中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

オキシトシン

2020年06月09日 | 情報

これも一次予防策です。

心の不調を感じ始めたら三つの幸せホルモンを意識してみよう

・セロトニン

・オキシトシン(Oxytocin, OXT

・ドーパミン

 

ココロとカラダに幸せホルモンのご褒美を 分泌に大事な食事や腸について知ろう

人生100年時代を生きるキーワード・幸せホルモン

2020.03.23 朝日

 

「なんだか心も体もだるく感じる…」「やる気が起きない」「何を見ていても心が動かされない…」最近、こんな気分に悩まされていませんか?

 日々の生活の中で、なんとなく心の不調を感じる人も多いのではないでしょうか。その心の不調の原因は「幸せホルモン」が不足しているからかもしれません。今回は「幸せホルモン」の基礎知識から増やし方、さらには腸との関係について解説していきます。

 

「幸せホルモン」をご存じですか?

幸せホルモンとは、脳内ホルモンの一種です。脳内ホルモンとは、脳内に分泌されるホルモンや神経伝達物質の総称です。

人間の脳には、心や身体を正常に保つために100種類以上の脳内ホルモンが分泌されています。脳内物質の中には、人の感情や意欲に大きな影響を与える物質も存在します。

・喜び

・楽しみ

・やる気

これらの幸福感を与える物質が「幸せホルモン」と呼ばれるものです。

「幸せホルモン」と呼ばれる代表的な物質は3種類。

・セロトニン

・オキシトシン

・ドーパミン

 

 それぞれの物質の効能や増やし方を詳しく説明していきます。

ストレスに負けない幸せホルモン「セロトニン」

 

一つ目に紹介する幸せホルモンは「セロトニン」です。実は、セロトニンはホルモンではなく自律神経を整える「神経伝達物質」です。

自律神経は2種類あります。

・交感神経:活発な時間帯に優位になる

・副交感神経:寝ているときなどリラックスしている時間帯に優位になる

セロトニンがしっかり分泌されていると、二つの自律神経のバランスが整い精神が安定します。気分の浮き沈みが少なくなることにより、ストレスやイライラも軽減されます。

逆にセロトニンが不足すると、自律神経のバランスが乱れ、慢性的なストレス過多や不眠になり、うつ病を引き起こす可能性もあります。ストレスに負けない安定した精神を保つには、セロトニンをしっかり分泌させなくてはいけません。

そこでセロトニンの増やし方を二つご紹介します。

 

セロトニンの増やし方①大豆食品や乳製品を食べよう

セロトニンを増やす方法の一つは食事の見直しです。セロトニンの原料となる「トリプトファン」を摂取するのが効果的ですが、トリプトファンは、体内では生成されない「必須アミノ酸」のため、食べ物から摂取するしかありません。

 

おすすめは大豆や乳製品です。

おすすめ食材

納豆 豆腐 みそ 牛乳 チーズ ヨーグルト

トリプトファンは大豆に含まれる「大豆たんぱく」と、乳製品に含まれるたんぱく質「カゼイン」に多く含まれているためです。

 

セロトニンの増やし方②日中に散歩しよう

もう一つ、セロトニンを増やすのに重要なのは「太陽の光」です。太陽の光が網膜を刺激してセロトニンの生成を活性化してくれます。日光を浴びない生活をしている人ほど、うつ病になるリスクが高いともいわれています(日照時間が短い冬になると発症する「冬季うつ」という病気もあるほどです)。

115分~30分は外に出て日光を浴びましょう。朝の出勤時やお昼休みを利用した1530分程度の散歩がおすすめです。ウォーキングのような一定のリズムを刻む反復運動もセロトニンの分泌を促進させるのでさらに大きな効果が期待できます。

1度日光を浴びたくらいでは、効果は30分~1時間程度しか続きません。しかし、日々継続することで、脳が徐々にセロトニンを生成しやすい構造に変化していきます。

ぜひ、11530分の散歩を習慣化してみてください。

 

安らぎを与える幸せホルモン「オキシトシン」

二つ目に紹介する幸せホルモンは「オキシトシン」です。主に次の効果があります。

・幸福感を与える

・社交性を高める

・不安や恐怖心を和らげる

これによってストレス軽減や免疫力アップも期待できるといわれています。

もともとオキシトシンは「出産・育児の際に分泌されるホルモン」として知られていました。例えば、母乳分泌の促進です。赤ちゃんが乳首をくわえると、母親の体内のオキシトシンが増え母乳の分泌が促されます。そのためオキシトシンは、母子間の触れ合いでうまれるホルモンと認識されていました。

