中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

職場の健康診断実施強化月間

2014年08月29日 | 情報
9月は、「職場の健康診断実施強化月間」です。
健康診断は、メンタルヘルス対策、さらには企業の労働安全衛生対策の基本です。
本通達文中に、「集中的・重点的な指導等を行うこととした。」とあります。
関係者のみなさん、対応を準備しておいてください。

「職場の健康診断実施強化月間」の実施について
基安発0809第3号   平成25年8月9日

発:厚生労働省労働基準局安全衛生部長

平成25年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」においては、
戦略市場創造プランのテーマの一つとして、『国民の「健康寿命」の延伸』が掲げられている。
国民の健康寿命の延伸を図ることで、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、
結果として社会保障制度を持続可能なものとするためには、特定健康診査やがん検診等の各種健診制度による
生活習慣病等をはじめとした疾病の予防・早期発見を図ること等が重要であり、
「日本再興戦略」のロードマップにおいても、「健診受診率の向上」が目標として掲げられている。
その達成のため、厚生労働省では、本年9月の健康増進普及月間に、
健診受診率の向上等に向けた『健康づくり大キャンペーン』を開始することとした。
その一環として、労働安全衛生法に基づく事業者による健康診断及び事後措置の実施を改めて徹底するため、
本年度においては全国労働衛生週間準備期間に合わせて、9月を「職場の健康診断実施強化月間」(以下「強化月間」という。)と位置づけ、
集中的・重点的な指導等を行うこととした。
本年度の全国労働衛生週間の実施については、
平成25年7月29日付け基発0729第29号「平成25年度(第64回)全国労働衛生週間の実施について」により示されているところであるが、
特に強化月間の取組については、下記により推進されたい。
なお、別添のとおり、関係団体あて通知しているので了知されたい。


1 事業場に対する集団指導、個別指導等について
(1) 対象事業場
  ア 強化月間中に実施を予定している安全衛生関係に係る全ての集団指導の対象事業場
  イ 強化月間中に実施を予定している全ての個別指導の対象事業場
(2) 指導等の重点事項
   指導等に当たっては、以下の事項を重点的に行うこと。
  ア 健康診断の実施徹底
  イ 健康診断実施後の事後措置の徹底
  ウ 小規模事業場に対する地域産業保健事業の周知と活用の促進
  エ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)に基づく事業者から医療保険者への健康診断結果の情報提供に関する義務の周知
(3) 指導等を実施する上での留意点
  ア 安全分野に限った内容を予定としていたものも含め、安全衛生に係る全ての集団指導、個別指導等を対象とすること。
    指導等の対象事業場の選定に当たっては、小規模事業場の定期健康診断実施率が低いという統計調査結果があることを考慮すること。
  イ (2)のア及びイの事項を指導する際には、各事業場における健康診断及び事後措置等の実施状況を確認し、必要な指導を行うこと。
  ウ (2)のウについては、地域産業保健事業において、産業医選任義務のない小規模事業場を対象として、
    健康診断結果に基づく医師からの意見聴取、脳・心臓疾患のリスクが高い労働者に対する保健指導等の支援を行っていることから、
    小規模事業場への指導等の際は、必要に応じて、地域産業保健事業の活用の勧奨等も行うこと。
  エ (2)のエについては、平成24年5月9日付け基発0509第7号「特定健康診査等の実施に関する再協力依頼について」に基づき、
    高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定健康診査に関する記録の提供の義務について周知に努めること。

2 事業場に対する周知について
  1の取組みのほか、以下のように様々な機会を活用し、健康診断及び事後措置の実施に係る周知や指導等を行うこと。
(1) 局署の窓口において、事業者の来訪等あらゆる機会を捉え、関係リーフレット等を活用し、周知を行うこと。
(2) 地域産業保健事業において事業場に対する支援を行う際に、関係リーフレット等を活用して事業者に対する周知を行うよう、
   同事業の受託者に協力を求めるなどの連携に努めること。
(3) 労働災害防止団体や、労使関係団体及び自治体等に協力を要請し、事業者等への周知啓発を推進すること。


