや小売チェーンのコンテナ・ストアは従業員の離職率が低いことで知られ、顧客の信頼感を高めるサービス文化が確立されている。家電量販店のベスト・バイは最近、顧客の商品選びを一層サポートするために、技術的な支援を提供し知識豊富なスタッフを配置していることが評価されている。

・サービス格差があるホリデーシーズン

小売企業は店舗にホリデー商戦のスタッフを置く計画を具体的に検討しているが、学習意欲が高く、職務内容以上のことを喜んで手助けをしてくれるホリデー商戦スタッフを配置するのは難しそうだ。従業員の仕事に対する意識に影響を与える要因を考えると、優れた顧客サービスを誇る店舗はロイヤリティを高めるサービス文化を継続することが難しくなるかもしれない。

労働市場の逼迫と労働者の意識の変化により、小売業者のホリデーシーズンの雇用は難しくなり、販売のピーク時に業界全体でサービスの格差が生じる可能性がある。

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八十時間を超えておらず

2022年09月27日 | 情報

いつものことですが、精神障害の労災認定のハードルは、他の労災事案と比較して極めて高いと感じています。
ただし、月80時間までは残業させてよいという「お墨付き」ではありませんので、念のため。

精神障害の労災認定
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120215-01.pdf


十六銀自殺、二審も棄却 労災認めず
2022年9月15日 中日新聞

二〇一一年に十六銀行(岐阜市)に入行し、八カ月後に自殺した男性=当時(25)=の遺族が、自殺は過重な業務や上司のパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決が十四日、名古屋高裁であった。永野圧彦裁判長は、訴えを退けた一審名古屋地裁判決を支持し、遺族側の控訴を棄却した。

 永野裁判長は判決理由で、一審同様に「一一年八月末ごろに軽症のうつ病を発病した」と認定。しかし、その後も同僚らとカラオケに行ったり、資格試験を受けたりしていたことから、「自殺までに精神障害を悪化させた状況は認められない」と指摘した。

 遺族側が「休日も自宅で学習や研修に追われるなど仕事量の増大による心理的負荷は強かった」と主張したのに対し、永野裁判長は「月の時間外労働は八十時間を超えておらず、自殺が業務に起因すると認めることはできない」と判断。パワハラも認めなかった。

 判決後に名古屋市内で記者会見した男性の父親は「医学的な論争に終始し、自殺に追い込まれる状況に触れられなかった。整理がまだつかない」と語った。

 

過労自殺、遺族補償認めず 十六銀行員、名古屋地裁
共同 

2011年に十六銀行(岐阜市)に就職した20代男性がうつ病を発症し自殺したのは、過重な労働と上司のパワハラが原因として、遺族が、遺族補償を不支給とした岐阜労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は19日、「発症と業務に因果関係は認められない」として請求を棄却した。

 井上泰人裁判長は判決理由で、男性がひどく怒られた場面を同僚が見たことがないと指摘。上司について「パワハラと評価すべき接し方だったとは認められない」と述べた。

 資格試験の勉強時間も業務に含まれ過重だったとの遺族側主張も「銀行から具体的な指示はなかった」などと退けた。

 判決などによると、男性は11年4月に入行し、岐阜市内の支店に配属され同年12月に自宅で自殺。遺族が岐阜労働基準監督署に労災保険法に基づく遺族補償を求めたが認められず、不服の審査請求も退けられた。

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10月は「年次有給休暇取得促進期間」です

2022年09月26日 | 情報

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06788.html

令和元年9月18日(水)【照会先】雇用環境・均等局職業生活両立課

~ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて年次有給休暇の取得を促進~

厚生労働省では、年次有給休暇(以下「年休」)を取得しやすい環境整備を推進するため、次年度の年休の計画的付与※について労使で話し合いを始める前の10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報活動を行っていきます。

年休については、ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議で策定された「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、2020年(令和2年)までに、その取得率を70%とすることが目標として掲げられています。しかし、2017年(平成29年)に51.1%と18年ぶりに5割を超えたものの、依然として政府が目標とする70%とは大きな乖離があります。

このような中、労働基準法が改正され、今年4月から、使用者は、法定の年休付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日間、年休を確実に取得させることが必要となりました。年休の計画的付与制度を導入することは、年休の取得を推進するとともに、労働基準法を遵守する観点からも重要になります。

厚生労働省では、この制度改正を契機に、計画的付与制度の一層の導入が図られるよう、全国の労使団体に対する周知依頼、ポスターの掲示、インターネット広告の実施などを行い、周知広報に努めていきます。

※「年次有給休暇の計画的付与制度」・・・年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば計画的に年次有給休暇の取得日を割り振れる制度。(労働基準法第39条第6項)

別添資料 「10月は年次有給休暇取得促進期間です」(リーフレット)

https://www.mhlw.go.jp/content/11911000/000548629.pdf

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/sokushin/roudousya.html

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令和4年度「全国労働衛生週間」

2022年09月26日 | 情報

令和4年度「全国労働衛生週間」を10月に実施
今年のスローガンは「あなたの健康があってこそ 笑顔があふれる健康職場」
令和4年7月22日(金) 照会先  労働基準局安全衛生部労働衛生課

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26899.html

厚生労働省は、10月1日(土)から7日(金)まで、令和4年度「全国労働衛生週間」を実施します。今年のスローガンは、一般公募で募った249作品の中から、伊藤 一弘さん(愛知県)の作品「あなたの健康があってこそ 笑顔があふれる健康職場」に決まりました。

全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的に、昭和25年から毎年実施しており、今年で73回目になります。毎年9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間とし、この間、各職場で職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取り組みを展開します。(別添中8・10参照)

今年も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、いわゆる“3つの密”((1)密閉、(2)密集、(3)密接)を避けることを徹底しつつ、各事業場の労使協力のもと、全国労働衛生週間を実施します。

全国労働衛生週間を活用し、過労死等の防止を含めた長時間労働による健康障害の防止対策やメンタルヘルス対策の推進、事業場で留意すべき「取組の5つのポイント」をはじめ職場における新型コロナウイルス感染症の予防対策の推進、病気を抱えた労働者の治療と仕事の両立支援をサポートする仕組みを整備します。また、化学物質対策では、特定化学物質障害予防規則、石綿障害予防規則などの関係法令に基づく取り組みの徹底を図るとともに、各事業場におけるリスクアセスメントとその結果に基づくリスク低減対策の実施を促進していきます。

令和4年度全国労働衛生週間実施要綱

https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000804342.pdf

 

 

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