中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

裁量労働制の3人労災

2018年09月28日 | 情報

以下の新聞報道のみからの印象ですが、誤解を恐れずに申し上げれば、
「同社が全社員の3分の1にあたる約1万人に適用」とありますので、対象を大幅に拡大しすぎた結果と受け止めます。
当該企業は、裁量労働制を正しく理解していないように推測できます。
裁量労働制は、考え方として決して悪い制度ではありません。問題は運用にあると考えます。

三菱電機、裁量労働制の3人労災 過労自殺も
9/27(木) 朝日

三菱電機の男性社員5人が長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して2014~17年に相次いで労災認定され、
うち2人が過労自殺していたことがわかった。5人はシステム開発の技術者か研究職だった。
3人に裁量労働制が適用されており、過労自殺した社員も含まれていた。
労災認定が直接のきっかけではないとしながらも、同社は今年3月、
約1万人の社員を対象に適用していた裁量労働制を全社的に廃止した。
16年11月、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に勤めていた研究職の30代の男性社員が、
長時間労働が原因で精神疾患を発症したとして労災認定され、本人がその事実を公表した。
柵山正樹社長(当時、現会長)は17年1月の記者会見で「二度とこのような事態が起こらないように取り組む」と陳謝し、
労働時間の正確な把握に力を入れる考えを示していた。
朝日新聞の取材で、これ以前にも労災が2件、17年にも2件認定されていたことが新たにわかった。
関係者によると、5人のうち裁量労働制を適用されていたのは3人。
このうちコミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に勤務していた40代の社員は、
長時間労働が原因で精神障害を発症して自殺したとして17年6月に労災認定された。
若手のため裁量労働制を適用されていなかった名古屋製作所(名古屋市)勤務の社員(当時28)も精神障害を発症し、
14年12月に過労自殺と認められており、4年間に2人が過労自殺していた。
三田製作所(兵庫県三田市)に勤めていた40代の社員は13年に脳梗塞(こうそく)を発症。
東京・丸の内の本社勤務だった40代の社員も、16年にくも膜下出血を発症した。
この2人も長時間労働が発症の原因だったとして、それぞれ15年3月と17年8月に労災を認められた。
裁量労働制は実際に働いた時間にかかわらず、一定時間を働いたとみなして残業代込みの賃金を払う制度。
労働時間管理が甘くなり、長時間労働を助長する危険性が指摘されてきた。
制度の廃止により、対象だった社員は原則として残業時間に基づいて残業代を受け取る働き方に変わった。
同社は多少の人件費の伸びを見込んでいるという。
三菱電機は朝日新聞の取材に対し、新たにわかった4件の労災認定の事実をすべて認めた。4件とも社内に周知していないという。
それぞれ「個別の事情がある」(人事部)として、労務管理に構造的な問題はないとしている。

残業5倍…過労自殺の再発防げず 三菱電機
2018年9月27日 朝日

大手電機メーカー、三菱電機で裁量労働制を適用されていた技術系社員が相次いで労災認定を受けていたことが明らかになった。
長時間労働を助長するとの批判が根強い裁量労働制の危険性が改めて浮き彫りになった。
同社が全社員の3分の1にあたる約1万人に適用してきた裁量労働制を全廃したことも判明。
安倍政権がめざす裁量労働制の対象拡大に向けた議論に影響を与えそうだ。
通信システムなどの開発を手がけるコミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に勤務し、
2016年2月に過労自殺した男性社員は亡くなる4カ月ほど前から法定時間を上回る残業がそれ以前の約5倍に急増。
月80時間前後の「残業」が続いた。この時期に精神障害を発症したとして、17年6月に労災認定された。
車載用機器を手がける三田製作所(兵庫県三田市)で13年6月、本社(東京)でも16年4月に男性社員が脳疾患を発症し、
その後労災と認められた。3人はいずれも40代のシステム開発の技術者で、「専門業務型」の裁量労働制を適用されていた。
12年8月にも名古屋製作所(名古屋市)の技術者の男性社員(当時28)が自ら命を絶った。入社4年目だった。
11年にシステム開発プロジェクトの担当に任命されたが、システムに次々と不具合が発生した。
完成が予定に間に合わず、遅れを取り戻すために月100時間を超す残業が数カ月続いて、精神障害を発症。
14年12月に労災認定された。

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6時間未満が半数

2018年09月27日 | 情報

小職の経験則では、多くの場合、睡眠不足は「うつ病」への入り口と理解しています。
日経新聞が注目した項目を記事にしたのは、大いに賛同しています。

睡眠、40代最も短く厚労省 6時間未満が半数
2018/9/25付日本経済新聞

20代以上の男女の1日の平均睡眠時間を調べたところ、40代男女の半数前後が6時間未満しか眠れていないと答えていたことが
厚生労働省の2017年国民健康・栄養調査で分かった。
世代別で男女を比べると、40代以上では、いずれも女性の方が睡眠時間が短い傾向が強かった。
「睡眠で休養があまり取れていない」「全く取れていない」と答えた人の割合も40代男女の30.9%が最も高く、
50代(28.4%)、30代(27.6%)が続いた。
調査によると、40代男性は「睡眠時間が5時間未満」が11.3%、「5時間以上6時間未満」が37.2%で合わせると48.5%。
40代女性では5時間未満10.6%、5時間以上6時間未満41.8%で合計すると52.4%に上った。

(参考)平成28年「国民健康・栄養調査」の結果(厚労省 健康局健康課)
~体格及び生活習慣に関する状況は、依然として地域差あり~

このたび、平成28年10~11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を取りまとめましたので、公表します。
平成28年調査は、平成24年以降2回目となる拡大調査を実施し、毎年実施している基本項目に加え、
重点項目として、糖尿病有病者等の推計人数及び体格や生活習慣に関する地域格差を把握しました。