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脳内物質セロトニンが「辛抱強さ」促す

2014年08月28日 | 情報
セロトニンって、あのセロトニンですよね。
『「辛抱強さ」促す 』ということは、精神疾患とセロトニンとの重要な関係を、別の研究分野でも証明されている、ということでしょうか。
理科音痴の小生にとっては、岡目八目的な関心があります。


脳内物質セロトニンが「辛抱強さ」促す
沖縄科技大など実験、意欲低下 解明に期待
2014/8/22 日本経済新聞

 沖縄科学技術大学院大学などの研究チームは脳内の一部で神経伝達物質「セロトニン」が増えると、
時間を待つ「辛抱強さ」が高まることをマウスの実験で見つけた。
分泌を促すと、えさをもらうまで耐える待ち時間が約45%延びた。
意欲低下や衝動性を伴う精神疾患の解明や治療法の開発などに役立つ成果という。
 研究チームは沖縄科技大学院大のほか慶応義塾大学、名古屋大学、国立遺伝学研究所。
 マウスの中脳にある「背側縫線核」にはセロトニンの放出などに関わる神経細胞がある。
大脳の前頭前野などを刺激し、運動調節や気分障害などに関与している。
研究チームは遺伝子操作で、この神経細胞が特定の波長の光を受けると活発に働くようにした。
 マウスにエサを与えるふりをしたときにマウスがエサ場で待てる時間を調べた。
マウスはエサ場に鼻を入れて待ち続けるが、その際に神経細胞に光を数秒あてると待ち時間は約17.5秒になった。
 通常は約12秒であきらめてしまうため、セロトニンによって辛抱強くなったとしている。
 従来、セロトニンは罰を受けることが予想されるときにその行動を抑えるために働くと考えられていた。

http://www.oist.jp/ja沖縄科学技術大学院大学HPより転載
「あきらめない」の鍵はセロトニン
2014-08-22
人気のお店で食事をするのに行列に並んだり、恋人が待ち合わせの場所にやってくるのを待ったりと、
私たちの日常の意思決定の中で「辛抱強さ」が必要とされる状況は多く存在します。
将来的に予測される報酬のために、焦らず辛抱強く待つことが求められる時、どのような脳内メカニズムがそれを可能にするのでしょうか?
これについて沖縄科学技術大学院大学(OIST)神経計算ユニットの宮崎佳代子研究員、宮崎勝彦研究員、銅谷賢治教授は、
光によって脳内の特定の神経細胞の活動を正確なタイミングで制御する「光遺伝学」の手法を用いて詳しく調べました。
その結果、マウスが報酬を待つ間にセロトニン神経活動を増加させることで辛抱強さが促進されることが明らかになりました。
本研究成果は、米科学誌Current Biology (カレントバイオロジー)電子版に8月21日に掲載されました。
 研究チームは光遺伝学の技術を用いて神経修飾物質のセロトニンを持つ神経細胞のみを選択的に刺激することができる遺伝子改変マウスを作成し、
将来の報酬を予測しながら待機している状況下でセロトニン神経活動を増加させると行動にどのような影響が見られるかを調べました。
この技術は脳内の特定部位に光照射を行うことで神経活動を操作するもので、
光のON、OFFにより神経活動のタイミングを正確にコントロールすることが可能です(図1)。

