中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

三菱電機の事案と同じです。

2022年08月30日 | 情報

三菱電機の事案と同じです。
労災認定⇒民事訴訟⇒敗訴または、和解
これが現在では労災事案の定型化した流れです。

賞状を「症状」と言い換え営業成績けなす…会社側、社員自殺の原因をパワハラと認める
2022/08/26 読売

青森県八戸市の住宅会社「ハシモトホーム」の男性社員(当時40歳代)が2018年2月、うつ病になって自殺したことを巡り、会社側が、上司のパワーハラスメントが原因だったと認めた。遺族側の代理人弁護士が26日、記者会見して明らかにした。上司は同年1月の新年会で、賞状を「症状」と言い換えた男性宛ての書面を用意。「大した成績を残さず、あーあって感じ」と営業成績をけなすなどの嫌がらせをしていた。

自殺を巡っては、労働基準監督署が労災を認定。遺族側は今年6月、約8000万円の損害賠償を求めて青森地裁に提訴したが、今月23日、裁判外で和解が成立し、訴えを取り下げた。会社側は遺族に謝罪して賠償金(金額非公表)を支払い、今後、関係者を処分する。

和解を受け、男性の妻は「社員の命を大切にする会社に変わってほしい」とのコメントを発表した。同社の橋本吉徳社長は「二度と同じ過ちが繰り返されることのないよう、徹底した再発防止策を講じる」とするコメントを出した。

(再掲)
新年会で「症状」手渡す 男性社員の自殺「パワハラ原因」遺族が住宅建築会社提訴 青森地裁
6/20(月) 河北新報

住宅建築業ハシモトホーム(青森県八戸市)の青森支店(青森市)に勤務していた40代の男性社員が自殺したのは、上司のパワーハラスメントが原因として、男性の遺族が20日、
会社と橋本吉徳社長に約8000万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こした。

・うつ病発症、労災認定
訴えによると、男性は2011年に入社し、注文住宅の営業を担当。
18年1月ごろ、上司の男性課長から携帯電話で「おまえバカか」といった内容のショートメールが複数回送られた。
同月開かれた会社の新年会の余興として、営業成績をたたえた賞状形式の「症状」が交付され、誹謗(ひぼう)中傷を受けた。
余興は課長が企画し、文面も考案したという。
男性は翌2月、青森市の自宅に駐車していた自家用車内で自殺した。青森労働基準監督署は20年12月、上司のパワハラで重度のうつ病を発症し、自殺の原因となったとして労災認定した。
遺族側の代理人弁護士が20日、青森市内で記者会見し「謝罪などを求めて会社側と交渉したが、会社は法的責任はないとしている」と述べ、交渉が決裂して提訴した経緯を説明。
「パワハラ防止対策が中小企業でも義務化された。個人の問題と放置せず、このようなことが二度と起きないように願う」と訴えた。
橋本社長は取材に「訴状を確認しておらず、現段階ではコメントできない」と答えた。

 

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定型化した流れです。

2022年08月30日 | 情報

労災認定⇒民事訴訟⇒敗訴または、和解
これが現在では労災事案の定型化した流れです。
以下に、三菱電機社のHPと、以前にも紹介していますが、
胆管事件を機に、まさに変身されたSANYO-CYP社のHPにアップされている両社のステートメントを紹介します。
しかし、苛斂誅求を極めても意味がありません。判断・評価するのはステークホルダーのみなさんです。

上司から「飛び降りるのにいい窓」遺書に残す…三菱電機の新入社員自殺、遺族と会社が和解
2022/08/26 読売

三菱電機(東京)の新入社員の男性が2019年8月、上司から「死ね」などと言われたと遺書に記して自殺した問題で、男性の遺族と同社が和解したことがわかった。遺族の代理人弁護士が26日、記者会見を開いて明らかにした。和解は23日付。
代理人弁護士や同社によると、和解の合意書には、同社が遺族に解決金(金額非公表)を支払うほか、再発防止に真剣に取り組むことなどが盛り込まれた。同社は役員や社員を対象にハラスメント防止研修などを行い、今後5年間、再発防止策の実施状況を遺族に報告することなどを誓約した。
男性は19年8月、社員寮近くの公園で自殺。現場に残されていた遺書には、上司から「死ね」「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで」などの発言を受けたことが記されていた。尼崎労働基準監督署が21年2月、上司のハラスメントが原因で精神疾患を発症したとして労災認定した。
遺族は「三菱電機は息子の死を無駄にすることなく、二度とこのようなことが起こらないよう改善してほしい」とのコメントを出した。三菱電機は「ハラスメント行為を絶対に許さないとの強い決意のもと、再発防止と組織風土改革に全力で取り組む」としている。