しかし、研究を進めていくと母子間以外でのスキンシップによっても分泌されることがわかってきました。そのため、オキシトシンは恋愛ホルモン、抱擁ホルモン、思いやりホルモンなどさまざまな呼び名も持っています。

 

そんなオキシトシンを増やす方法を二つご紹介します。

オキシトシンの増やし方 (1)スキンシップの効果

先ほどもお伝えした通り、オキシトシンはスキンシップで分泌が促されますが、特に配偶者や恋人とのスキンシップは高い効果が期待できます。

・見つめ合う

・手をつなぐ

・抱き合う

・キスをする

・性交渉をする

配偶者や恋人でなくても、好意を持った人とのスキンシップ、家族とのだんらんや心を許せる友人との食事や会話、またペットとの触れ合いなどでも、オキシトシンを効果的に分泌させることができます。

 

オキシトシンの増やし方 (2)人にやさしくする

オキシトシンは「思いやりホルモン」とも呼ばれます。それは、相手を思いやって何かを分け与えたり助けたりすることでも、オキシトシンが分泌されるためです。

2017年にイギリスの研究チームによるチンパンジーについての研究論文が発表されました。基本的に食べ物を分け合う習慣のないチンパンジーですが、まれに分け与えることがあります。食べ物を分け与えた直後のチンパンジーの体内では、オキシトシン量が増加していたことが判明しました。

この結果は人間にも当てはまり、人にプレゼントしたり、親切にしたり、助け合ったりすると体内のオキシトシン量は増加します。

スキンシップのひとつであるマッサージには、思いやりによる効果も期待できます。実は、マッサージは受けている側よりも、施術している側の方が多くのオキシトシンが分泌されます。これは「相手を癒やしたい」という思いやりの心を持ってスキンシップをすることで、よりオキシトシンが増加するためと考えられています。

幸福感が足りないと感じたら、人にやさしくすることで良い効果が期待できます。

 

やる気が出る幸せホルモン「ドーパミン」

三つ目に紹介する幸せホルモンは「ドーパミン」です。

人間が生きていくためには、目的達成や危険回避のために「やる気」を出さなくてはいけません。ドーパミンは生きるために必要なやる気を促し、幸福感をアップさせるホルモンです。

また、仕事や学習などに必要な情報を一時的に記憶・処理する能力である「ワーキングメモリー」にもドーパミンは影響を与えるといわれています。つまり、ドーパミンの分泌が活性化されると、学習能力や仕事能率のアップも期待できます。

ほかにも、達成感、快感、喜び、感動などももたらします。そのため、ドーパミンが不足すると「やる気が起きない」「記憶力や作業能率の低下」「無関心・無感動」などを引き起こし、幸福感の低下につながってしまいます。

 

 では、そのドーパミンの分泌を促す二つの方法をご紹介します。

ドーパミンの増やし方 (1)チーズや大豆食品を食べる

ドーパミンは食事によって増やすことができます。ドーパミンの原料となるのは「チロシン」というアミノ酸で、最も多く含んでいる食品は乳製品です。正確にいうと、乳製品に含まれている「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質からチロシンは多く摂取できます。

そのため、乳製品の中でもチーズは特におすすめ。チーズは生乳の水分を抜いて、残ったたんぱく質を固めたものです。そのため、もっとも効率よくカゼインを摂取できる食品といえます。そのほかの食材として、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、おから、きな粉など、大豆食品にも多く含まれます。

ドーパミンを増やすために、チーズなどの乳製品と大豆食品を積極的に食べることをお薦めします。

 

ドーパミンの増やし方 (2)小さな目標やタスクを達成しよう

ドーパミンは何かを達成していくことで活性化されます。わかりやすい例がマラソンです。走っている間は苦しくて「もう二度と走らない」と思っていても、走り終えると「また走りたい」と感じる人がいます。これは達成感からドーパミンが分泌しているためと考えられています。