 実験では5匹のマウスに、実験箱内部の壁面に設置された小窓にノーズポーク(鼻先を入れる)した状態で
数秒間じっと待つことでエサを獲得できる課題を学習させました。
マウスにはノーズポークをする習性がありますが、通常はすぐに鼻先を出してしまいます。
この課題ではノーズポークを一定時間続けるとエサを獲得できるため、マウスは辛抱してノーズポークを続けました。
エサまでの待ち時間をランダムに3秒、6秒、9秒、無限大(エサなし)と変化させ、
それぞれの半数の試行で背側縫線核のセロトニン神経細胞を光で刺激しました。
この時、事前の合図はなく、待ち時間やエサの有無は待ってみないとわかりません。
マウスは3秒と6秒のノーズポークは簡単にできるものの、9秒だと待ちきれずに鼻先を出してしまい、報酬獲得に失敗する回数が増えました。
しかしマウスがノーズポークする間に光刺激でセロトニン神経活動を増加させると、
9秒でもノーズポークを続けることができるようになり、失敗回数が有意に減少しました(図2)。
さらに持ち時間無限大試行(エサなし)では、マウスが自らあきらめてノーズポークを止めるまでの時間を測定しました。
通常は平均12秒間ノーズポークを続けて、エサが出ないとあきらめました。
ところが光刺激でセロトニン神経活動を増加させると、それが平均17.5秒間にまで延びました(図3)。
セロトニン神経活動を増加させない場合と比較して約45%もノーズポーク時間が延長しています。
一方でノーズポーク中以外のタイミングでセロトニン神経活動を増加させてもノーズポーク時間が延長することはなく、
動きが止まる、などの別の影響も見られませんでした。これらの結果から、将来的に得られることが予測される報酬をじっと待つとき、
セロトニン神経活動が増加することで辛抱強さが促進されることが明らかになりました。
またこの実験で光照射のON、OFFにより神経活動のタイミングを正確にコントロールできる技術を用いたことで、
脳内のセロトニンレベルの持続的な上昇というよりも、
報酬を待つそのタイミングにセロトニン神経活動が増加することが辛抱強さを促進させることも分かりました。

 セロトニン神経は脳内の広い範囲に投射しており、
睡眠や呼吸などの生理機能から認知、精神機能に至るまで多様な機能の中で役割を担う神経修飾物質です。
これまでの通説では、セロトニンは罰が予測される状況下でその行動を抑制すると考えられていましたが、
脳内のセロトニン量を増やす抗うつ薬のSSRIはうつ病の治療に効果的であるという既知の事実と相容れない問題がありました。
さらに最近、セロトニン神経刺激が報酬効果をもたらすといった報告もあり、報酬と罰に関するセロトニンの役割は混迷した状況です。
また一方で、脳内のセロトニンレベルが低下すると行動が衝動的になるという報告もされており、
OISTの宮崎両研究員や銅谷教授はセロトニンが将来の報酬に対する辛抱強さを制御するという仮説のもとに研究を進めて来ました。
宮崎研究員らは「我々はこれまで神経活動記録や薬理実験から、
報酬待機中にセロトニン神経活動が増加することやセロトニン神経活動抑制によって長期の報酬待機行動ができなくなることを示してきました。
今回の実験では高い時間精度で神経活動を制御できる技術を用いたことで、セロトニン神経活動が予想以上にダイナミックな機能を有し、
報酬待機における辛抱強さの調節を行っていることが明らかになりました。」と一連の研究成果について語りました。

 今後もセロトニンの役割を詳しく調べることで、衝動性を伴う病的症状や行動の基盤となる神経回路の理解につながることが期待されます。
また将来的に、より人間的な判断が可能なロボットやプログラムの開発など工学的な応用へも可能性が広がります。
研究チームは今後、将来の報酬を得るためにじっと待たずに行動する場合や、
報酬ではなく罰を回避することを目的とした辛抱強さに対するセロトニン神経活動の影響について、さらに研究を進めていく予定です。

 本研究は、沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニットの宮崎佳代子研究員、宮崎勝彦研究員、銅谷賢治教授、
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の田中謙二特任准教授、名古屋大学環境医学研究所神経系分野IIの山中章弘教授、
田淵紗和子大学院生、国立遺伝学研究所マウス開発研究室の高橋阿貴助教との共同により行われました。
また文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として行われ、文部科学省科学研究費助成事業の助成を受けました。
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会社(企業)が嫌いな主治医もいます

2014年08月27日 | 情報
精神科専門医に限らず、全ての医師には、刑法134条(秘密漏示)第1項 が適用されます、刑法犯です。
ですから、主治医は、患者の個人情報保護には神経を使います。
それに、主治医は、「患者ファースト」です、すべてに患者の利益を追求します。
ですから、会社側が主治医に面会を求めても、会社関係者とは会わない医師もいるそうです。

