中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

休職復職Q&Aシリーズ⑦

2022年08月18日 | 情報

Q;従業員80名の小売業で総務部長をしています。従業員の一人が精神疾患と思われる症状を呈して休んでいます。
主治医が認める診断書が提出されたのですが、記載されている病名が信用できません。従来にも同様な事案がありました。
これまでも「自律神経失調症」「うつ状態」「心因反応」「適応障害」「自律神経失調症」等々と、いわば多種多彩でよくわかりません。
どのように解釈すればよいのでしょうか?

A;精神疾患領域の診断書には、高度に秘匿されなければならない個人情報が記載されています。

主治医は、患者の依頼に応えて診断書を認めますが、その診断書が誰に届けられるのか、
また、だれを経由して誰に届くのかについては、確信情報がありません。
従って、主治医は以上のことを配慮して、診断書を認めることになりますので、
どうしても高度な個人情報については真実ではなく、「ぼやかして」記載する傾向があります。

次に考えられる可能性として、精神疾患の診断は、精神科専門医にとってもとても難しい問題と聞いています。
それに、精神科専門医といってもそれぞれに専門領域があって、異なる専門領域の疾患について
確信をもって診断するのは難しい問題とも聞いています。
一方で、診断書の提供に、多くの時間を割くことはできません。

三つ目に考えられる可能性としては、診断書は公式文書ですので、「うそ」を記載することは許されません。
従って、いま確定できる事実のみの記載となります。

これらの理由から、ご指摘のような診断書が届けられるということになります。

最後に、診断書の内容に疑問がる場合は、当該事業場の産業医に依頼して、
また、当然に産業医も疑問を持つでしょうから、産業医から当該主治医に対して質問状を提出してもらい、
正式回答を得る手順を踏んでください。

 

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