仕事やプライベートでも同様で、目標を達成していくことで、ドーパミンが分泌されます。

ポイントは「達成しやすい小さな目標やタスクを設定する」ことです。目標を大きく設定してしまうと、かえってモチベーションがあがらず、何も手につかなくなり、燃え尽き症候群のような状態に陥る可能性があるためです。達成しやすい小さな目標を設定することでドーパミンを継続的に分泌できます。

大きな目標を設定する場合は、細分化して小まめに達成感を得ていきましょう。

また、ドーパミンの活性化には「ご褒美」が効果的です。例えば、元気で活発な子どもに対して、ただ「静かにして」と言ってもなかなか聞き入れてもらえません。しかし「静かにしていたらご褒美にお菓子をあげる」と言うと、それを聞いた子どもはジッと静かにできます。これは「静かにしていれば報酬を得られる」とわかりドーパミンが活性化されているからと考えられます。

大人であっても「この仕事を終えたら、あのドラマを見よう」とか「この目標を達成したらあの服を買おう」などご褒美を設定することで、ドーパミンの活性化につながります。

 

幸せホルモンを増やすには腸内環境も重要

脳内ホルモンの一種である幸せホルモンですが、じつは腸の働きとも大きな関わりがあります。

セロトニンのほとんどが腸でつくられている

「第二の脳」とも呼ばれている腸の働きによって、生成されている幸せホルモンが「セロトニン」です。セロトニンのおよそ90%は腸内で生成されているのです。

食物から摂取したトリプトファンを腸内で「セロトニンのもと」になる物質に変化させるのも腸の役割です。それは血液を通って脳に取り込まれます。腸内環境が良くないとトリプトファンをうまく変換できず、結果セロトニンが生成されにくくなってしまいます。そのため、幸せホルモンを増やすためには、腸内環境を整えることが大切なのです。

・発酵食品や食物繊維を積極的に摂取

・腹筋運動

・腸マッサージ

 

元気が出ないときは腸に良い生活も心がけてみてください。

 

心の不調を感じ始めたら三つの幸せホルモンを意識してみよう

 三つの幸せホルモンについて解説してきました。

・セロトニン

・オキシトシン

・ドーパミン

これらの幸せホルモンは日常の心がけで増やすことができます。

・ストレスでイライラしがち

・楽しいことがない

・やる気が起きない

もし、あなたがこのような気持ちに悩んでいるのなら、幸せホルモンが不足している可能性があります。不足している状態が続くと、うつ病などの精神疾患になりかねません。そうなる前に、ご紹介してきた「幸せホルモンの増やし方」を日常生活にとり入れてみてはいかがでしょうか。(取材・文 門 東花)

 

(参考)同様の情報

疲れた心と体に!オキシトシン活用術

20.6.3 NHK

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/200603/1.html

 

 

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「リモハラ」の危険

2020年06月08日 | 情報

テレワークの普及で、新たな問題点が浮上しているようです。

小職のブログを再掲します。考え方は間違っていないように思います。
「4月の自殺者 2割減」20200515
リモートワークの普及で、実務のやり取りのみに集中してしまい、
何とはない会話が減っているようです。
ヒトには、このさりげない、一見に無駄にも思える会話が重要なのでしょう。
オンライン会議だけではなく、定期・不定期な出社によるコミュニケーション等、
いろいろな試行錯誤が必要でしょう。
アナログの領域を増やすことが大切と考えます

テレワークに潜む「リモハラ」の危険
2020/5/31 日本経済新聞

新型コロナウイルスへの対応で在宅勤務が急速に広がるなか、テレワーク特有のハラスメントのリスクが浮上している。「リモートハラスメント(リモハラ)」「テレワークハラスメント(テレハラ)」などとも呼ばれ始めた。文字だけのやり取りの増加や、部下の働いている姿が見えない状況が引き起こすパワーハラスメント(パワハラ)や、在宅で私的な部分が垣間見えてしまうことが引き金になるセクハラが起こりうる。コロナ後もテレワークが定着するなかで働き手の不満が蓄積する可能性もあり、個人の意識付けや企業の対策が必要になりそうだ。

■パワハラ防止法も施行

「通勤の負担がなくなってありがたいのだが、上司とのやりとりでストレスも感じる」。あるメーカーに勤める都内の30代女性会社員は、テレワークで上司との主なやりとりが口頭からオンラインに代わり、メールやメッセージで憂鬱になることが増えたという。「資料提出は今日の17時までに。オンライン会議は14時から時間厳守で。在宅勤務では明確な成果が求められます」と、業務指示の要点のみを連ねたメールが毎朝送られてくる。指示は明確だが、自分から言わない限りこちらの状況は省みられず、ねぎらいもない。