また、主治医が医療情報を提供するのは、企業においては「産業医」のみです。
他の会社関係者が、患者本人の了承を取ったとしても、門前払いです。
礼を尽くして、主治医に面談を申し込めば、多くの主治医は時間を割いてくれるでしょうが、
その面談での話しは「患者の担当業務、会社の業容、会社が要求する復職時の状態等の説明」で、
会社から主治医への情報提供のみに止まります。
患者である従業員の診療状況等については、質問することすら憚られます。

そもそも、会社側が、主治医に面会を求めて、患者が働く企業の業容、患者の在職時の業務内容、
会社の福利厚生規程、復職時における会社側の要望事項等を説明しなさい、という流れを作ったのも、
拙著や小生の講演が、きっかけになったのではと自負しています。

企業側もこのことをよく理解いただいたようで、最近では殆どの場合、
会社関係者が、休職者の主治医に面談するのが、マニュアルになっているようです。
このような傾向はとても歓迎すべき事態なのですが、一方で、冒頭に述べているように
会社側との面談をかたくなに拒む主治医もいるようです。

なぜか、一種のトラウマのようです。精神科医をはじめとする医師は、医師国家試験を通過していますので、
当然に一定以上のレベルにあるのですが、一方で、企業は百社百様です。
いわゆる「ブラック」な企業もありますし、常識を理解していない、よく言えば「悪意のない」不届きな企業もあります。
このような企業に遭遇した医師は、相当に「反省」してしまうようです。

一方で、社会保険労務士の先生も、このあたりの事情には精通していません。
最近立て続けに、社労士の先生より、主治医(精神科医)に面談するのだけれども、その際の心構えについて教えてほしいとの要望がありました。
結論です。中小企業にとって、産業医の支援はなかなか得られないのが現実です。

そこで、結論なのですが、小生の最近の提言のひとつとして、「主治医」を頼ることをお勧めしています。
産業医の選任義務のない、50人以下の事業所においてはなおさらです。
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原因は必ず特定してください

2014年08月26日 | 情報
うつ病をはじめとする精神疾患をり患し、4日以上休業するか、退職する労働者は、
全労働者の約0.4%であるとの推定統計値があります。
即ち、1000人の労働者が働いている事業所では、そのうちの4人が、
うつ病をはじめとする精神疾患をり患し、4日以上休業するか、退職しているということです。
この推計値は、かなり控えめとの声が多いですし、小生も感覚的にはそう思います。
因みに、産業別に見ると、IT業界は、2%、建築業界は0.2%との推定値も報告されています。

一方、労働者が業務上で疾病のり患したり、負傷したり、不幸にも死亡したりした場合は、
安衛法で、遅滞なく所轄の労働基準監督署長に報告しなければならないとされています。

(労働者死傷病報告) 安衛則第97条  
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、
又は休業したときは、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
2  前項の場合において、休業の日数が四日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、
一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間における当該事実について、
様式第二十四号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

企業(事業所)が、この報告を怠ると、いわゆる「労災隠し」ということになり、50万円以下の罰金が科せられます。
また、違反した担当者のみならず、会社の代表者、代理人も同じ罰金刑を科せられます。
さらに、「労災隠し」の多くは、新聞をはじめマスコミ報道されますので、当該企業のダメージは罰金程度では、終わらないということです。
具体的には、最近は、コンプライアンスを重視するのが普通ですから、取引先の企業から取引停止を通告される場合もあり、
そのダメージ、損失は、企業の屋台骨を揺るがす事態に発展する可能性もあるのです。

ところが、労働者が精神疾患をり患した場合はどうなるのかなのですが、企業側にとっては、
業務上で労働者が精神疾患をり患したのか、または、私傷病なのかは、「俄かには」には判断できません。
ですから、この場合には、「遅滞なく」所轄労働基準監督署長に報告できません。
企業は、労災だろうと認識していてもこの間隙を利用して(?)、殆どの事案について
所轄労働基準監督署長に報告しないで済む、私傷病扱いにしているのです。

