高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

雪合戦 真剣に遊ぶ

2020-01-16 17:24:31 | コラム風味

[発行日]=2000年12月13日 自然遊びのすすめ 再構成

 雪合戦 真剣と加減、学ぶ 高木晴光(自然遊びのすすめ)/北海道

*****

 「すいません。どおーか、もう一度お願いします!」。子どもたちが雪の上に正座をして大人たちに頭を下げた。山の中で子ども対大人の肉弾雪合戦。大人げないなんて言わせない。大人の実力を見せてやるのだ。作戦を立て、ダイナミックに格闘する。雪玉を作らせないように組み伏せてもかまわない。相手の陣地の旗を取れば勝ちだ。

 一回戦は、あっという間に大人チームの大勝利。戦いは、「もうやめよう」と子どもたちが言えば、それでおしまい。「大人の力を知ったか! あんまりいい気になるなよ!」。そんな真剣勝負の雪合戦を子どもの冬体験活動でやっている。ところが、子どもたちはめげない。「土下座して頼め!」と、とんでもない大人の要求にも答えたのだ…。しかたがない、願いを聞き入れ二回戦目。

 しかし…、初めてこの遊びに参加した大人が多いと、二回戦はやばい。妙な情けをかけて手を抜いてしまうんだな。それでも大人は勝つが、子どもたちは、「次は勝てる」と感じたのだろう、再戦のために、簡単に「も、一回お願いします!」すぐに土下座願い…。

 大人たちは体力を消耗しているのに申し出を受けてしまったので、三回戦は大苦戦で、なんと敗戦…。小憎らしいほどに悪態をついて勝利を喜ぶ子どもたちを見て、今度は大人が土下座する番だ。「もう一度やってください!」。それが後の祭り。勝ち方を知った子どもたちに、第四回戦も無残な惨敗・・・。何を要求されるか不安になる大人たち…。

 でも、肩で息をして雪の上に倒れている大人に、「いいよ、何もしなくて」と優しい言葉もあがる。よっぽど子どもの方が大人だ。遊びの加減を学んでいるのは子どもたちの方だった。

 (北海道自然体験学校NEOS 高木晴光)

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スキーの後悔 | トップ | 年金受給申請 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

コラム風味」カテゴリの最新記事