業務の指示などを受ける際、普段なら顔を見て話しながら進められるが「メールだと、一方的に指示されている感覚に陥る。特に、言いにくいことを伝えるときに態度で示すなどの余地がなくなった」という。

在宅勤務は新型コロナウイルスの感染拡大防止策として一気に広がり、政府が提唱する「新しい生活様式」のなかでも引き続き活用が求められている。ただ、緊急対応として広がっただけに上司、部下双方で特有のストレスもたまりやすく、ハラスメントにつながりかねない。

ちょうど、6月にはいわゆる「パワハラ防止法」が施行され、まず大企業からパワハラの相談に応じたり被害を調査したりする義務を負うことになる。「テレワークを契機にしたトラブルが実際に紛争に至っているケースまでは出ていない段階」(企業からの相談を受ける真武慶彦弁護士)ではあるが、テレワークに伴う新しいハラスメントの芽を気にして、対応を検討する企業は確実に増えている。

■文字中心のやりとりにリスク

専門家の多くが指摘するのが、メールやチャットといった文字のやりとりが多くなることによるコミュニケーション不全が引き起こすパワハラだ。もともと、文字のみのやりとりは先鋭化しやすい傾向があると言われていたが、リモート環境では不可欠なツールだ。今津幸子弁護士は「LINEや友人同士のやりとりでよく使う顔文字やスタンプは行間を補う効果がとても大きい」と説明する。一方、仕事のメールでは顔文字やスタンプは一般的ではないため、言い切りや端的な表現になりやすく、よりいっそう冷たく聞こえたり、命令調が強く感じられたりする。

対面であれば相手がどう受け止めたか、表情や態度でも読み取れるのでその場でとりなしたりできるが、リモートだと修正しづらい」(今津氏)点は大きいという。安倍嘉一弁護士は対応策として「ビデオ通話などを活用して1対1で話す『ワンオンワン』などの機会を増やすのが有効ではないか」と助言する。

在宅の部下を過剰に監視する状況にならないかも気をつけたい。上司からすると平時なら近くにいた部下の姿が見えず、「サボっているのではないか」と疑いたくなる場合もある。ただ頻繁すぎる連絡や、常時のモニタリングなどを求めるのは行き過ぎになりかねない。技術的にはカメラやモニタリング機能などで常時監視することは不可能ではないが、「職場にいても、常時特定の部下を見ているわけではないはず。常に監視されているという風に思わせてしまうのは、健全な職場環境という観点からすれば心理的なマイナス面のほうが多いのではないか」(真武氏)という。

プライバシーへの配慮も必要だ。個々の従業員の家の環境は異なるため、適切な指示のためには個人の状況を把握する必要もある。その際は「個人や家庭の状況を必要以上に知ろうとするのではなく、仕事のうえで何ができて何が難しいのか観点で確認するといいだろう」(安倍氏)。

■「私的な部分」でうっかりも

セクハラはどうか。比較的線引きが難しいパワハラと異なり、セクハラやマタニティーハラスメントは判断がつきやすい類型とされているが、ここにも特有のリスクが潜む。近年は必要以上に他者のプライベートに深入りしないようにする意識も浸透してきているが、皆が自宅にいることで、プライベートと仕事の垣根が崩れやすい状況があるからだ。

オンライン会議で背景に自宅が映りこんだり、私服の部下を見たりして、つい自宅や家族について言及してしまう、といったケースもありそうだ。「せっかくだから家族を紹介して」などという要望は不快に感じる人も多い。プライベートにみだりに触れられたくないという人は増えているのだから、上司はもちろん、同僚同士でも注意したい。

また「重大なセクハラはお酒が引き金になることが非常に多い」(今津氏)というなかで、人気のオンライン飲み会も気をつけたい。通常の飲み会ができないからといって、部署の飲み会、取引先も含めた飲み会、などに発展してきたらどうか。オンライン飲み会では小グループに分かれた会話もできず、目上の人がいたら配慮せざるを得ない。近年は「飲みニケーション」が下火であったことを踏まえれば、むやみな誘いは避けたほうが賢明かもしれない。