さて、今日の本題なのですが、参考となる最近の判例としては、東芝うつ病事件(最高裁・2014.3.24判決)があります。
会社側は、私傷病扱いとして処理したのですが、労働者側が労災であるとして訴訟に持ち込み、
最高裁で原告勝訴という結果に至った事件です。この結果は大きな影響を労働界に与えています。

実務の話ですが、皆さま方には、労働者がうつ病をはじめとする精神疾患をり患し、4日以上休業するか、退職した場合、
当然に「私傷病扱い」で処理することと推測します。
このことが会社側の意思決定であるのであれば、それ以上に追求しませんが、
「私傷病扱い」するにしても、労働者がうつ病をはじめとする精神疾患をり患した場合には、
その原因は、どこにあるのか、労災に該当するのか、私傷病なのか、それとも労働者本人の固体要因なのか、
そう遠くはない事態に備えて、見極めておく必要があります。

見極める判断基準は、
心理的負荷による精神障害の認定基準について(基発1226第1号 平成23年12月26日)厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-15.pdf
を参照してください。

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現場優先のMH対策

2014年08月25日 | 情報
MH対策について、情報発信する専門家は、
詳しく統計をとっているわけではないのですが、半分以上が精神科専門医でしょう。
主に、数多くある精神疾患の種類と病状の特色を解説しています。
ですから、企業の人事労務担当は、必要以上に「精神疾患の種類と病状の特色」に詳しくなります。
すなわち、メンタルヘルス対策、イコール、[精神疾患に関する知識の習得]、という様相を呈しています。

次に多いのが、産業医です。産業医は企業内の現場に入り、日常的に労働者の健康管理に取り組んでいます。
そこでは、意思決定の論理等の企業の実態、労働者の心理や労働の実態等を日常的に観察しています。
しかし、医師として企業の現実に直面した結果、産業医は、多くの矛盾、ジレンマを抱えているものの、
企業組織においてはあくまでも「外部」の人間であり、本当に企業組織、企業論理の本質まで食い込んでいる産業医は、
そう多くはないと考えています。

次に、信ぴょう性のある情報を発信しているのが、労働問題に詳しい弁護士です。
法解釈、判例解釈は、弁護士の「独壇場」です。しかし、企業の現場で起きていることは、
条文・判例どおりにならないのが殆どです。
しかし、弁護士は、法解釈、判例解釈から外れるような事象には、全くと言ってよいほど言及しませんので
企業内の関係者のとっては、「隔靴掻痒」の感は否めません。

僅かですが、社会保険の手続き業務に加えて、企業の人事労務管理、MH問題に関与している社会保険労務士がいます。
しかし、社会保険労務士には大きな欠点があります。
ひとつは、残念ながら、メンタルヘルス問題の知識・情報を持ち合わせていないことです。
なぜなら、社労士試験に「メンタルヘルス問題」は含まれていないからです。
もう一つの理由は、実は優秀な社労士であっても企業での実務経験が少ないのです。
つまり、前述した産業医と同じで、企業組織においてはあくまでも「外部」の人間であり、
本当に企業組織、企業論理の本質まで食い込んでいる社労士は、そう多くはないと考えています。

そこで、企業の人事労務担当、健康管理スタッフのみなさんは、多くの専門家が発信する情報の中から、
正しい情報、重要な情報、必要な情報を峻別しなければなりません。
しかも日常の実務と並行して、作業しなければなりません。
これは、大変な作業と言わざるを得ません。

ここまでは、小生のこれまでの経験・見分の総括です。
これからは、小生の宣伝になります。
小生は、37年余にわたり、経理・財務関係以外の業務経験があります。本社・支社・子会社での活動もあります。
企業組織、企業論理の本質まで食い込んでおり、メンタルヘルス対策に精通している社労士は、
3万人余いる全国の社労士のなかで、小生が「ただ一人」と言っても言い過ぎではないと自負しています。

ご相談・質問・問い合わせは、
s-hashi@ya2.so-net.ne.jp までどうぞ。
無料にて承っています。
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