【調査結果のポイント】
糖尿病有病者と糖尿病予備群はいずれも約1,000万人と推計
・糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人と推計。
・糖尿病予備群は、平成9年以降増加していたが、平成19年以降減少。  
体格及び生活習慣に関する状況は、都道府県の上位群と下位群で有意な差
・体格(BMI)及び主な生活習慣の状況について、都道府県別に年齢調整を行い、高い方から低い方に4区分に分け、
上位(上位25%)群と下位(下位25%)群の状況を比較した結果、
BMI、野菜摂取量、食塩摂取量、歩数、現在習慣的に喫煙している者の割合(男性)で、それぞれ上位群と下位群の間に有意な差。
・平成24年調査と平成28年調査を比較したところ、都道府県の格差は、男性の野菜摂取量及び男女の食塩摂取量で縮小。  
受動喫煙の機会は「飲食店」が最も高く4割超    
・受動喫煙の機会を有する者の割合について場所別にみると、「飲食店」では42.2%と最も高く、
次いで「遊技場」では34.4%、「職場」では30.9%。 (30頁:図33)  
高齢者の女性における低栄養傾向の者の割合は、この10年間で有意に増加    
・65歳以上の高齢者の低栄養傾向(BMI≦20 kg/m2 )の割合は、男性12.8%、女性22.0%であり、
この10年間でみると、女性では有意に増加。(17頁:図8-1)

3.睡眠の状況(調査結果の概要のP26)
ここ1ヶ月間、睡眠で休養が十分にとれていない者の割合は 19.7%であり、平成 21 年、24 年、26 年、28 年の推移でみると、
有意に増加している。性・年齢階級別にみると、男女ともにその割合は 20~50 歳代で2割を超えている。

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明日26日は、休載です

2018年09月25日 | 情報

明日26日は、出張しますので、休載します。
再開は、27日(木)です。

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セクハラを受けて精神疾患

2018年09月25日 | 情報

セクハラに起因する精神疾患に限ると年間1~3件にとどまる。」とあるように、
セクハラを認定するのがとても難しいのですね。なにしろ云った、云わない、またはやった、やらないの
水掛け論になるからです。周囲の証言とか、録音録画のような決定的な証拠があれば、別ですが。
加えて、周囲は、身に係る災難を恐れ、証言しない場合も多いようです。
それでも、今回は、公務災害を認定したのですから、結論は見えていますが東京地裁での審理が注目されます。

同僚が女性警視に「ちゃん」付け…公務災害認定
9/23(日) 読売

警察庁に勤務する40歳代の女性警視が、元同僚の男性警視のセクハラを受けて精神疾患になったとして、
同庁から国家公務員災害補償法に基づく公務災害として認定されていたことがわかった。
国家公務員がセクハラによる疾患で公務災害認定されるケースは珍しい。
女性警視は認定後の今年4月、精神的苦痛を受けたとして男性警視に損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、現在、審理が行われている。
この訴訟に証拠提出された同庁や人事院の内部文書によると、男性警視は2014年、関西地方の県警から同庁に転任し、
女性警視と同じ部署に配置された。
その後、女性警視が15年1月、「セクハラを受けている」と上司に申告。
男性警視が女性警視を「ちゃん」付けで呼んだり、酒席や職場で卑わいな言動を繰り返したりしたと主張した。
同庁は調査の結果、同年2月に男性警視によるセクハラがあったと認定。
女性警視は同年3月以降、極度のストレスで目まいをおこし、抑うつ状態などと診断されたが、
同庁はこれについても「長期間のセクハラで強度の精神的負荷を受けたことが原因」と判断し、
人事院と協議の上、昨年3月に公務災害と認めた。
一方、男性警視側は訴訟で、「ちゃん」付けで呼んだことは認めたが、「セクハラはしていない」として請求棄却を求め、
セクハラを否定する元同僚の陳述書も証拠提出した。
今回の認定について、警察庁は「個別の件には答えられない」としている。
人事院のまとめでは、国家公務員の公務災害認定の件数は毎年、1000~2000件台で推移しているが、
セクハラに起因する精神疾患に限ると年間1~3件にとどまる。

 

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平成30年度 「全国労働衛生週間」(再掲)

2018年09月24日 | 情報

本年のスローガンは、「こころとからだ~」です。「こころとからだ~」のフレーズは、もはや、標語の定番です。
さらに、具体策も「安全」より、「衛生」に主体がシフトしているようです。

厚労省HPより
平成30年度 「全国労働衛生週間」を10月に実施します
~今年のスローガンは「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」~

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000170527_00001.html

平成30年7月18日
【照会先】労働基準局 安全衛生部 労働衛生課

厚生労働省は、10月1日(月)から7日(日)まで、平成30年度「全国労働衛生週間」を実施します。
今年のスローガンは、「こころとからだの健康づくりみんなで進める働き方改革」に決定しました。
このスローガンは、こころとからだ両方の健康づくりを進め、職場で一丸となって働き方改革を進めることで、
誰もが安心して健康に働ける職場を目指すことを表しています。

今年で69回目となる全国労働衛生週間は、昭和25年から毎年実施しており、
労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、
職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的としています。

毎年10月1日から7日までを本週間、9月1日から30日までを準備期間とし、
各職場で、職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取組を展開します。

本年度は、第13次労働災害防止計画の初年度における取組として、
長時間労働者やメンタルヘルス不調者に対する面接指導などが受けられる環境の整備や、
病気を抱えた労働者の治療と仕事の両立支援を社会的にサポートする仕組みの整備、化学物質対策として、
ラベル表示・安全データシート(SDS)の交付・入手の徹底に引き続き取り組んでいきます。

実施要項
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000333928.pdf

 

 

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