実際にハラスメントのトラブルになった場合はどうか。特にパワハラは弁護士に持ち込まれる案件でも「『この程度でパワハラとなりますか』といった、事態を過小評価しがちな企業が依然として多い」(労務弁護士)。だが文字のやりとりは明確な証拠が残るほか、リモート環境であれば被害者側が録音などもしやすく、被害の立証がしやすい分野といえる。内部告発で社会から非難されるリスクも大きい。

ハラスメントは社員の士気や生産性にもかかわる。コロナ禍にかかわらず、根本的に「働きやすい職場をつくる」ためにハラスメントをなくすべきだという原則は変わらないはずだ。(児玉小百合)

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「オンライン疲れ」

2020年06月05日 | 情報

在宅勤務の問題点が、それこそ噴出状態です。

「オンライン疲れ」投稿80万件 在宅生活に悩み
20.5.29 日経

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための在宅生活で、
スマートフォンやパソコンを使った人との交流に疲れを感じる人が増えている。
「オンライン疲れ」の単語を含むツイッター投稿は2月以降、累積で約80万件。
離れた人と気軽にやりとりできる一方、いつも誰かとつながる状況が思わぬ負担となり、
仕事では業務過多に陥る場合も。
緊急事態宣言が解除されても在宅勤務を続ける企業は多く、専門家は適度な利用を勧める。

「かんぱーい!」。5月上旬、千葉県船橋市の男性会社員(31)は
自宅で机の上に置いたタブレット端末に向け、ハイボール入りのグラスを持ち上げた。
画面に映る友人も同じしぐさで応じる。遠隔会議システムを使った飲み会は大型連休中、これで3度目だ。

東京など7都府県に緊急事態宣言が発令された翌日の4月8日以降、原則在宅勤務となり、
仕事で必要になった遠隔会議システムの練習を兼ねて、
同月中旬、友人と初めて「オンライン飲み会」を開いた。
外で飲むより安く済むのが気に入り、それから週に1~3回のペースで参加した。

閉店時間を気にしなくて良いため、ついつい飲み過ぎてしまうのが悩みだ。
頻繁に誘われるようになったが、「在宅なので断る理由を探すのが大変。
まさか二日酔い続きになるとは思わなかった」とこぼす。

NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション(東京)がツイッターの投稿内容を分析したところ、
2月1日~5月14日に「オンライン疲れ」という単語を含んだ投稿は計約80万件あった。
多くの企業が在宅勤務を導入した4月上旬から増え、
大型連休後の5月13日には1日で約6万2千件つぶやかれた。

東京都内の女性会社員(26)は業務連絡などでひっきりなしに届くメールやチャットのメッセージに
ストレスを感じ始めている。
同じく在宅勤務する同僚の様子が分からないため、電話は極力避け、文字でのやりとりが多くなった。
「会話と同じペースで話が進むので、常に集中していないと大事な連絡を見逃してしまう」とため息をつく。

通勤や客先への移動時間は減った。
一方でそれまで1日に多くても4回程度だった会議が、最近はオンラインで5~6回入る日もある。
「効率的に働けるのは良いけれど、在宅でむしろ多忙になった。毎日出勤するのと、どちらがいいか……」

企業向けにメンタルヘルスのコンサルティングを行う「ピースマインド」(東京)では
3月末以降、契約企業の社員からの相談が増えた。
新型コロナに関する相談内容のうち3割強は在宅勤務のストレスについてで、
担当者は「慣れないオンラインでのやりとりに気疲れを感じる人が多いようだ」と話す。

政府は緊急事態宣言を全国で解除したが、コロナと生きる「新しい日常」で、
テレワークなど人との接触を減らす取り組みを継続するよう求めている。在宅勤務を継続する企業も多い。

東京女子大の橋元良明教授(情報社会心理学)は
「オンラインでのコミュニケーションは対面に比べ、身ぶりなどの非言語的な情報量が減る。
相手と場を共有することで生まれる安心感も得にくく、ストレスを感じやすい」と指摘する。

画面に相手の顔が大きく映し出されるウェブ会議などでは「自分の領域を侵害されていると
無意識に感じる場合もある」としたうえで「オンラインでのやりとりは必要性を見極め、
むやみに増やしすぎないことも大切だ」と話している。

 