労務問題の再発防止および組織風土改革の取り組みについて
2022 年 8 月 26 日 三菱電機株式会社

https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2022/0826.pdf

2019 年 8 月に当社の新入社員(当時)が亡くなられ、2021 年 2 月に尼崎労働基準監督署より労災認定されました。改めまして故人のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまに心からお詫び申し上げます。
当社は、痛ましい労災事案を重く受け止め、再発防止のための種々の施策を進めておりますが、この度、ご遺族に改めてお詫び申し上げるとともに、労務問題の再発防止を経営の最優先課題として引き続き全力で取り組むことをお誓いし、ご遺族との間で和解に至りました。
当社は、大切な従業員の尊い命が失われた事実を厳粛に受け止め、ハラスメント行為を絶対に許さないとの強い決意の下、2020 年 1 月から「職場風土改革プログラム」を展開し、全従業員が心身の健康を維持し、いきいきと働ける職場環境の実現に向けて、グループをあげて全力で取り組んでいます。
さらに、今年 4 月からは、新しい三菱電機の創生に向けた抜本的な組織風土改革を始動し、「上にものが言える風土」「失敗を許容する風土」「共に課題を解決する風土」の実現に向けて、日々、具体的な取り組みを進めているところです。
風通しのよい企業風土への変革、誰もがいきいきと働ける職場環境の実現に全力で取り組むことで、労務問題の再発防止を徹底するとともに、新しい三菱電機の創生に努めてまいります。

■主な取り組み
・ハラスメント教育強化と管理職任命時の見極め強化、管理職層への 360 度評価の導入
・全役員・全従業員によるハラスメント行為を行わない旨の宣言書提出
・意識調査を活用した定量的な職場風土分析と分析結果に基づく継続的な改善の実行
・個々人の負荷や職場内の人間関係、ストレスの状況などを確認する定期アンケートの実施
・相談窓口の充実(複線化)
・職場におけるハラスメント実態調査の定期的な実施と、申告案件について人事部門に加え外部専門家の窓口を新たに設置し、心理的安全性を確保した実態把握の実施
・ハラスメントに関する懲戒規則の改定、厳罰化と全従業員への周知徹底
・パワーハラスメント事例やパワーハラスメント相談件数等の従業員への適時適切な情報開示
・オープンな風土形成に向けた経営陣自らの変革(社長・執行役によるタウンホールミーティング、全執行役へのコーチングの実施)


SANYO-CYP社 HPより

https://www.sanyo-cyp.com/

2012(平成24)年、弊社の元従業員と従業員が胆管がんを発症したことが明らかになりました。厚生労働省の検討会では、この胆管がんの原因物質について、1996(平成8)年から2008(平成20)年の12年間にわたり、印刷機のブランケットと呼ばれる部分のインキを拭き取るために使用していた1、2-ジクロロプロパンを含む洗浄剤である蓋然性が高いという結論にとどめましたが、発症に業務起因性は認められるとして2013(平成25)年春に労働災害と認定されました。
改めまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様、罹患され現在治療を続ける方々とそのご家族の皆様に、このような労働災害を発生させてしまったことを心より深くお詫び申し上げます。
あわせまして、災害に関して多大なるご心労、ご迷惑をおかけいたしましたお客様や同業他社様、地域の皆様方にも、心からお詫び申し上げます。
弊社としましては、これを真摯に受け止め、二度と労働災害を起こさないことを誓うとともに、安全安心な職場環境を維持し皆様に信頼される会社づくりを行ってまいります。
そして、弊社のような企業が二度と出ないこと、労働災害がこの世からなくなることを切に願います。

株式会社SANYO-CYP
代表取締役社長 兼 CEO
山村 健司

 

 

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