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一呼吸置き、考えを整理

2020年06月04日 | 情報

今朝のNHKニュースでも、うつ病が増える可能性に言及していました。

一呼吸置き、考えを整理  
2020/5/25 日本経済新聞

私が専門にする認知行動療法のアプローチを使ってこころを整える対話型プログラム
こころコンディショナー」(https://carechat-demo.kiku-hana.jp/)の試作版を、
期間限定で無料公開した。
企業のメンタルヘルス対策での活用を目指してきたが、新型コロナウイルス感染症の影響で
ストレスを感じている人が増えていることから一般に公開することにした。

在宅勤務が増えたり、アルバイトがなくなったりして一人で過ごしている人が増えているが、
孤立感は確実にこころの健康を損ねる。
それでは家族がいればよいかというと、必ずしもそうとは言い切れない。

さまざまな自粛の結果、自宅にいる人が増えると、
家庭のなかで今までとは違う人間関係が生まれる。
誰もそばにいないという「物理的孤立」と
互いのこころの距離がうまくとれずわかり合えないという
「心理的孤立」は区別して考える必要がある
実際に、国内外で、家庭内での暴力行為が増えていると報道されている。

そこまで問題が大きくなくても、つい感情的になって家庭内で衝突することは増える。
避けるには、気持ちが揺れたときにすぐにそれを表に出すのではなく、
一呼吸置いて自分の考えを整理したうえで、
話し合うなど自分の役にたつ行動に変えていくのがよい。

考え方を整理し、適切な行動につなげるのは、認知行動療法の基本的な考え方だ。
こころの整え方を解説した講演の動画もユーチューブ
https://youtu.be/tURKZ8Or_rA)にアップしたので、
利用していただければと考えている。(認知行動療法研修開発センター 大野裕)

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パワハラ防止法”施行(続編)

2020年06月03日 | 情報

パワーハラスメントの予防・解決 7つのポイントです。
とにかく、トップのリーダーシップ次第です。

 

厚労省 パワハラ対策導入マニュアル(第4版)より、引用しています。

https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/download/

 

1.トップのメッセージ

・パワーハラスメントは、企業のトップから全従業員が
取り組む重要な会社の課題
であることを明確に発信しましょう。

・パワーハラスメントの防止がなぜ重要なのか、その理由についても明確に伝えましょう。

・メッセージの発信とともに、具体的活動が早期に実施できるよう、準備をしておきましょう。

 

2.ルールを決める

・労使一体で取組を進めるために、労働協約や労使協定などでルールを
明確化する
ことが効果的です。

・罰則規定の適用条件や処分内容、また、相談者の不利益な取扱いの禁止などを
確に定めましょう。

・ルールは、従業員にとって分かりやすく、できる限り具体的な内容としましょう。

・就業規則などにルールを盛り込む場合には、労働組合や労働者の代表などの意見
聴くことが
求められています。
就業規則の変更の目的や意義を十分伝え、意見
交換した上でルールを決めましょう。

・就業規則を変更した場合は、その内容の周知が義務付けられています。

従業員への説明会や文書の配布なども忘れず実施しましょう。

 

3.実態を把握する

・アンケートでの実態把握は、対象者が偏ることがないようにしましょう。

・より正確な実態把握や回収率向上のために、匿名での実施が効果的です。

・従業員向けの相談窓口を設置している場合は、
アンケートと合わせて必ず相談
窓口を紹介しましょう。

・アンケート以外の方法として、安全管理者や産業医へヒアリングしたり、

評価面接など個人面談の際に自己申告項目に入れるなど、複数の方法で行うことも有効です。

 

4.教育をする

・教育のための研修は、可能な限り全員が受講し、かつ定期的に実施することが重要です。
中途入社の従業員にも入社時に研修や説明を行うなど、
漏れなく、全員
が受講できるようにしましょう。

・管理監督者と一般従業員に分けた階層別研修の実施が効果的です。

ただし、企業規模が小さいなどの場合は、管理監督者と一般従業員が
一緒に研修を受講しても
よいでしょう。

・研修内容には、トップのメッセージ内容を含めるとともに、会社のルールの内容、

取組の内容や具体的な事例を加えると効果的です。

 

5.周知する

・組織の方針、ルールや相談窓口などについて、積極的に、周知に取り組みましょう。

・周知と具体的な取組が一体となったものとなるようにしましょう。

・計画的かつ継続した周知を実施していきましょう。

 

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